夏目漱石前期3部作
第2作目!
「それから」

前作「三四郎」からの世界観を踏襲した作品気づき
略・奪・婚として有名な本作ですが!
はたして、内容は!?

前作の主人公以上に、今回は主人公のライフスタイルや思想に密着!

本作に登場するキャラの細かい部分にまで目を向けると当時の世界にどっぷりと浸かれるエンタメとしても楽しめる作品です♪

舞台は1909年!!
===(っ≧ω≦)っᎶᎾ!ᎶᎾ!



・主人公
長井代助(30歳)→代さん
月に一度実家にお小遣いを貰いに行って生活しています。
→花を愛でたり、昼寝をしたり、読書をしたりして一日を過ごしています気づき
ちなみに本作では高等遊民と呼ばれています。
牛込の一軒家で書生の門野くんと婆やと生活!



 本作の特徴

主人公代さんの生活習慣こだわりのある思想が細かく描写されているのが特徴的な作品!!


様々なシチュエーションや会話、出来事が主人公代さんを通して展開されていきます!!


・書生の門野くん

・親友平岡くんと三千代さん夫妻

・代さんの実兄誠吾さんと嫂の梅子さん

・実業家の父親、得さん

・友人で駆け出しのライターである寺尾くん

・但馬にいる友人との手紙のやり取り


人々と代さんのやり取りから、自ずと「長井代助」という人物像が読者に浮き彫りになり、気がつくとふと代さんが身近にいる人物のように存在感が増してきますうずまき





主な出来事

クローバー長井代助と親友平岡くん
銀行員になり、関西方面の支店勤務となった平岡くん。
金銭トラブルに巻き込まれ、多額の借金を負うことになり、諸事情から辞職を余儀なくされ、奥様三千代さんと東京に戻ってきます。
本作「それから」はこの出来事を皮切りにスタートします。


クローバー長井代助と三千代さん
親友平岡くんと奥様三千代さんを結びつけてあげたのはなんと代さん!

その時に感動的な台詞も気づき
「僕はその時程朋友を有難いと思った事はない。嬉しくってその晩は少しも寝られなかった。月のある晩だったので、月の消えるまで起きていた」
と、平岡くんは親友代助くんの友情に感激します
(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷̥́ ⌑ ᵒ̴̶̷̣̥̀⸝⸝⸝)


三千代さんは代さんと平岡くん、2人の共通の友人である菅沼くんの妹さん。
(※作中では菅沼くんは故人。終盤の回想シーンに登場します!)
代さんと平岡くんは学生時代に(5年前)に三千代さんと出会っています。
当時三千代さんは代さんのことが好きでした…。
そして代さんも…。
なぜ三千代さんが平岡くんと結婚したのかも判明します。


クローバー長井代助と縁談話
代さんの兄誠吾さんは、父親と一緒に事業を展開しています。
次男である代さんの将来を心配するお父様は、縁談話を斡旋してきます。
が、俄然乗り気でない代さん。
そう!代さんの恋心は人妻である三千代さんに燃えていたのです炎

何シーンか出てくるこの実家での場面では、代さんと友達感覚で話せる嫂の梅子さんとのやり取りにも注目
梅子さんは親子の気まずくなった関係の橋渡しをしてくれる助っ人キャラキラキラ
であると同時に時々痛いところも突いてきます。
これもすべて愛情からピンクハート


そして実家ではこんな場面もうずまき
兄誠吾さんが弟の代さんに伝えます、父が怒っていると
「気をつけないといかんよ。少し低気圧が来ているから\(°Д° )/
言い回し面白くないですか 笑



 ハイライトシーンに向かって


ハイライトシーンに至るきっかけの出来事は序盤に訪れる⁉️

→恥を忍んで三千代さんが金銭の普請に訪れる


1週間以内の約束の借金があり、その分だけの金銭的援助をしてほしいとのこと。


金額を聞き、「なんだ、たったそれくらいの金額か」と心の中で思うものの、実際自分は一文もない💧

そこで代さんは自分がお金に不自由しないようでいて、実際大いに不自由している男だと気づきます💦


後に代さんは三千代さんに自分の不甲斐なさを正直に語っています。

自分はこういう呑気な身分の様に見えるけれども、何か必要があって、自分以外の事に、手を出そうとすると、まるで無能力になるんだから、そこは悪く思ってくれない様に。

(本文抜粋)





