バランス接続(伝送)・平衡接続について | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

バランス接続(平衡接続)についてですが、自分は専門学校に行っていた頃に専門書で初めてノイズを打ち消す仕組みを知りました。
昔の自分みたいに、今、バランス接続の意味を探している人が居るかもしれませんので記載します。

 

説明する前に一言述べておきますが、こういったテクニカルな話は、よりテクニカルになるほど真理がわからなくり、一概にこういうことです、と断定が出来ません。
それぞれの分野で、それぞれのエキスパートが、様々な視点で見られることを想定していない説明ですのでご了承ください。

 

 

ここで取り上げるバランス接続(伝送)とは、XLRタイプコネクタ(キャノン)に代表される音信号の伝達方式です。
伝送する元の信号を半分半分にし、片方の位相を反転させ、ツイストペア線で伝送し、信号を受けるときに先ほど反転させた位相を元に戻し、二つの信号を足し算して、元の信号を復元する方式です。別名差動回路とも呼ばれます。
詳細は以下。
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緑が「元の信号」で赤が「正相の信号」、青が「逆相の信号」です。
正相の信号を「HOT」、逆相の信号を「COLD」と呼びます。
伝送するために使用するケーブルはL-4E6Sに代表されますが、2本の線が縒ってあるタイプの線を使用します。縒ることで外部から受ける干渉の環境を同じにするメリットなどがあります。
※勘違いしていらっしゃる方もいるかもしれませんが、L-4E6Sはバランス伝送専用ケーブルのため、ステレオ伝送は電気的に好ましくありません。(標準3P-L-4E6S-標準3Pはバランス伝送用だ!!)

 

 

イメージ 2
ノイズを受ける際は、HOT・COLD共に影響を受けます。
イメージ 3
バランス転送は先に述べたように、「受けるときにCOLDの位相を元に戻しHOTと合成」します。COLDを反転することにより、先ほど受けたノイズはHOTから見ると電気的にマイナス側に同じだけ作用した状態となります。

 

 

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最終的に、ノイズが打ち消される仕組みです。

 

 

バランス接続(伝送)はある程度の距離を、-60dBu(0.775mVr.m.s.)の様な微弱な信号を伝送するときに能力を発揮します。
近距離で、なおかつラインレベルのような大きな信号を扱うときは能力をほとんど発揮することができないのです。

 

 

余談ですが、RS-232Cの通信をバランスにしたRS-422や、イーサネットなどのRJ45によるツイストペア伝送もバランス伝送です。
参考:音の基準レベルについて