蹶起趣意書
(けっき しゅいしょ)
謹んで惟 (おもんばか) ると、
(よく考えてみると、思いを巡らすと、)
我が国が「神の国(神州)」たる
所以は、万世一系たる、
天皇陛下 御統帥のもとに、
挙国一体、生成化育 を遂げ、
(生まれ、成長し、変化し、育まれ、)
遂に、八紘一宇を全うする、
その国体の中にあります。
八紘一宇 … 小さな細胞が集まって身体が成るように、個が集まり、国家が形成され、広がりゆく様子。
それは、小宇宙であり、
生態系、地球🌏、太陽系、銀河🌌、宇宙🪐 へと
宇宙の理(ことわり)に連なる、
森羅万象が成すもの、成るもの、広がりゆく様。
小さな視点から大きな視点、
小宇宙から大宇宙へと視点、
視座を広げて見てみると見えてくる、
宇宙の在り様、理(ことわり)、
真理(しんり)、様子。
(今上天皇は126 代目。
どの天皇も父方をさかのぼると、
必ず第1代 神武天皇につながる。
神武天皇より、今上 陛下に至るまで、
126代の 間、皇位は一度の例外もなく、
継承されてきた。
このことを「万世 一系」いう。)
惟る(おもんみる) … よく考えてみる。
思いを巡らす。 「つらつら―に」
この国体の尊厳が秀絶であるのは、
天に御坐(おわしま)す
我らの祖である、天が国を興して、
天孫であられる、
神武天皇が建国をした、からです。
明治維新を経て、
ますます国家の体制を整えてきましたが、今、まさに、万国(世界🌏 )に向かって、開顕、進展を遂げてゆく、
危急存亡の秋 (とき)、
成果が試される、実りの 秋(とき🌾🍁🍎🍂)であります。
然るに、昨今、
不逞、凶悪の徒が群がり出て、
私心、我欲を恣(ほしいまま)にし、至尊絶対の尊厳(天皇陛下)を軽んじ見下し、尊大に振る舞い、
( = 僭上を働く。 …身分を越えて、
差し出たふるまいをすること。)
万民( 国民全体 )の 生成化育 を
阻碍(そがい)して、
塗炭の痛苦を呻吟せしめ、
(呻吟(しんぎん)…苦しみうめく)
随 (したが)って、(それにともなって)
外侮 (がいぶ) 外患は、
(外国勢力の侮り、侵略)
日を逐(お)って、激化しています。
所謂(いわゆる)、元老、重臣、軍閥、財閥、官僚、政党等は、
この国体破壊の元兇(げんきょう)であります。
ロンドン海軍軍縮条約、並びに、
真崎甚三郎 陸軍教育総監の更迭での統帥権干犯、
(天皇が陸海軍を支配する権限(=統帥権)の侵害)
至尊兵馬大権の僭窃(せんせつ)を図った 三月事件
(最高に尊い天皇が握る軍事権を盗み取ろうとした)
或いは、学匪(がくひ)、
(学匪(がくひ)…学問や知識を用い、民心を惑わし社会に悪影響をおよぼす学者・教育者や学生。
[補説]もとは中国で清末・中華民国政権のころ、革命思想に染まった学生を批判してこう呼んだ。)
共匪、
(共匪(きょうひ)…中華民国時代の中国において、中国共産党の指導のもとに反政府的に活動したゲリラ。匪賊のうち共産主義を掲げる集団)
大逆教団 (天皇に逆らう信仰宗教)、
などの、利害を相結んで、
陰謀に必ずや至っておること、などは、最も顕著な事例であり、
その滔天(とうてん)の罪悪は、
流血憤怒(ふんぬ)、真(まこと)に、
譬(たと)え難い所であります。
(滔天(とうてん)… 天まではびこること。 天までみなぎること。 また、たいへん勢いが盛んなこと。)
中岡艮一、左郷屋留雄、血盟団の諸氏が先駆けて身を捨てた出来事、
五・一五事件の盛り上がり、
(軍務局長を斬り殺した)相沢中佐、
それらの出来事、事件が、暗闇の中の火花✨ 煌めき✨ となったのは、
実に理由の無いことではありません。
閃発(せんはつ … 暗やみの中で花火のような光が飛ぶのを感じる現象 )
しかし、
幾度か頸血を注ぎ来たって、
今もなお、
少しも懺悔、反省がなく、
然も、依然として、私権、自慾に居座って、その場かぎりの安楽をむさぼることを良しとしております。
苟且(こうしょ かりそめ) … その場かぎりの間に合わせ、かりそめなこと。また、そのさま。
