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北米都市で20年以上にわたって開催され、年間延べ5,000人が訪れるアイスランドの人気イベント「Taste of Iceland」が、5月30日、31日の2日間にわたり、東京・代官山 & 新宿にて開催されました。
「Taste of Iceland」は、アイスランドの音楽、食文化、文学、アート、デザインをはじめ、オーロラや2026年の皆既日食に関する特別講演など、さまざまな角度でアイスランドの魅力を堪能できるイベント。
アイスランドで女性二人目となるハトラ・トーマスドッティル大統領、アイスランドの音楽シーンを代表するアーティスト、Ásgeir(アウスゲイル)、注目のミュージシャン、JDFR(ジェイエフディーアール)など、他にも数々の賞で受賞歴のあるデザイナーや作家がイベントに参加しました。

オープニングセレモニー前から心地よい曲をセレクトしてくれたDJ Hermigervill(ヘルミゲルヴィッキ)
本イベントは、アイスランド政府観光局「Inspired by Iceland」をはじめ、アイスランド航空やレイキャビク市、フードブランドなどの連携のもと実現。世界各国が一堂に会する大阪・関西万博における「アイスランド・ナショナルデー」(5/29)の開催週とタイミングを重ねることで、外交的・経済的なつながり強化の一環としても位置づけられています。
そんな「Taste of Iceland」の日本初開催を記念し、5月27日(火)に開催されたオープニングセレモニーには、11人のゲストやアーティストが登場。
本日は、そのオープニングセレモニーの模様をお届けします。

アイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領は昨年8月に就任後、今回が日本初訪問。アジアへの訪問としても初。大阪・関西万博をはじめ、広島の平和記念公園も訪れました。
セレモニーでは、まず、ステファン・ホイクル・ヨハネソン駐日アイスランド大使が、「料理や音楽などを通じて、アイスランドの神髄を探求できる機会となるでしょう」と挨拶。
特別ゲストとして来日したハトラ・トーマスドッティル大統領は、アイスランドの魅力やイベントへの思いに加え、地理的には遠いながらも、自然への敬意や共生の大切さ、漁業や海との繋がり、温泉文化、平和への志など、両国の共通している点にも触れました。
Taste of Icelandを通じて、「日本とアイスランドの共通点を探求し、両国間の新たな対話や友情、そしてより深い繋がりを深められれば」と語りました。
アイスランドは、15年連続ジェンダーギャップ指数ナンバーワンをキープしており、男女格差が世界一ない国として知られています。
1975年10月24日の「女性の休日」が始まってから50年を迎える今年。ジェンダー平等に関する取り組みへの参加を呼びかけました。

JFDR
セレモニーでは、アイスランドの人気アーティスト、JFDRとアウスゲイルによるミニライブパフォーマンスが披露され、会場は一気にアイスランドへトリップしたかのよう。優しい音色に、美しい歌声。繊細で幻想的なパフォーマンスで魅了しました。
また、アイスランドの伝統食材を使用したメニューを一部試食することができました。
マスターシェフ、ハヴリジ・ハルドウルソン氏とキンプトン新宿東京のシェフ、穂積悠帆氏がコラボレーション。料理へのこだわりや注目ポイントを披露しました。
穂積シェフは、メニューの一つである「アイスランド産赤魚の松笠焼き わさびご飯、柚子ムース添え」は、日本のお茶漬けから着想を得たフュージョン料理だと明かしました。
こちらのアイスランド産の赤魚は歯ごたえが良く、アイスランドラムも美味でした!アイスランド産のラムはすでに日本でも知られていますが、アイスランド産のお魚はカラフトシシャモ以外にも、これからぞくぞくと増えてきそうな予感。イーセイ スキルを使用したデザートもコクがあって、キャラメル風味とぴったり。

(上段左)マスターシェフ、ハヴリジ・ハルドウルソン氏とキンプトン新宿東京シェフ、穂積悠帆氏
(上段右)アイスランド産ランプフィッシュ卵とマサゴのワッフル クレームフレッシュ&レッドオニオン添え
(中段左)アイスランド産カラスガレイの塩漬けと紅藻ピクルス(3種) チャイブマヨネーズ&ライ麦パンのクリスプ添え
(中段中)アイスランド産赤魚の松笠焼き わさびご飯 柚子ムース添え
(中段右)アイスランド産ラムの肩肉と椎茸のスープ
(下段左)アイスランド産ラムハツのグリル 山椒ソース クレソンピューレ、うるい添え
(下段中)アイスランド産ラムステーキ ジャガイモピューレ&ラム・ジュ
(下段右)イーセイ スキル ホワイトチョコレート レモンメレンゲ ホエイキャラメル ストロベリー添え
イーセイ スキルが日本で手に入るお店(日本ルナ公式Instagramより)
さらに、数々の賞を受賞するデザインユニット「フリエッタ&イールアリ」によるサステナブルなアートパフォーマンス「Pizza Time」も二人が実際に披露してくれました。

フリエッタ&イールアリによる「Pizza Time」
具材に見立てたカラフルな生地のトッピングで唯一無二のピザが完成!
これは、廃材ウールを活用し、本物に見立てたピザ生地やトッピングでピザを完成させるという、サステナブルでインタラクティブなプロジェクト。廃棄物に新しい価値を生んだこの「ピザづくり」のプロセスを通じて、創造性と繋がり、そして、消費と廃棄といった、遊び心と環境意識の融合を意識しているといいます。
二人のプロジェクトは、アイスランドで大きな反響があったそうで、多くの人の共感を得たことに驚きつつも、楽しくユーモアのある、記憶に残るものになったと手ごたえを感じていました。

