1999年3月大学4年生の頃の話です。
私達が宿泊していたCHIT CHATと言う安宿にはレストランが併設されていて、
そこは日本人旅行者をカモにしているオートリキシャワーラーたちのたまり場になっているようだった。
その中にサリムと言う髭面の男が居た。松崎しげるに似ている。
って当時言ってたけど、今松崎しげるの写真を見てみたらあんま似てないかも!要するに猿っぽくて濃いってことね!
その日は日本人が10人くらいそのレストランに集まっていて、みんなでワイワイ楽しくやってたんだけど、
そのうち一人の女の子とサリムが揉め始めて、一瞬かなりやばい空気になった。
ジャイプルに来た日から、サリムの悪い噂はちらほら聞いていて、
日本人を見かける度に「あの人は気を付けた方がいいよ」って注意してたんだけど、
ローシャンに
「サリムが日本人を騙していることは知ってるけど、彼のビジネスに口を出して邪魔をするのはよくないよ。
彼の悪口を日本人に言ったらダメ。」
って止められた。
サリムと揉めてた女の子は昨日もCHIT CHATにサリムと来てたから心配だったんだけど、
ローシャンがそう言うから黙ってた。
案の定その子は被害に遭っていて、言ってあげるべきだったと責任を感じた。
私達は日本人だから日本人を守りたいと思うのは当然なんだけど、
もしかしたらサリムを邪魔することで私たちがサリムに恨まれて嫌な目に遭ったり、
ローシャンにも迷惑が掛かったりするのかもしれない。
インド人は他人の悪事を知っていても干渉しないルールのようで、その後長期滞在したコルカタでも
「他人のビジネスに口を出さない方がいい。」って忠告されたことがある。
個人のインド人とのトラブルって、ぼられたりしてムカついてもどこか憎めない所があったりするし、
そこまで極悪人って感じの人は殆ど居ないんだけど、
サリムの場合は、本当に怖いの。
相手が反抗しようものなら、ものすごい怖い表情と大声で威嚇して相手に恐怖を与えて思い通りにする感じ。
私が居た時も、日本人の男の子が一眼レフをサリムに取られたと言っていたし、サリムに捕まったらおしまい。
サリムは家に日本人から奪ったカメラや物がいっぱいあると自慢のように言っていた。
先にローシャンと仲良くなっていた私達にはサリムの被害は及ばなかったし、
ビジネスが絡まなければサリムはめちゃくちゃ面白い奴で、彼と喋るのは楽しかった。
でも、一度サリムがうちらと一緒に出掛けたいって言ってたけど、嫌だったから逃げるように勝手にローシャンと出掛けたら、
帰って来た時怒っててあー、やっぱり怖い人なんだって思った。
数日後、また新しい日本人の女の子がサリムに連れられてCHIT CHATにやってきた。
名前はじゅんこさん。
まーどうしてこんな子が一人でインドに来ちゃったの?って言うような、見るからにか弱い女の子だった。
色が真っ白で細くておどおどした目をしていて、全く生気を感じられないようなボーーーーーーっとした子だった。
私たちとも喋ろうとしないし、内気過ぎるほど内気な大変な子だった。
何とか話を聞きだすと、
「今日要らないって言ったのにサリムに無理矢理服を買ってもらった・・・明日も約束してるけど行きたくない・・・・」
と言う。
ローシャン曰く、サリムはいつも先に安い物を買ってあげて、後から物や高額なお金を要求してくるそうだ。
じゅんこさんのようなか弱い女の子はサリムにとって最高のカモなんだろう。
私とジュンはじゅんこさんをサリムから守らないといけない!と、サリムに何やかんや言い訳して、
「じゅんこさんは明日はうちらと行動するから」って話に持って行くことが出来た。
じゅんこさんも同じ宿で、
「サリムが怖いから宿も変えたい・・・」
って言うのを
「うちらも居るから大丈夫!」
と説得して、夜はビールを持ってじゅんこさんの部屋に集まった。
何とかじゅんこさんの心を開こうと私達も頑張ったし、ローシャンも色んなアドバイスをしてくれてたけど、
じゅんこさんはやっぱり全く心を開こうとしなかったし、一度も笑顔を見せなかった。
ローシャンは後から
「ああいう種類の人間は嫌いだ。ああいう子は日本にずっと居ればいい。」
って言ってた。
せっかくインドに来てるのに、全然楽しんでなさそうで残念だな〜。仲良くなれるといいけど。
続く。
昨日書いたゲートルパレス、友達がコメントをくれて正体がわかりました
Royal Gaitor Tombsでした。
インド人はrをルって発音するから、ローシャンはゲートルって言ってたのね。
そしてpalaceではなくtombでした。ここはマハラジャたちのお墓なんだって。
何となくこんなところで写真を撮った覚えがある!!うん、多分ここだ。
あと、人力観覧車に興味を持ってくれた方が多かったみたいなので動画貼っときます。
こんなのだよー。
こわ~~~~~~~~!!!!