かずのブログへようこそ! ≪#0036≫
「平和と非暴力」について考えた事ありますか。
皆さまは、ティク・ナット・ハンという人をご存知ですか。
ベトナムで生まれた禅僧です。
今欧米でブームになっている
「マインドフルネス」の第一人者と言われています。
私の昨日のブログに書いた
穏やかになるために
いろいろ学び、取り組んだ中で
影響を受けた人のひとりです。
ティク・ナット・ハンは、ベトナム戦争も経験をして
平和と非暴力を訴えてアメリカでスピーチを行い、
そのまま、祖国から反逆者とされて帰国できなくなり、
それ以降、フランスとアメリカを本拠地で活動しています。
これだけ聞くと、なにやら世界平和がどうとか、
すごくスケールが大きくなりますが、
ティク・ナット・ハン氏が説いているのは、
私たちの心の平穏、子供、夫婦など家族の関係、
日々接する人々の心のあり方です。
今年4月にNHKで放映された番組で
子どもからの質問に応えた内容は次の通り、
子ども
「お兄さんや妹に腹が立ったどき、どうしたらよいですか?」
ティク・ナット・ハン
「腹が立ったときは、何も言ってはいけません。なにもしない方がいいです。
自分に戻って、ゆっくり息を吸って息を吐きます。
それを何回かして、何か行動を起こす前に、
怒りの面倒をみてあげます」
(以上会話の一部)
腹が立った時は、何も言わず、何もしない。
おそらく、表情も変えない方が良いのでしょう。
腹が立っている時に、何も行動を起こさないのは
とても難しいかもしれませんが、
ゆっくり呼吸をしながら、
心を落ち着かせ別の事を考えれば良いのです。
そうはいっても、急にうまく行かないでしょう。
毎日の鍛錬が必要になります。
その鍛錬が、滝に打たれることだったり
山に籠っておこなったりでは、
私たちの日常生活では難しい。
ティク・ナット・ハン氏も著書の中で
呼吸法、歩く事など、日常で私たちが
出来る事を説明しています。
私にも簡単に出来ることです。
その中で、とても興味深い瞑想が紹介されていて、
『オレンジの瞑想』なんだか美味しそうな名前です。
目的は、子供に簡単に瞑想を教える方法だそうです。
方法は、
子どもと一緒にオレンジを食べるのです。
まずは、手の上にオレンジを載せて、
今、このオレンジが自分の手にあるのは奇跡である。
そこからスタートです。
どこか、行ったこともないオレンジ畑の一本の木に
自然の恵みのお蔭で実った一つのオレンジ。
害虫や風雨にも耐えて実った奇跡。
そして、自分も今ここにいる(生きている・住んでいる)奇跡。
その実ったオレンジが様々な工程を経て
あなたが果物を買う事になる店先に並ぶ
そして、あなた(お母さん)がそれを手に取り
家に持ち帰り皆で食べる事になる。
そこまでをイメージすることで、
子どもは、人生の一瞬一瞬を気づきながら生きはじめる。
この方法は、子供たちにイマジネーションと集中力を教えます。
そうすると、他者や社会に対する理解を深め
自分たちは何をしなければならないかを
知るようになる。
そして、忙しく余裕がない私たちに向かって
「たった15分間です。子どもと一緒に意識的にオレンジを食べてみてください。」
と、訴えかけています。
今を大切にして生きる事が習慣になれば
怒りに対しての反応も変わってくる気がします。
確かに、水を飲むとき、割りばしを割って使うとき
電気をつける時、衣類を着る時。
私たちは、今を当たり前と思いこみ過ぎている。
そんな事を思いながら、
昨日は、田舎の叔母から送ってもらったリンゴを食べてます。
このリンゴが実った奇跡ともう一つ
叔母の愛が加わって、今ここで私の手の上にあります。
皆さまは、怒りが湧いてきたとき、どうしてますか。
長くなってしまいました。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
高坂一彦 拝