家庭内の事情の多くを語る事を好まない三千代さん。

平岡夫婦が東京へ帰った当初から夫婦の違和感に気づいていた代さんはそれとなく三千代さんから家庭内の経済事情を聞き出し、その他いくつかの点から夫婦間に亀裂が入りかけていると推察します。


・生まれた子供を亡くしていることに加えて、三千代さんが病身であること。

・勤めた銀行のトラブルにより夫が辞職を余儀なくされ、借金が嵩み精神的負担がかかっていたこと。

・東京に帰ってから夫に遊蕩癖がついてしまったこと。



さらに、北海道にいる三千代さんのお父様の暮らし向が芳しくない旨の手紙を代助は三千代さんから見せてもらい、その時眼の中に涙を溜めている彼女を代さんは確認しています。


そして、かつて平岡くんの依頼に応じて三千代さんを彼に周旋したことを後悔します。


と同時に、代助は今彼女が苦しんでいる経済事情だけでも解決してあげようと、平岡くんに話をつけようと立ち上がります!(ง°̀ロ°́)ง



平岡くんの新しく決まった勤務先である新聞社に突入した長井代助!


三千代さんを引き合いに出して自分の胸中を遠慮なく平岡くんに打ち明けることができたら話を有利に進めることが出来そうなのですが、失敗した場合、リーク元である三千代さんがより辛い立場になってしまうのでは?!と一歩踏み出せない代さん。

σ(・´-・`*)ウーン…



結局話の核心に触れることができず、帰宅した代さんはこのやり取りを何度も思い返して苦しみます。

そしてこの親友平岡くんとの対談を機に代助は悩み抜いた末、ある決断をします!!


親友との関係、親子との関係、三千代さんとの関係、自身との対峙等、全ての積算に向けて物語は駆け出して行きますダッシュダッシュ


そしてハイライトシーン!!

代さんは自宅に三千代さんを呼び、胸中を伝えます!

三千代さんの涙にとてもとても胸を締め付けられるシーンですが、ここから物語終結まで!打って変わってスリリングな展開に発展していきますびっくりマーク

ぜひぜひ結末をお確かめくださいませ

(σロ-ロ)✧キラーン




その他の楽しみ方

流れ星書生門野くんに癒される🌸

先生、先生、と代さんを慕う書生の門野くん♪

話がやや緊張味を帯びてきたなと思うところでひょこっと現れて読者を和ませてくれますうずまき


こんな場面もあります。

先生が留守なのを幸いと大きな声で琵琶歌を歌っています♪ (*˘ ᗜ ˘*)〜♪


先生の帰宅の足跡を聞くとぴたっとやめて、お出迎え、(((っ・ω・)っ


(`・ω・)ゞ「いや、御早うがしたな!」

と言って、玄関に飛び出してきます 笑



先生目線からも門野くんの描写があります。


散歩の出掛けに、門野の部屋を覗いたら又ひっくり返って、ぐうぐう寝ていた。

代助は門野の無邪気な鼻の穴を見て羨ましくなった。

作者漱石先生、わりと笑かしてきます!!




流れ星代さんの眠れない原因がひどい


代さんは一度気になることがあるとずっと気になる気にしいな性格らしいですうずまき


以前、普段眠る時、自分が如何にして夢に入るかという問題を解決しよう試みたことがあるそうで、いわゆる、眠りに入る瞬間を突き止めたいとのこと虫めがね


夜、蒲団に入り、うとうと仕掛けたところで、

ああ此処だ!こうして眠りに入るんだ!と思ってははっ!と目が冴える、また眠りかけると、そら!この瞬間だ!とまたまた目が冴えてしまう💦


これでは生涯寝られっこないと自身に辟易し、苦しむという状態が一年も続き、つくづく自分は愚物であると考えたそうです∑(๑º口º๑)!!