ハトラ・トーマスドッティル大統領は夫妻で来日
ハトラ・トーマスドッティル大統領は、今回のイベントを通じて日本の人に感じてもらいたいことを問われると、「アイスランドの人々の驚くべき創造性を感じてもらえれば」と回答。
また、「ともに海を基盤に国を築き、美味しい食事が好きで、健康志向であること。音楽、ファッション、ライフスタイルなど、私たちには豊かな歴史があり、発展的で平和的なルーツがあります」と、両国に多くの共通点があることに触れました。
さらに、アイスランド文化を世界に広めるために、今後新しく挑戦したいことはあるかどうかという質問には、SNSの影響もあって、「若者のメンタルヘルスの悪化が気になっています」と大統領。「心の平穏がなければ、健全な社会も、健全な世界も、世界の平和も期待できません。暴力が増加している背景にも、この問題があると考えています」とのこと。
そんな中、トーマスドッティル大統領は、アイスランドで始まった「Knights of Love」という取り組みを支援しているそうです。
これは、“お互いの目を見て、抱きしめ合い、本当に大切なことと繋がることの大切さを思い出そう”というメッセージを広めようとしている、若者たちが立ち上げたムーブメントなのだそう。
トーマスドッティル大統領は、真に健やかな世界で生きるためにも、「アイスランドや北欧の国々が、このような“内なるウェルビーイング”を守る模範になることができれば」と話してくれました。

ⒸTaste of Iceland Tokyo
アイスランドでは、2026年8月に約600年ぶりの壮大な日食による神秘的なオーロラが見られると予測されています。また、昨年アイスランドのダイナミックな景観を巡る新たな火山ルート「ボルカニック・ウェイ」が完成。他にも、有名なブルーラグーンに次ぐ美しい自然に囲まれた地下熱水を利用する第二のスパリゾートとして、ケルトリンガルフョッキに「ハイランド・バス」が新しくオープンするなど、観光産業の発展にも力を入れています。
大統領もまた、「ぜひ実際にアイスランドにも足を運んでみてください」と呼びかけました。
セレモニー後、アイスランドから来日した関係者の方々と会話を交わしました。
日本に初めて来たというアイスランドの水産業の方が、「東京はとても大きな街だけど、自然が近くにあって、庭園がとても素晴らしかった」と話していました。なんと、「自分の家の庭に小さく日本庭園を作ってみたいなんて、今頭の中で考えている最中なの。本当に素敵だと思ったわ」と、とても気に行った様子でした。
また、別の方とは、大阪・関西万博の北欧パビリオンの話になりました。1階の展示のディレクションを担当したアイスランドのレムケ・マイヤーさんが、万博前に開催されたメディアデーで、直接メディアに解説してくれた話に。5/29のナショナルデーで現地へ行くのが「本当に楽しみ」と笑顔でした。(アイスランド・ナショナルデーもヴァーチャルで参加した筆者。入場者数も多く、大いに盛り上がっていましたよ!)
今回の「Taste of Iceland」日本初開催を機に、ぜひまた日本でアイスランドの魅力に触れる機会があるといいですね。


Taste of Iceland Tokyo ※イベントは終了
📅2025年5月30日(金)~31日(土)
📍東京・代官山 & 新宿
https://www.inspiredbyiceland.com/culture/taste-of-iceland-tokyo-2025
<イベント内容はこちら>
■アイスランドの伝統料理を堪能
📅2025年5月30日(金)~31日(土)
📍キンプトン新宿東京
アイスランド料理のメニューは、キンプトン新宿東京のシェフ、穂積裕帆氏と、アイスランド認定のマスターシェフであるハフリディ・ハルドルソン氏のコラボレーション。最高級のアイスランドの食材と豊かな風味を紹介。7品のコースのメニューは、アイスランド産のシーフードやラム、伝統的な乳製品イーセイ スキルなど、アイスランドの代表的な食材を取り上げ、アイスランドの真の味を提供。
1 アイスランド産ランプフィッシュ卵とマサゴのワッフル クレームフレッシュ&レッドオニオン添え
2 アイスランド産カラスガレイの塩漬けと紅藻ピクルス(3種) チャイブマヨネーズ&ライ麦パンのクリスプ添え
3 アイスランド産赤魚の松笠焼き わさびご飯 柚子ムース添え
4 アイスランド産ラムの肩肉と椎茸のスープ
5 アイスランド産ラムハツのグリル 山椒ソース クレソンピューレ、うるい添え
6 アイスランド産ラムステーキ ジャガイモピューレ&ラム・ジュ
7 イーセイ スキル ホワイトチョコレート レモンメレンゲ ホエイキャラメル ストロベリー添え
■Ásgeir(アウスゲイル)& JFDRによるライブコンサート
📅20205年5月30日(金)
📍SPACE ODD
■アイスランドのウール産業で出た廃材ウールでつくるオリジナルピザ
Pizza Time by Flétta(フリエッタ) & Ýrúrarí(イールアリ)
📅2025年5月31日(土)
📍代官山T-SITE
■7名の著名なアイスランド人アーティストによる現代アート展
「Outside Looking In, Inside Looking Out」
📅2025年5月31日(土)
📍代官山T-SITE
■アイスランド文学トークイベント「ヴィグディス – 世界初の女性大統領の物語」
📅2025年5月31日(土)
📍代官山T-SITE
■オーロラと2026年皆既日食 by サイヴァル・ブラーガソン
📅2025年5月31日(土)
📍代官山T-SITE



