NEUTRIK NF2C-B/2(ProFi RCA)製作方法 | 音響・映像・電気設備が好き

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NEUTRIK NF2C-B/2(ProFi RCA)製作方法です。

 

NF2C-B/2はノイトリックが販売しているプロ用RCAプラグです。
(製品の名目はフォノ用、つまりレコードプレーヤ用途です。)
参考:
CANARE F-10製作方法
NEUTRIK マイナチェンジNF2C-B/2(ProFi RCA)製作方法
廉価RCAプラグの製作方法
※こちらの方も参照下さい。

 

 

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このような袋に入って販売されています。

 

 

このプラグの最大の特徴は、コネクタのグランドが先に接触することです。
そんなのあたりまえじゃないか、と思うかもしれませんが、従来のRCAプラグは、ホットから接触するという構造的欠陥を抱えていたのです。
…と、これがなぜ欠点なのかは、通常生活で実感することはなかなかできませんが、自分は秋葉原でオーディオ販売をしていた頃、お客さんの目の前でアンプをつなぎ替える時に痛感していました。
古いオーディオの世界では「アッテネータなし・RCA入力のパワーアンプ」というのがまかり通っています。これにプリアンプからの出力を電源を入れたまま何の気なしにRCAコネクタを突っ込むと、グランドが接触するまで「ブイー!」とノイズが乗ります。(音響の心得がある方にはアンプ切らずに繋ぎかえる馬鹿がいるか、と思うかもしれませんが、こちらは物売りでお客を待たせている立場、なおかつ製品は真空管アンプだったりするので、電源を切って再度投入は時間ロスの原因なのです。)
これを避けるために、RCAコネクタをアンプにつなぐ際は親指でRCAプラグとアンプ側のRCAレセプタクルのグランド部分を短絡させつつ差し込む、という方法をとっていました。
つまり、グランドから接触すれば原理的にノイズは発生しないというわけです。
※キャノン(XLR)コネクタ、BNCコネクタなどはこの法則に従い設計されています。

 

 

前置きが長いですが、上記のことをコネクタ単体で行ってくれるのがこのNF2C-B/2なのです。

 

 

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仕掛けは単純で、RCAのグランド部分にスプリングが仕込まれており、挿し込む際に収納されるというものです。多少ガタがあるものの、シャコシャコ気持ちよく動いてくれます。
日本で販売されていない頃、海外製のフォノ用ケーブルでこのコネクタを初めて見たとき、進んでいるんだなぁ、と感激した覚えがあります。

 

 

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右:CANARE F-10と比べると、ピンが露出していないのがわかります。

 

 

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パーツ構成は左から、コンタクト、チャック、ブッシングです。
プラグ本体はΦ13.0mmです。

 

 

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チャックはケーブルの太さによって黒・青のどちらかを選びます。
※Φ5.5~7.3mmは黒、Φ3.0~5.5mmは青となっています。
今回は例の如くCANARE L-4E6Sを使用するので、黒チャックを使用します。

 

 

製作方法

用意する道具はいつもと同じ、ハンダ、ハンダゴテ、万力、それと締めこむための革手袋です。
ケーブルはカナレのL-4E6Sの白を使用します。
ストリップ方法はこちらを参考にして下さい。
L-4E6Sケーブルのストリップ

 

 

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製作に入る前に、ブッシングをはめ込むことを忘れないようにしてください。

 

 

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1.ケーブルをストリップします。
ストリップした後、バラケ防止用のハンダを少量のせます。

 

 

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こちらが、規定寸法です。「ちょっ、短ッ…」と思われるかもしれませんが、ケーブルのクランプはチャックで行っているので安心してください。
※写真のように、最初から規定寸法に切り出さず、ハンダで固めてから切り出す方法が一番良いと思います。

 

 

 

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2.コネクタを万力に固定し、グランドのハンダ付け位置を確認します。
※結構、切り詰めているので確認が大事です。

 

 

 

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3.ハウジングのリップ部分にハンダを少量のせ、その後グランドをハンダ付けします。
コネクタの中心線とケーブルの中心線がなるべく一直線になるようにハンダ付けをします。
※そうしないと、ブッシングが締め込めません。

 

 

 

 

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4.グランドと同じように、位置を確認してからホットをハンダ付けします。

 

 

 

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横から見ると、こんな感じです。

 

 

 

 

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ブッシングを締めこんだら完成です。

 

 

 

○OMOCA プロダクツで似たような製品がありますが、圧倒的にノイトリックのNF2C-B/2が精度・信頼性が上です。
しかし、NF2C-B/2は価格がべらぼうに高いのも事実です。
ということで、個人的には、頻繁に抜き差しをする測定用ケーブルにしかNF2C-B/2は使用しません。
普段、音声用RCAと言えばCANARE F-10をメインで使用しています。