プラヴィエクとそのほかの時代 オルガ・トカルチュク | HYGGE 創作活動·読書感想

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私たち、創作サークル Hygge(ヒュッゲ) は
関西を拠点として、小説を中心としたに同人活動を行っています。

このブログでは、メンバー4人の創作活動の源ともいえる
読書や日々の記録を残しています。
詳細はプロフィールページをご覧ください。

こんにちわ、木庭です。

 

関西は緊急事態宣言が解除されました。
とはいえ、それは何の解決でもありません。

科学者でも医療関係者でもない私が出来るのは

ただ、静観することだけ。

 

静観する、というのは自発的にする分には

次の行動への一選択ですが、

静観するしかない状況では、大変にじれったい。

 

私は生来、極度の引きこもり体質で、

以前だって必要があるときしか外出していませんでしたが、

その必要さえ、「本当に必要かどうか」という考えを

ワンクッション挟まないといけなくなった今日には

強いストレスを感じています。

 

行けない、と思うと、その場所がより恋しく思える。

この2か月、そのままならない思いは、私を海外文学へ向かわせました。

 

(松籟社様HPより画像お借りました。 画像クリックでHPに飛べます)

 

架空の村・プラヴィエクを舞台に、20世紀、激動の最中にあったポーランドを

取り巻く世情が、人々にどう影響し、どう影響しなかったのか、を描く群像劇。
プラヴィエクに生きた、ある一族の歴史の物語と言ってもいいかもしれません。

 

ポーランドのどこかにある架空の村・プラヴィエクが舞台になっていることで、

現実と仮想が入り混じり、マジックリアリズム小説のような雰囲気もあります。

 

書影に大きく書かれている通り、オルガ・トカルチュクは

2018年度のノーベル文学賞受賞者となっています。
(スッキリしない言い方ですが、Wikipediaにも簡単に記載がありますのでこのようにします)

 

この『プラヴィエクとそのほかの時代』は、トカルチュクのノーベル賞受賞を受けて

2019年に邦訳が出版されていますが、本国ポーランドでは1996年に出版されています。

23年越しの邦訳だったんですね。

 

今、私自身がフェミニズムに興味を抱いているので、

バイヤスがかかっていることは否めませんが、

出てくる女性たちの価値観の移り変わり方の描かれ方に共感し、

のめり込んでしまいました。

23年前の作品だということに、軽くショックを受けたくらいです。

 

今は引き続き、トカルチュクの『昼の家、夜の家』を読んでいます。

こちらは、本国1998年、邦訳2010年出版です。

 

国も時代も超えての旅を、もうしばらく楽しんできます。

 


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最後までお読みいただきありがとうございました。
 

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