偸安(とうあん)
偸安 … 安楽をむさぼり、将来を考えないこと。
(ところがこんなに血を流してまで警告した者がいるのに、今になっても、やはり少しも悔い改めもせず、今まで通り私利私欲に走って、一時的な安心安全に浸っているのである。)
露、中、英、米、との間は、
一触即発であり、
祖宗 遺垂のこの神州を一度に全部、投げ打って、破滅へと堕とせしむことは、火を見るよりも明らかであります。
一擲(いってき) … 一度に全部なげうつこと。
(ソ連、中国、英、米との間はいつ戦争が始まってもおかしくなく、天皇家の開祖が有り難い教えを垂れて作ったこの国が、放り投げられて破滅するのは火を見るより明るくはっきりとしている。)
国外、国内、真に重大で、危急であります。今にして、国体破壊の不義不臣を誅戮し、
稜威(みいつ)を遮り、御維新を阻止し来れる奸族を除き去らなければ、
(我々は)国家の大計をすっかりと無くすことになってしまいそうです。
芟除(さんじょ) … 比喩的に、悪人、悪弊などを除き去ること、また、鎮圧すること。 芟鋤。
宏謨(こうぼ)… 広大な治世の計画。 国家の大計。宏図。
一空 (いっくう ) 「一」はすべての意
1 そら全体。一天。〔范仲淹‐岳陽楼記〕
2 すっかりなくなること。また、すっかりなくすこと。
3 仏語。万物はすべて空(くう)であり、空もまた空であること。
(国内外の事態は本当に重大で危ないから、
今すぐに国体を破壊する悪の謀反人を
殺し尽くし、天皇のご威光を覆い隠し、天皇が自分で政治を取るのを妨害してきた悪党を取り除かなければ、この国の大きな計画 は、空しく終わってしまうだろう。)
折しも、
第一師団出動の大命煥発せられ、
年来、御維新の翼賛を誓い、
殉死、捨身の奉公を覚悟して来ましたが、帝都衛戍の我ら同志は、
将に万里征途に登らんとして、
満州の任地に赴こうにも、
我が心の内を省みれば、
日本 国内、至るところで、滅亡に瀕しているその様子を見るにつけ、
憂国の念がどうにも頭をもたげて来て、憂いの心を禁じざるを得ません。
(丁度いいことに第一師団(の満洲への)出動を天皇がお命じになり、それ以来今年は天皇が自分で政治を取ることをお助けしようと誓い、そのためなら身を捨てて死んでもかまわなほどのご奉公を決意してきたから、帝都を防衛する我等同志は、今すぐに万里の遠い場所への進軍を始めようとしているが、心の中を覗けば、滅びかかった国内の有様に憂鬱で仕方がない。)
満州の地に赴き、
存分に任務を遂行するためにも、
君側の奸臣、軍賊を斬り、取り除いて、その中枢を粉砕するのは、われらの責任として、やらなくてはならないことでございます。
(だから天皇のおそばにいる悪い大臣や軍の上層部にはびこる悪党を斬り殺して取り除き、悪党の総本部を粉々にする仕事は、我々の任務として必ずやって出来る。)
天皇の臣子であり、手足である者が従うべき絶対の原則を、今ことごとく行わないと、
破滅沈淪(ちんりん)を飜(ひるがえ)したくても、その方法がありません。
(この国の破滅と成り下がりは止めようが無い。)
ここに、同憂同志、
機を一にして蹶起し、
奸賊を誅滅(ちゅうめつ)して、
大義を正し、
国体の擁護開顕に肝脳を尽くし、
これを以って、
神洲赤子の微衷を献じようと存じます。
(だから今、心配事を共有し、同志は行動指針を統一して、跳ね上がるように立ち上がり、悪党を懲らしめ滅ぼして大いなる正義を確立し、国体を守りさらに発展させるために、心と知恵を尽くして、それでこの神の国に住まう天皇の赤ん坊である国民に、我々の真心を差し上げようとしている。)
微衷(びちゅう) … 自分の本心。微意。
「―をご推察ください」
皇神皇宗の神霊、冀(こいねがわ)くば、
照覧冥助(めいじょ)を垂れ給はんことを❗️
( 天皇の祖先である神様と引き継いだ先祖の、神であるたましいよ、どうかお願いするから我々を明るく照らしてご覧になり、不思議な力の助けを下さいますように!)
