口腔内環境が改善すると腎機能も改善する ~75歳女性
ホロン口腔歯科衛生士の水津智子です。「ホロン」的口腔歯科治療とは(こちらをクリック)ここでは以前『統合医療でがんに克つ』 (株)クリピュアで掲載された内容と進化した治療法をご紹介していきます。『歯を抜いた後の患者のQOLを考え、 今は歯を残す様々な工夫を凝らしている』遠近めがね 遠くを観ながら、近くを見る歯、のど及び腸の扁桃の異常は がんなどの難病の原因になる歯、のど及び腸の扁桃が全身と密接に関係していることを確信したのは、今から約20年前、スイスのパラセルサス・クリニックを見学した時である。パラセルサス・クリニックは世界中からがんをはじめ難病の人が多く来、驚くべき成績を上げていると評価されていた。パラセルサス・クリニックはフランスとの国境に近いスイスのルストミューレという片田舎にある。メディカルのDr.6人、歯科のDr.5人、その他の医療関係者を含めておよそ50人余りのこじんまりとした陣容だったと記憶している。ここで特徴的なのは、歯科医が5人もいることである。それだけ歯科を重要視している証左であろう。案内役をして頂いたメディカルDr.は、アメリカ人だった。がんの治癒成績にも目を見張ったが、記憶に残っているのは、日本ではほとんど対症療法のみの関節リウマチに対する治療法だった。パラセルサス・クリニックではもう何百症例も扱っている。そしてその治療法といえば、歯と腸にポイントがあるとのことだった。歯といえば、失活歯(神経を取った歯)がまず問題となり、全て抜くとのことだった。この問題は、また別の機会に触れるとして、そもそも歯の神経を取って、治癒に導く根拠の定まった方法は未だないためとのことだった。 【失活歯を全て抜く】、この問題については日本の事情(できるだけ歯を残してくれる歯医者を名医とする)を考えると、かなりの難しさを感じた。また歯を抜いた後の患者のQOL(食物が噛みづらいなど)を考え、今は歯を残す様々な工夫を凝らしている。ただし、がんなどの重病の場合は、徹底した歯科対応が必要なのは言うまでもありません。口腔歯科医 柳本信雄ホロン的口腔歯科治療教育の内容1人の口腔歯科医は6人の内科医に相当?! ~IgA腎症は口腔歯科的にどうであろう~この言葉は、アメリカでバイオロジカル・デンティストリー(生物学的歯科医学)の講義を受けたときに聴き、その重大性に身が引きしまった。歯の治療は、とてつもなく難しい。しかし、その評価は現在のところ、とてつもなく低い。その中で、あらゆる難病の原因的に関わっている可能性がとり沙汰され始めた。今できることは、そのような事情の認識の上に立って、現実的対応として、また全人的に考えて、患者自身の免疫力を自助努力でいかに上げるかが、重要となってくる。そのためにホロン治療では、「機能免疫プログラム」の充実に力を注いでいる。今回のIgA腎症の治療にも、その工夫が施されている症例 口腔内環境が改善すると、腎機能も改善する~75歳女性主訴新聞に〝口の中の詰め物(有害金属、薬剤)が原因で起きる全身症状〟が掲載されているのを見て、30年程前から続いている顔、首辺りの発赤、かゆみなどとの関係を疑い、来院される。【その他の所見】約20年前、くも膜下出血の発症。後遺症はないが、他部位にも動脈瘤が存在しているので、医師からは手術を勧められている。また、当院初診より1ヶ月後の尿検査で、血尿(+)、タンパク(+)と言われ、それ以降1ヶ月に1度の検査をしながらの経過観察が始まる=IgA腎症の発症のどの扁桃(口蓋扁桃)の慢性的な腫れ、腹部膨満感、歯ぎしり、難聴など=のど、腸扁桃からの感染(口呼吸、冷たい物中毒)の疑い。治療機能免疫プログラムと併行して、口腔内有害金属(義歯、歯)、薬剤(根管治療)の除去。その後、非金属の義歯、親和性の高い冠の装着を実施した。教育 ミトコンドリア活性法(口呼吸の改善→鼻呼吸、会陰呼吸、冷中毒改めなど)、重力バランスエネルギー療法(足元~腸腰筋~呼吸筋~咀嚼筋ゆるめ)など ホロン治療教育後の変化〈口腔〉自分なりに書籍などから、IgA腎症と口腔内(特に扁桃)との関連を知る。口呼吸、冷たい物中毒の改善のための体づくりをサボると尿中数値に現れるので、その大切さを痛感し、継続されている〈歯科〉上顎の有害金属除去後、呼吸が深くなるのを感じられる。全ての冠、義歯の装着後、初対面の人に(きれいな)口元をよく見られるのが嬉しい!(この年齢になると総義歯になっている人が多いので…)〈全身〉IgA腎症発症後9ヶ月頃まで、血尿・タンパクの改善は観られなかったが、10ヶ月目のの検査で改善傾向が観られ(ホロン治療教育開始9ヶ月)、検査の間隔を開けることになる。その時に主治医から、同時期にIgA腎症を発症した他の患者さんは更にネフローゼ症候群が進行しているのに、どうしてKさんは改善していくのだろう?と、不思議がられた。現在も定期的に検査を受けてはいる。多忙が続くと数値は悪化するが、自分の体の使い方(口呼吸、冷たい物、睡眠不足など)を意識すると、改善されるので、主治医からも安定してきたと言われている。他の顔、首回りの症状も同じように連動するので、自分でコントロールできるようになった。〈精神と心情のバランス〉約30年間、中華料理店を営まれ、バブルの時代は超多忙だった。そのころからの体の使い方のツケが出現してきたのだろうと自覚されている。今は店じまいされ、好きな旅行やカラオケを楽しまれているが、つい無理し過ぎると数値に現れるので、バロメーターにされている。呼吸が深くなると、イライラや不安感が解消され、判断力が鋭くなられたとのことです。最後まで、ご覧頂きありがとうございます。この症例は、約10年前のものですが、残念ながら日本では、今もなおトータルでみる歯科治療を実践されているところは、非常に少ないのが現状です。ここでの記事が、皆さまのお役に立てれば幸いです。私の現在の勤務先は東大阪市のクリニックです。ここの院長である松谷英子歯科医師とこの治療を引き継ぐべく、日々、奮闘中です。ひらおかデンタルクリニック