ビデオプロジェクタのレンズシフトの概念と正しい投影の仕方~実践編~ | 音響・映像・電気設備が好き

音響・映像・電気設備が好き

「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

 

細かい説明しても字数が増えるだけなのでアッサリと記述します。
大前提の条件ですが、上下左右にレンズシフトができるプロジェクタでのみ可能です

 

イメージ 1

 

イメージ 2
1.まず、プロジェクタ本体の光軸を墨出しします。写真の場合はレンズがセンタなので本体の中心が光軸です。左右にレンズシフトが出来るからと言ってこの作業を怠ると調整時に時間を取られてしまいます。


 

イメージ 3

 

イメージ 4
2.筆者はいつも天吊り金具の取り付けテンプレートを作成しています。こうしたツールが施工精度を上げ、そして施工時間を短縮します。


 

イメージ 5
3.天吊り金具とプロジェクタ本体を仮組してイメージを掴みます。


 

イメージ 6
4.レーザで光軸(施工時のスクリーンセンタ)を立ち上げ、テンプレートを使用し、ボルトや通線口の位置を確認します。※写真は、プロジェクタの更新だった為に、既存の穴が空いてます。
この後、プロジェクタを吊ります。(省略)


 

イメージ 7

 

イメージ 8

 

イメージ 9
5.ビデオプロジェクタのレンズシフトの概念と正しい投影の仕方~理論編~を参考に、プロジェクタ本体の水平・垂直を取ります。


 

イメージ 10

 

イメージ 11
6.最終的には本体のクロスハッチで合わせます。製造のばらつきがあるので、上下左右のレンズシフト機能を使いスクリーンの上端、下端、右端、左端で垂直水平を見ます。(そもそも本体とレンズ光軸が並行だなんてメーカは保証していません)
歪みの傾向を見てどちらにどれだけ歪んでいるかを認識し、調整を繰り返せば、設計上ミスをしていない限り、台形補正なしで必ず合致します。
※上写真は、上部が広く、下部が狭い例です。この場合は、プロジェクタ本体の頭を上げ(水平をずらす)、レンズシフトでレンズを下に動かし調整します。

 

手順は以上です。

 

最近、感じることは、プロジェクタそのものの精度が落ちてきている気がします。
気を使って取りつけても素子とレンズの光軸そのものが狂っていて、平面にキチンと投射出来ないものが見受けられます…。
コストカットによる時代の流れなのでしょうか、技術者としては物悲しさを感じます。