昭和拾壱年弐月弐拾六日
陸軍歩兵大尉 野中四郎
外同志一同
※ 外侮 外患 (外国勢力の侮り、侵略)
※ 所謂(いわゆる)、元老、重臣、軍閥、財閥、官僚、政党等は、この国体破壊の元兇(げんきょう)
※ 学匪(がくひ)
学問、知識を歪め、害悪な教えを広める者。
※ 共匪(きょうひ) 共産主義
※ 大逆教団 (天皇に逆らう信仰宗教)
上記の言葉、などは、
新自由主義、グローバリズム、
グローバル全体主義、
ディープ・ステイト(DS)など、
今の国内政治、国際政治、
戦争、社会情勢を鑑みた時、
まさに、
時代の、焼き直しを感じます。
もう、先の大戦のような、
時代の焼き直しは、たくさん、です。
私たちは、もう、
しっかりと学びました。
素晴らしき、私たちのご先祖様や、
素晴らしき、私たちの大先輩、
先人たちが、今、しっかりと、
伝えてくれています。
私たちは、もう、
同じ経験を繰り返さないだけ、
十二分に、賢い、です。
素晴らしき、私たちのご先祖様、
素晴らしき、私たちの大先輩、
先人たち、
私たちに、知らせてくれて、
聴かせてくれて、伝えてくれて、
守ってくださって、
導いてくださって、
本当に、本当に、
ありがとう御座います。
私たちは、
しっかりと受け継ぎます。
そして、もう一段、
上のレベル、上の次元へと、
軽やかに、軽やかに、
上昇 ⤴️ します。
上昇 ⤴️ 気流 に乗る、ことを、
チャンスを逃さず、
上昇 ⤴️ 気流 に乗りきる、って、
いうことを、
かたく誓います。
お約束をします。
いつもいつも、
守ってくださって、導いてくださって、
誠に、ありがとう御座います。
【参考】 原文
蹶起趣意書 (けっき しゅいしょ)
謹ンデ惟(おもんみ)ルニ
我ガ神洲タル所以(ゆえん)ハ
万世一系タル
天皇陛下御統帥(とうすい)ノ下ニ
挙国一体生成化育ヲ遂ゲ
遂ニ八紘一宇(はっこういちう)ヲ
完(まっと)ウスルノ国体ニ存ス。
此(こ)ノ国体ノ尊厳秀絶ハ
天祖肇国(ちょうこく)神武建国ヨリ
明治維新ヲ経テ
益々体制ヲ整ヘ今ヤ方(まさ)ニ
万邦ニ向ツテ
開顕進展ヲ遂グベキノ秋(とき)ナリ。
然(しか)ルニ頃来(けいらい)
遂ニ不逞凶悪ノ徒簇出(そうしゅつ) シテ
私心我慾(がよく)ヲ恣(ほしいまま)ニシ
至尊絶対ノ尊厳ヲ藐視(びょうし)シ
僭上(せんじょう)之(こ)レ働キ
万民ノ生成化育ヲ阻碍(そがい)シテ
塗炭ノ痛苦ヲ呻吟セシメ
