映像のセーフティゾーンの概念 | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

映像のセーフティゾーンの概念ですが、タイトル・セーフティは80%でアクション・セーフティが90%なんて言っていたのはもはや昔の話で、局は85%だよ、なんてのも昔の話になって、結論を言ってしまうと、ハイビジョン放送でドット・バイ・ドット表示が当たり前になれば、100%を前提とした再定義が必要というのが最近の結論の様です。

参考資料:
ARIB TR-B4_アスペクト比16対9の画面におけるセーフティゾーン
http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/4-TR-B04v1_1.pdf

SD全盛期で、フル表示が問題になったのはWeb用動画ファイルの突出でした。

そもそも、NTSCは、映像信号のうち、画像として認識できる範囲全てを表示するようには設計されていません。ここが現行のハイビジョンと大きく違います。

筆者の体験としてはベーカムやVHSの様なアナログテープで収録された映像素材をPCに取り込み、「PC上でしか閲覧しない映像アーカイブ」に変換する際に発生する、セーフティ・エリア外の部分をどうするのか?が大きな問題でした。
※デジタル信号として取り込む場合、キャプチャ上の最大水平解像度が720ピクセルとするとアナログでは有効水平画像が704~711ピクセルしかありません。ちなみに垂直解像度はNTSCの定義上486(485)ラインですが大抵のデジタル・キャプチャでは480ラインです。


この手の映像は、You Tubeで沢山見ることが出来ます。

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参考までに、あるYou Tubeの動画ですが、VHS素材を100%表示なので、映像の下端が流れています。また、アナログ放送の頃のセーフティ概念で「90%以上は絶対に見えない」が基準のため、テロップのスクロール待機がまる見えです。
※企業研修ビデオなどではページピール効果が入る際にセーフティギリギリに縁取りが現れたりしましたね。

このセーフティ外の部分をどのように処理するかですが、自分は素材によっては、90%断ち落としでエンコードなどをしていましたが、全てに当てはまる最良の方法ではないので、注意が必要です。

ハイビジョンで撮影を行い、FPDでドット・バイ・ドット表示が当たり前になるとセーフティゾーンや「断ち落とし」の概念が失われてしまうことでしょう。

おまけ

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720×480 85%セーフティ

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1920×1080 セーフティ