代替医療家インタビュー1–①:中医師 張建偉先生(鶴薬局) | ~暮らしをステキに丁寧に~☆ホリスティックにHAPPY LIFE☆

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記念すべき第一回目は 
新宿にある漢方鶴薬局の張先生にお話を伺いました。
生薬と顆粒品の違いからセルフケアに役立つ漢方の診たてなど
幅広くお話しくださいました。



症状ではなく体全体の状態を
“証”としてとらえるのが漢方です。
そのため 心のケアを含めた治療をしています。



中医師 張 建偉 先生 

元中国黒竜江中医薬大学准教授、中国ハルビン出身。
1975年中国黒竜江中医学院(現黒竜江中医薬大学)卒業後、
数年の大学病院臨床医を経て、1983年同大学大学院卒業。
さらに北京中医研究院(現中国中医科学院)で研修後、
母校の黒竜江中医薬大学の准教授になる。
1993年来日、現在鶴薬局で漢方相談を担当。
また、横浜薬膳健康づくり研究会の講師。



 中医学の大学では 西洋も同じくらい勉強しました。
  それが今の私のベースになっています。


実は、私は、西洋医学の医師になりたかったのです。
昔の中国では、女の人が手に職を持つとしたら
医師が一番よかったですしね。

でも、私が学生の頃は、中国ではちょうど文化大革命(19661976年)が起こっており、自分の希望通り何かを選択できるという状況では、残念ながらありませんでした。

そのため、いろんな条件が重なり、1972年黒竜江中医学院
(今の黒竜江中医薬大学)に入学、中医学の道に進むことにしました。

ただ、西洋医学への興味は捨てきれず、大学では中医学と同じくらい
西洋医学も勉強しましたね。
西洋医学の学生には負けたくない!という気持ちもありました。

そのおかげで、今も、西洋と中医、両方の視点を持つことが
できているのでとてもよかったと思います。

 

日本に来日したのは1993年。
 その当時はまだまだ漢方は知られていませんでした。


主人が北里研究所で共同研究のため日本に滞在することとなり、
私も家族として来日しました。それが1993年です。

そして、私は北京中医薬大学の日本分校の講師として働いていました。その傍ら、授業後に漢方相談を行っていました。


印象的に覚えているのは、とある病院の内科医の先生のお嬢さんと
その奥さんを診たときです。
お嬢さんは、ひどい皮膚の乾燥に悩まれていました。
お母さんは当然ながらとても心配されており、
どのような治療をしたらよいのか、
根本的な解決方法を見いだせずにいました。

   

中医の目線でそのお嬢さんの症状を診ると、
それはとても簡単で典型的な症状でした。
何かというと、血流がよくない“お血”という
タイプ。

その証にあった漢方を処方したところ、症状は改善しました。

また、お母さんも更年期症状で悩まれていたんですね。
ご主人は内科医の先生でしたが、なかなか改善しない…。

更年期症状も漢方の立場で診察し、治療したらとてもよくなりました。

その母娘の治療は、中医学では普通の診療でしたが、
その当時、日本ではそれほど漢方が普及していなかったので、
改善度合いにとても驚かれたのを覚えています。

その後も、いろんな方を診ましたが、日本人には
漢方が合うように思います。
少量でもよく効く印象ですね。

 

鶴薬局は1995年から勤めています。
 皮膚科を中心に診るようになったのはそれからです。
 当時は、ひどい疾患を見て驚きました。


鶴薬局に勤め始めたのは
1995年からですが、
この薬局は、
1992年開業です。

開業されたのは、元北京中医院院長の秦漢琨先生でした。

196080年代の中国で一番有名な皮膚科医趙炳南氏の
お弟子さんとして働いていた経験もあり、とても優秀な先生でしたね。ただ、残念なことに1995年の11月に脳梗塞でなくなり、
そのあとを私が引き継いだというわけです。


私は、中国では最初、中医・西洋の融合した大学病院の内科医として
スタートしました。
来日してからは、必要に応じて、中医婦人科・小児科・薬膳などの
授業を担当していました。

鶴薬局へ勤めるようになってからは、
秦漢琨先生が免疫を研究していた皮膚科医だったこともあり、
皮膚疾患に悩まれている方の相談を多く受けるようになりました。
もちろん、皮膚科の基礎知識はありましたが、さらに猛勉強しました。

幸い、秦漢琨先生が残してくださったカルテがありましたので、
それを確認しながら相談していました。

当初は、中国でひどい皮膚炎を診たことがなかったので、
正直驚きました。

長年ステロイドを使っていて、皮膚がごわごわしてしまって
象皮のような状態の方とかね。
赤ちゃんでもひどい子がいました。

生活環境も悪くない、栄養的にも悪くない、
なぜこのような病気になってしまうのか、

本当に不思議でした。


でも今は、免疫の過剰状態と理解しています。

昔のように、貧しくて生活環境もあまりキレイではなかった時代には
見られなかった症状ですよね。
そういう時代には、感染症などの病気が多かった。

今は、環境は非常にきれいですが、
その分ばい菌に対して体が戦う機会が減っている
ということでもあります。

つまり、いままでの免疫機能の仕事があんまりない。

逆に、花粉やほこりに対して、
ばい菌として過剰に反応してしまっている。

その免疫システムバランスの乱れがアレルギーですね。

あとは、食生活の欧米化によって、
肉などの脂質や乳製品の摂取量が増えた。

アレルゲンとなりやすいタンパク質の摂取が増えたことも
原因と考えます。

東洋人はそもそも、欧米人に比べて肉類は食べてこなかった。

穀類がメインの食事を長年してきましたものね。


 

4月9日12時アップ予定!

1-②「漢方を利用する上での注意点と生薬」へつづく