水歩人 Minaho#0004 | 異文化交差点

異文化交差点

長年、数十カ国を遍歴した経験を生かして、日本人には日本語と英語、米人には英語を使って異文化研修を日本語と英語で提供しています。

英語コーチングのプロを紹介する『英語コーチングプロ』
https://english-coaching-navi.com/coach-pro/hino/

実を言うと、この自叙伝をほぼ書き終え、内容を見直そうとしていた時に、アマゾン・プライムビデオでこの映画を観て、この言葉に感動し、頂くことにした。そして、私自身をレイチェルと同じ、水歩人として自負したい欲求が内部に沸き起こったのだが、あまり恰好が良くない異端児としての水歩人の方が私には似合っていると思う。

 

私は、家族を不幸に追いやる人生を送ってきている。普通の人達は、快適な領域、これは英語でcomfort zoneと言う、の中に安住し続けたいが、水歩人は、健常者にとって都合の良い環境では、平均的な大多数の人達からの見る目や言動がきつく、息苦しさを感じて、好むと好まざるとに関わらず、深く考えずに、そこから、簡単に外に飛び出る。なぜかと言えば、大多数の人達のモノの感じ方、考え方が理解できず、しかも、彼らが醸成する常識も良く分からないからだ。彼らの快適な環境から外に出ることも自覚して行わない。

 

良し悪しの問題ではない、と思っている。言い換えると、大多数の一般人が身につけている常識というか社会通念が肌に合わないのだ。一歩間違うと犯罪者になる危険性もあるが、両親からのしごきのような躾けが身につき、幸いなことに、反社会的な行動はしてこなかった。

 

普通の良識に溢れた人達は、彼らが言うところのcomfort zoneから外に出ると危険が一杯であることが分かっている。だから無理はしない。小中高大とより良い教育を受けようとし、役所や一般企業に勤め、退職したら安定した年金生活が送れるし、それを目指して頑張る。

 

私にはそういった考えが微塵もなかったし、想像すらできず、一般人らが快適と感じる世界から飛び出て、なぜこんなにも苦労をするのか、と考えたが、全く分からない。

 

かくして、私はあちこちぶつかり、体中に生傷ができて、とにかくなんとかして生きてきている。私のような男はどん臭く、恰好の良くない、落ちこぼれの水歩人なのかもしれない。くどいようだが、これは私にだけ当てはまるような気がしないでもない。

 

あくまでも私の主観だが、水歩人の代表例を挙げると、西郷隆盛で、彼は、(かつ)て言った。「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。この仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」。彼が言った「人」は西郷隆盛自身であり、まさしく水歩人の典型なり。

 

私は、西郷隆盛よりも遥か下の下にいる異端者であり、常識に拘束されない自由分子でもある。そう思うと、少しだけ心地良いが、ずっと貧乏している状態で家族にも大変な思いをさせているのは、流石にやりきれない。この道しか歩むことができないからだ。今や、私の口癖になっているが、妻には、「ごめんね、俺が不甲斐ないばっかりに、あなたには大変な苦労をかけて」と折々に言っている。

 

私は、絶対に普通の人ではない、これは確かだ。少しだけ格好良い響きがする水歩人の呼称が欲しいだけでもある。読者諸賢は、そういう私の我儘(わがまま)を許して欲しい。

 

痛い経験をたくさんしてきているので、その記憶は脳に克明に刻まれて、消えることはない。それら全てを書くと、数千枚を超える原稿用紙が必要となるだろう。そうなれば、読者諸賢も読みたくなくなることは、常識の乏しい私にも分かる。だから、過去の象徴的な出来事を幾つか選び、それから誘発される心に浮かぶよしなしごとも含め、綴っていく・・・

 

英訳

 

Truthfully, I was almost finished reviewing my autobiography when I saw 'Nothing but the Truth' on Amazon Prime Video. The term 'water-walker' struck me deeply, and I knew it was the perfect title. It also sparked a desire within me to identify with that concept, albeit as a maverick rather than a figure like Rachel.

 

I've lived a life that, frankly, has caused my family hardship. While most people seek comfort and stability, 'water-walkers' feel constrained by conformity. We tend to instinctively step outside the 'comfort zone,' often without fully realizing it. This isn't about being good or bad; it's about a fundamental disconnect with conventional thinking.

 

Of course, this path carries risks. Without discipline, it can lead to anti-social behavior. Thankfully, my parents instilled a strong moral compass in me. Most people understand the dangers of straying from the norm, pursuing education and stable careers. I, however, never grasped that mindset. I couldn't comprehend why anyone would willingly confine themselves to a 'comfortable' life.

 

Consequently, I've stumbled through life, bearing the scars of my choices. I understand that I might be perceived as an unappealing outsider, a 'smelly, unattractive, outcast water-walker.' It's a harsh assessment, but it feels accurate.


In my subjective view, Saigo Takamori embodies the 'water-walker' ideal. He famously said, 'A person who does not need life, fame, position, or money is a person whom no one can control.' I believe he was describing himself.

 

I'm a far cry from Saigo Takamori, a free spirit adrift from societal norms. While it's somewhat comforting to see myself this way, the constant financial struggle is a burden on my family. I often apologize to my wife, acknowledging my shortcomings.

 

I know I'm not 'normal.' I simply find the term 'water-walker' more fitting, more evocative. I hope you, my readers, can understand my perspective.

 

My life is filled with indelible, often painful memories. Writing them all down would be an endless task. Therefore, I'll select key events, both the challenging and the cherished, to share with you