こんにちはオカメインコ

本日は、1月26日(金)より公開される映画『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』をご紹介します。

こちらの映画は、北欧と直接関連があるわけではないのですが、北欧好きな北欧区の読者の皆さんはきっと気になる作品だと思いますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』は、「魔女の宅急便」で知られる児童文学作家、角野栄子さんの88歳の暮らしに密着したドキュメンタリー映画。語りは宮﨑あおい。音楽はロンドンを拠点に活躍する作曲家・藤倉大が担当しました。

代表作「魔女の宅急便」で角野さんは、野間児童文芸賞、小学館文学賞等受賞、さらに映画化、舞台化され、世界的ロングセラーに。2000年には紫綬褒章、2014年に旭日小綬章、2023年に紫式部文学賞を受章。2018年には、児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞・作家賞を日本人3人目として受賞している世界的な児童文学作家の一人です。

 

 

 


自分が楽しいと思うものを書く、好きなものを身に着ける。

現在も精力的に執筆に励み、ユーモアと豊かな想像力で260冊を超える作品を世に送り出している角野さん。近年は、魅力的な作品たちだけでなく、角野さんのおしゃれなライフスタイルや人生観にも注目が集まっており、映画の中で、美味しそうな「いちご色」に囲まれた鎌倉の愛らしい自宅を披露。

カラフルで個性的な眼鏡(これには理由が!)と着心地を追求したワンピースがチャームポイント。ご飯はシンプルでもしっかりいただき、良く笑う角野さんを4年間にわたり撮影。作品はどのようにして生まれるのか。創作活動の裏側も垣間見ることができる貴重なドキュメンタリーになっています。

1935年に東京・深川で生まれた角野さんは、5歳の時に母を亡くし、戦争を経験。戦後、新婚の夫とブラジルに渡りますが、当初は現地での暮らしに馴染めず、後悔の念に駆られたことも。そんな角野さんにポルトガル語を教えてくれたのが、近所に住むルイジンニョ少年でした。

このブラジル時代の恩人との交流を綴った「ルイジンニョ少年:ブラジルをたずねて」で、35歳の時に作家デビュー。62年ぶりに75歳になったルイジンニョさんと感動の再会を果たします。角野さんの作家デビューのきっかけとなり、角野さんの人生を大きく変えたルイジンニョさんとの奇跡的な再会シーンは大きな見どころの一つになっています。



失敗したら戻ったら良い。書き直すと違う発見に出合える。

1月16日、都内にて、完成披露試写会が開催され、舞台挨拶に角野栄子さんと本作を手掛けた宮川麻里奈監督が登壇しました。

映画を観た感想を問われると、「本当に皆さん頑張ってくださったなと思います。カメラマンには、あまりリアリズムにいかないようにとリクエストをしました」と角野さん。宮川監督に「あまり色々聞かないで」と伝えたそうですが、初めての経験だったので、「これは楽しんでやらなくちゃな」と思ったとのこと。

角野さんのブラジル時代の恩人、ルイジンニョさんについて監督は、ルイジンニョさんが、本当に直前まで来日できるか分からなかったようで、一度は諦めかけ、角野さんが自ら会いに行くことを相談してみたり、監督がカメラを担いでルイジンニョさんのメッセージを録りにブラジルに渡るしかないのかと思うことが何度もあったそうです。しかし、なんとか来日が叶い、奇跡の再会を果たすことができたのですが、「今思うと、角野さんの想いが通じた魔法だったのかもしれない」と感じたそうです。

角野さんも、「本当に奇跡。当時12歳の可愛い少年が、白いヒゲを生やして羽田の空港から現れたときは、あれっ!?と思っちゃいました」と、ルイジンニョさんとの再会シーンを振り返り、そのお茶目な発言で会場を笑顔に。

好きをずっと続ける秘訣については、「私は好きがずっと決まらなかった」と角野さん。何が好きなのかが見つからず、ブラジルから帰ってきた時、母校の大学の先生に、“本を書け”と言われても、初めは拒絶していたとか。

卒論しか書いたことがなく、初めて本を書くことになるのですが、何回も何回も書き直しているうちに段々と楽しく思えてきたのだそう。そこからコツコツと毎日書いて、一生書いていこうと決めたそうです。

「失敗したら戻ったら良いので、書き直すのは苦にならない。書き直すと違う発見があって、それに出合えることが嬉しい」

最後に、今後挑戦してみたいことを聞かれた角野さん。それはなんと、「来年90歳になった時に、すごいピュアなラブストーリーを書いてみたい」でした。今年1月1日に89歳を迎えた角野さんは、「まずは元気で歩ければ良いな。長く長く元気でいたい」と笑顔で現役続行を宣言しました。

大切なのは、「自分の好きなものが何かを分かっていて、自由な発想で、自分らしく生きていること。」



誰もが使える“人生を変える魔法”とは、“想像する力”。まずは自分の好きなものが何か分かる人間になること。それが、幸せに生きるための一つの手がかりになる。楽しいことも、退屈になるのも、自身の想像力次第。

 

自分に魔法をかけて、未来を切り開いてきた角野さんの軌跡を巡る『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』は、2024年1月26日(金)、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー。お見逃しなく!

【角野栄子プロフィール】
東京・深川生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て 24歳からブラジルに2年滞在。その体験をもとに描いた「ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて」で1970年に作家デビュー。代表作「魔女の宅急便」(福音館書店)はアニメ作品として映画化され、その後舞台化、実写映画化され、多数の受賞歴を誇る。2023年11月に、隈研吾設計による「魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)」 開館。自ら選んだ約1万冊の児童書で、子供たちが豊かな想像力をはぐくむことができる場を提供。主な作品に「アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけ」シリーズ、「リンゴちゃん」(ポプラ社)、「ズボン船長さんの話」(福音館書店)、「トンネルの森1945」、最新作に「イコ トラベリング 1948-」(KADOKAWA)など。https://kiki-jiji.com/



カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~
語り:宮﨑あおい 監督:宮川麻里奈 音楽:藤倉大
プロデューサー:山田駿平 宣伝プロデューサー:大﨑かれん
編集部協力:岡山智子 ラインプロデューサー:松本智恵 
撮影:髙野大樹 編集:荊尾明子
音響効果:河原久美子 監督補:岡澤千恵 
制作:NHKエンタープライズ
制作協力:角野栄子オフィス エネット 映像提供:NHK 
製作・配給:KADOKAWA

ⒸKADOKAWA

https://movies.kadokawa.co.jp/majo_kadono

2024年1月26日(金)角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー