～セラピスト自身の五感を大切に～四診カウンセリングレポート

2017・10・12　四診カウンセリング★レポート

サロンHP／『レイキ推拿セラピー～いぶき～』
アメブロ／『いぶきのココロと日々』

四診カウンセリング担当の山口恵美です。

今月の四診のスタートは、いつもよりちょっと難しい内容となりました。
久しぶりに本に掲載してある症例を読み解いていきます。

関節痛について、中医学視点からどのように観ていくか、実際に私たちに何ができるかを一緒に考えていきました。

中医学では関節痛は【痹証】というカテゴリーに入ります。何らかの原因によって、気血津液経絡の流れが滞り、皮膚・筋肉・関節などの痺れや疼痛を引き起こすものと考えます。症例をご紹介する前に痹証についての解説を。【痹】の字は詰まる・閉塞というような意味合いがあり、まさに字のごとくです。【不通則痛・不営則痛】がすぐに頭に思い浮かべられた人はいたでしょうか？

そして、痹証を引き起こすきっかけとなる主な外在的な原因の【風・寒・湿・熱】の外邪について、一つずつ、特徴を解説しながら、どんな状況でどんな風に起きやすいかを思い描いてイメージをしていきました。身近な生活の中から例えを出しながらイメージをしていくことで、理解も深まっていきます。

～症例：関節痛～

【証の診方・治し方～実例によるトレーニングと解説】より抜粋

男性・６７歳
初診：　２０００年１２月４日
主訴：　１０日前から肩・手指・膝の関節が痛く、こわばりや浮腫みを伴う。
現病歴：１０数年前から早朝に体操をする習慣がある。１０日前に体操をした時、小雨に濡れてしまった。その翌日の朝、起きると肩関節の痛みと重さで挙げられず、手指の関節にも痛みとこわばりがあった。２日間そのまま様子を見たが、痛みがひどくなるばかりなので、病院で検査を受ける。血沈：70mm/時・CRP3.1mg/dl・リウマチ因子（-）消炎鎮痛剤を処方された。しかし、痛みが緩和されないだけでなく、３日前には右膝痛も出てきた。

望診：　やや小太り・顔面蒼白・手指の第２関節と膝関節やや腫れる（押すと圧痛あり）

問診：　肩・手指・膝が痛くて重い。肩が回旋できない。手指・膝の屈伸不利。やや浮腫みを伴う。症状は朝起きる時が一番ひどい。温めたり、お風呂に入ったりすると軽減。体がだるく、手足が冷える。もともと胃は弱かったが、最近、特に胃が重苦しく感じ、食欲も落ちた。

舌診：　淡白・やや胖大舌・歯痕あり・白膩苔

脈診：　浮・滑やや遅

四診の時間にいつも感じることは、どうしても、結果を追い求めようとすることが多い傾向になります。

「正しい証を出さなくてはならない。症状を改善するにはどうしたらいいのか。」

などなど受講生さんから声が出てきます。しかし、私たち整体師・セラピトの役割は弁証論治するにあたり、結果を追い求めることももちろん時には必要かもしれませんが、まずはその過程を考えて、その人をとりまく環境・体質を含めて、全体的にイメージすること。本来持つ自己治癒力を引き出してあげること、心身穏やかになるきっかけの一つに繋げていくことと私は考えています。

難しい内容だったため、途中、受講生さんの中から『今日は季節の話がないのですか～？』なんておっしゃって下さる方もいらしたため（笑）ここ数日の温度変化による身体への影響の話をちょこっとお話してみました。

後半は、この症例による実践トレーニングです。この症例から読み解いて、私たちに最低限できることをご紹介していきました。
いつも実践トレーニング中によくある話なのですが「このツボを何回、押したらいいのですか？時間は？ホットタオルの温度はどれぐらい？」