Weidmuller PZ 6/5圧着ペンチとスリーブ | 音響・映像・電気設備が好き

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ワイドミュラーPZ 6/5圧着ペンチの紹介です。
※正式にはワイドミュラーは、Weidmüllerと表記します。(Uにウムラウト記号)
日本ワイドミュラー公式サイト

ドイツのワイドミュラー社の圧着ペンチPZ6/5です。
PZ6/5は電線のヨリ線を単線扱いにできるスリーブを圧着する時に使用します。
単線扱いが可能になると、WAGOに代表される差し込み式端子台や、ユーロブロックコネクタに簡単に組み込みが出来るようになります。
※WAGOで「VarioCrimp 4 バリオクリンプ4 0.25~4.0mm2」という圧着ペンチがありますが、これはワイドミュラー製品では「PZ 3 0.5~6.0mm2」に該当する、「断面が四角に仕上がる圧着ペンチ」です。逆に、「PZ 6/5」に該当する製品はWAGOでは生産されていないようです。

シェアが産業用途に限られてしまっている製品なので普段目にすることはないと思いますが、ヨリ線を単線扱いにする圧着工具は色々と活用方法があるはずですので、今回取り上げてみました。

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ラチェット機構そのものも日本にはないタイプです。

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圧着ダイスの精度が非常に高いです。

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これらが圧着スリーブです。絶縁被覆付きで、スリーブのサイズに応じて色別されています。
個人で所有しているものは、左から、H0.25/12(AWG24)、H0.34/12(AWG22)、H0.5/14(AWG20)、H0.75/14(AWG18)、H0.5/18.4(AWG20×2本線用)です。この他沢山の種類がありますので興味がある方はカタログをご覧になってください。

※用途※
H0.25/12(AWG24)…L-2B2ATなど
H0.34/12(AWG22)…L-4E6Sなど
H0.5/14(AWG20)…4S6の1本線など
H0.75/14(AWG18)…0.75のVFFなど
H0.5/18.4(AWG20×2本線用)…4S6の2本差しなど

圧着の流れ

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ケーブルのシースをストリップし、スリーブを差し込みます。
※この場合は適正サイズではないので、抜け防止の為、根元を多少ねじった方が良いです。
※CANARE L-2B2ATを例にあげます。L-2B2ATはAWG25ですが、圧着スリーブは最小のAWG24を使用しています。


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0.25部分で圧着します。


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写真のように少しはみ出るくらいが最適なようです。
一番小さなスリーブですので、平べったくなっていますが、径が大きくなるにつれて断面は台形になって行きます。使用したことはありませんが、圧着ペンチの種類によって6角形仕上がりや4角形仕上がりができるそうです。※コストパフォーマンスは(0.25~6.0まで圧着できるので)このペンチが一番高いです。


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はみ出た編組をカットします。


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これを3回繰り返すと写真のようになります。
バラケ防止用に先端のみをハンダであげるのも良いですが、圧着式も捨てがたいものがあります。


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ユーロブロックコネクタなどに最適です。
※ユーロブロックでは全長をハンダで固めたヨリ線はクラックを起こすため、使用が禁止されています。


おまけ

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こんな風に使用する人はいないとは思いますがL-4E6Sです。


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4S6用途にも利用できます。このシースサイズになると2本差し用スリーブが活躍します。
※L-4E6Sでは2本差しでなくても圧着が可能でした。


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プッシュ式ターミナルのスピーカ接続コードにはVFF 0.75mm2が良く使われますが、こちらの線に対しても非常に有効です。


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上がハンダでまとめた状態で下が圧着仕様です。
仕上げは圧着式の方が圧倒的にキレイであるのは間違いないですね…ただ、プッシュ式ターミナルにおいては単線に比べ、ヨリ線の状態の方が潰れる分、保持力が高いことは従来と同じです。これは四角の段々圧着ができるペンチに変えれば解決するのかも知れません。
※圧着した後、端子が長すぎる場合はカットすることも可能です。
※池上や海外製品のプッシュターミナル入力のDC駆動防犯カメラの電源や、タイムコードリーダのプッシュターミナルなどにも使えますよ!