紙の本が好きだけど、
電子媒体の作品とも上手くお付き合いしていきたい。
いらっしゃいませ、木庭です。
以前に感想文記事としてご紹介をした『永遠についての証明』の著者・岩井圭也さんが、「岩井圭吾」名義で小島信夫賞を受賞した未刊行著作『裂果』が岩井圭也さんの note で全文公開中 です。
3月下旬くらいまでの期間限定ということですが、太っ腹。
『永遠についての証明』ですっかりファンになってしまったのでガツガツと読ませていただきました。
和歌山でみかん農園を家業として営む30代男性の苦悩が本筋。
物事が思うように上手く進まない不安や恐れに共感せざるを得ません。
みんな自分勝手!と叫びたくなる気持ちが自分にも当てはまるところがあるように思えて、でも読者として客観的に見ているから身につまされるというか。。。
「永遠についての証明」の感想 でも文章表現の美しさが素晴らしい、と述べておりますが、『裂果』も同様でした。
とは言っても、全く同じように、というわけではなく、『永遠についての証明』は心象風景の描写の美しさが良かったのですが、『裂果』では食物の描写に目が留まります。生々しさも感じるその表現が持つ意味を推考しながら読むのがとても楽しかったです。
大事なことなのでもう一度言いますが
『裂果』の note での公開は3月下旬まで予定とのこと。
こういう形で未刊行の作品が読めるというのは、電子媒体の利点だなーと思います。
岩井圭也さんの次作刊行も待ちわびつつ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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