また、こんな場面もうずまき

花を愛でる情緒ある面も持ち合わせている代さんは、ふと部屋にある百合の花の傍まで行き、花弁に鼻が着くほど近づいて一心不乱に香りを嗅ぐ場面があります。

花から花へ夢中で香りを楽しむあまり、甘い香に咽せて失神して気絶しかけます💦

゚*〜( ꒪⌓꒪ )フッ


そのあと何事もなかったかのように、腕を組んで書斎と座敷の間を行ったり来たりするというわりとシュールな場面に思わず笑ってしまいます。



流れ星甥っ子誠太郎くんの叔父さんへの迷言

相撲を観に連れてってよおじさん(*´▽`*)ノ゙

しかも正面の特等席で!


おじさんである代さんのところに無邪気にやってきた甥っ子の誠太郎くん気づき

代さんは快く引き受けます

(。•̀ᴗ-)و ̑̑✧行こうze!


そして、代さんは誠太郎くんに突然言われます!


「叔父さんはのらくらしてるけれども実際偉いんですってね!」


何を今更( ̄▽ ̄;)


ちょっと呆れながらも

「そ、そんなこと知ってることじゃないかアハハ

と適当に散らす代助おじさん




さらにさらに、チョコレートを飲みたくないかいと代さんは誠太郎くんに尋ねます

(人・_・)♡ イカガデスカ


誠太郎くん「チョコレートなんぞ」

    代さん「飲まないかい??」

誠太郎くん「飲む事は飲むけれども


言い回し 


甥っ子さん、姪っ子さんにも優しい代助おじさんラブラブ

こんな可愛らしい場面もいくつか存在しますのでお楽しみに♪




流れ星代さんは

 執筆には懲りている?!

読書家である代さんは執筆に向いているのではないか?!

と、思ったのですが、以前そのような仕事をしたことがあり懲りているようです。


こんなエピソードうずまき


代さんの友人の一人である寺尾くんは駆け出しのライターさん。

自身の関係している雑誌に何でも良いから書いてくれと頼まれて、代さんは一度面白いものを書いて寄稿したことがあるそうです。


その結末の漱石先生の描写が秀逸 笑


それは1ヶ月の間雑誌屋の店頭に曝されたぎり、、それきり永久人間世界から何処かへ、運命の為めに持って行かれてしまった。

それぎり代助は筆を執る事を御免蒙った。》


一度懲りて御免蒙っているようです。

でも後に寺尾くんの急ぎの仕事である翻訳を手伝ってあげる代さん。

やっぱり優しい 笑



このように!

門野くんや寺尾くんのような底抜けに明るく、物語の緊張感を緩和してくれるお調子者キャラが登場してくるのも夏目漱石作品の特徴の一つ!

彼らのスピンオフ作品も読んでみたい気持ちになります(*´ー`*)





そしてさいごに、

個人的にまとめると

「それから」は、

代助が三千代を助け出す物語


代わって助ける

本作「それから」を読了後、時代背景や当時の恋愛事情、家族関係や親友関係、道徳感など様々な意見に分かれると思います。


本作が新聞掲載の連載作品ということもあり、「煤煙」という当時連載されていた他作家さんの作品や日糖事件などのリアルタイムな出来事も触れられていてよりリアリティを求める工夫がされています。


代さんだけでなく、他の登場人物の視点になって本作を考察してみるのも面白いかと思います!


わたし個人の本作のまとめは、代さんの名前である通り、三千さんをけるお話として受け止めていますハート



そして、本作「それから」の世界観を引き継いだ作品が三部作最終章「門」へと続きます。

※世界観を継承しているだけで、「それから」のキャラは出てきません。


ぜひ機会がありましたら御一読くださいませ♪






松田優作×夏目漱石

松田優作さんを長井代助に配した実写映画が存在します!


飄々としたキャラがめちゃめちゃハマっています気づき

機会がありましたらぜひブルー音符












ブログタイトル:globeアルバム「Relation」より

「Perfume of love」