随ツテ外侮(がいぶ)外患日ヲ逐(お)ウテ激化ス、所謂(いわゆる)元老、重臣、軍閥、財閥、官僚、政党等ハコノ国体破壊ノ元兇(げんきょう)ナリ。
倫敦(ロンドン)〔海軍〕軍縮条約、並(ならび)ニ
教育総監更迭ニ於ケル統帥権干犯
至尊兵馬大権ノ僭窃(せんせつ)ヲ図リタル三月事件
或(あるい)ハ学匪(がくひ)共匪 大逆教団等ノ
利害相結ンデ陰謀至ラザルナキ等ハ
最モ著シキ事例ニシテ
ソノ滔天(とうてん)ノ罪悪ハ
流血憤怒(ふんぬ)真(まこと)ニ
譬(たと)ヘ難キ所ナリ。
中岡、佐郷屋(さごや)、
血盟団ノ先駆捨身(しゃしん)、
五・一五事件ノ憤騰(ふんとう)、
相沢中佐ノ閃発(せんはつ)トナル
寔(まこと)ニ故ナキニ非ズ、
而(しか)モ
幾度カ頸血(けいけつ)ヲ濺(そそ)ギ来(きた)ツテ
今尚(いまなお)些(いささ)カモ懺悔(ざんげ)反省ナク
然(しか)モ依然トシテ私権自慾ニ居(お)ツテ
苟且(かりそめ)偸安(とうあん)ヲ事トセリ。
露、支、英、米トノ間一触即発シテ
祖宗遺垂ノ此ノ神洲ヲ一擲(いってき)
破滅ニ堕(おと)セシムハ火ヲ賭(み)ルヨリ明カナリ。
内外真ニ重大危急
今ニシテ国体破壊ノ不義不臣ヲ誅戮(ちゅうりく)シ
稜威(みいつ)ヲ遮リ 御維新ヲ阻止シ来レル奸賊(かんぞく)ヲ芟除(さんじょ)スルニ非ズシテ宏謨(こうぼ)ヲ一空セン。
恰(あたか)モ
第一師団出動ノ大命渙発セラレ
年来御維新翼賛ヲ誓ヒ
殉死捨身ノ奉公ヲ期(き)シ来(きた)リシ
帝都衛戍(えいじゅ)ノ我等同志ハ、
将(まさ)ニ万里征途ニ登ラントシテ
而モ省ミテ内ノ亡状ニ憂心転々禁ズル能ハズ。
君側ノ奸臣軍賊ヲ斬除シテ彼(か)ノ中枢ヲ粉砕スルハ
我等ノ任トシテ能クナスベシ。
臣子タリ股肱(ここう)タルノ絶対道ヲ
今ニシテ尽サズンバ
破滅沈淪(ちんりん)ヲ飜(ひるがえ)スニ
由(よし)ナシ、
茲(ここ)ニ同憂同志機ヲ一(いつ)ニシテ蹶起(けっき)シ
奸賊ヲ誅滅(ちゅうめつ)シテ大義ヲ正シ
国体ノ擁護開顕ニ肝脳ヲ竭(つく)シ
以ツテ神洲赤子ノ微衷(びちゅう)ヲ献ゼントス。
皇神皇宗ノ神霊冀(こいねがわ)クバ
照覧冥助(めいじょ)ヲ垂レ給ハンコトヲ!
昭和拾壱年弐月弐拾六日
陸軍歩兵大尉 野中四郎
外同志一同
🟡二・二六事件叛乱軍蹶起趣意書:現代語訳
⬆️ 上記を参照の上、
自分なりに、解釈を進めてみました。
今の時代を、歴史に照らし合わせて、
さらに深く、理解、考察が出来た気がします。
こうした考察、智慧、知識を、
是非、生かして、生きたい❗️です。