活動弁士付き無声映画初体験!
ついについに、活弁士付き無声映画(サイレント映画)を、生で生で、鑑賞してまいりました!!
いやぁ~~面白かった。
無声映画(サイレント映画)を弁士付きで鑑賞すると、面白さは何倍にも膨れ上がること間違いなしです。
ただ作品と活動弁士の力量によりますが・・。
2月2日(日)横浜市保土ヶ谷区にある岩間市民センターにて初体験です。
ここの市民センターは定期的に、「サイレントシネマ&活弁ワールド」と称してだいぶ前からこの手の企画を上映していたようです。
まったく知らなかった><
事前に予約して、いざ岩間ホールへ!
会場はほとんどがシニア前後の方ばかり。
しかし、なかには若いお父さんお母さんに連れられた、小学校の低学年くらいの子供さんや、若い世代の方もちらほらおりました。
今作品、特にロイド作品は子供が観ても面白いですから、納得。
場内半分くらいの観客になるのかと思いきや、あれよあれよというまに、177席満席状態!!
びっくりしたなぁ~もぉ~!
↑本編とは全く関係ありませんw
こんなにサイレント映画(活動弁士付き)好きな方いたんだ。
確かに、私の隣後ろの席では友人同士できた年配の方々、徳川夢声がなんちゃらとか、この間はどこそこの劇場でなんちゃら作品を観たきたとか、おしゃべりしていました。
映画好きの方々が、大勢来場しているのでしょうね。
もしかしたら、アメブロで、映画ブログをアップしている方も数人はいたのかもしれませんw?
大きな声で、私が「ほくと~~!!です!!」
「ブロ友の方いませんか~~?!」と叫んでみても良かったかもww
さてさて、岩間ホールの話しが長くなり過ぎましたが・・。
当日は弁士
「坂本頼光」、
上映作品はハロルド・ロイド主演の
「ロイドの要心無用」、
片岡千恵蔵主演の
「一心太助」
の2本立てでございます。
写真お借りしました。
弁士の坂本さんは、あの映画「カツベン」で、主演の成田凌さんらに活動弁士の指導をしております。
映画が始まる前に映画の内容などちょこっと前説するのですが、ここでの語りがこれまたおもしろい!
一人漫才のような落語のような、前説からひきつけれくれますねぇ。
やっぱり活動弁士自体が日本独特の職業、それは落語や講談などの文化があったために、華開いたのでしょう。
だから弁士もそれらのティストを兼ね備えた同じ芸人さんなのでした。
って他の弁士の前説は知りませんがw
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映画「一心太助」
1930年(昭和5年)千恵プロ 40分
<監督>
稲垣浩
<キャスト>
魚や太助:片岡千恵蔵、
女房おきん:衣笠淳子、
大久保彦左衛門:山本嘉一
<内容>
義理人情に厚く、江戸っ子気質の魚屋の一心太助。
幼馴染の伴次が自分の祝言の席で浮かない顔をしていた。気になって問いただすと、どうも女房に逃げられてしまったよう。理由は積もり積もった借金。喧嘩もするが、やはり友達。
伴次のためにまたその子供のためにと、一肌脱ぐ。
借金取りへの返済のために、伴次には内緒で資金繰り。なんと家財道具や、結婚したばかりの嫁さんの嫁入り道具なども売りさばく始末。返済金額が調達できて、高利貸しに叩き付けてやる。伴次も、恐縮。
ラストシーン。
なかなか良しの会話でした。
外はシンシンと雪が積もる。
太助の家の中には、火鉢ひとつその他はほとんど何もなし。
火鉢をかこんで、太助とおきん。
しかし女房おきんは暗い表情も見せない。
そして太助に
「伴次さんばかりかまっていないで、たまには私をかまっておくれよ」
と伝える。
太助は
「何言ってやがるんで・・・」
すこし間をおいて、おきんが話す。
「ヤヤコができたんだよ。あんたおとっさんになるんだよ!」
太助は満面の笑顔で
「俺がおとっさんに・・・・」
目出度しめでたしの物語でした。
片岡千恵蔵さん、20代のころの作品めったにお目にかかれません。
貴重ですwというより、ある程度年齢がを取った片岡さんしかあまり知らなかったので・・w
ストーリーはいたってシンプルで、昔風のホームドラマ的な物語でしたね。
弁士の方のお話では、片岡千恵蔵さんは時代劇スターではありますが、実のところどちらかというとチャンバラは苦手なほうだったらしいです。
ですから今作品のような、チャンバラのないような設定の映画をできるだけ取るようにしたとか。
一心太助はホームドラマですね。
5点満点中3.0
映画「ロイドの要心無用」
1923年 アメリカ 67分
<監督>
フレッド・C・ニューメイヤー
<キャスト>
ハロルド・ロイド(カンカン帽にセルロイドの丸ぶちメガネが彼のトレードマーク)
ミルドレッド・ディヴィス(この作品出演後、ロイドの奥様になるのです!)
<内容>
ロイドは某デパートメイト・ストアの店員であった。
彼には故郷に残したミルドレッドという良家の令嬢なる恋人があり、結婚をしたいのは山々であったが給料は少し困窮していた。
しかし表面は高級店員の様に装い、恋人に無理をしてでも贈り物などをして機嫌をとっていた。ところがその恋人が急に故郷から出てきたために大金が必要の身となる。
ちょうどそのころデパートから大勢の集客をした者に1千万ドルの懸賞金が出ることを知ったロイドは、結婚費用調達の好機として、デパートビルの屋上まで壁登りの離れ業を演じようと企む。
実のところロイドは壁登りが得意な友人にやらせて一儲けする筈であったが、余儀ない事情で彼自らやらねばならぬ羽目となった。
おっかなびっくり一階一階と登る間にも様々な困難や危険が待ち受けており、終いには時計台の針に宙づりとなってしまう。
しかし九死に一生を得たロイドは遂に首尾よく成功し、金1千ドル及び恋人を手中に収めたのである。
(MovieWalker)
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あの伝説の時計台の宙づりシーンなどで、場内
わぁ~あぶない!!
ひやぁ~!
きゃぁ~!
などあちらこちらから悲鳴に近い声が聞こえたかと思うと、違うシーンでは場内大爆笑の渦があったりと、いやぁ~~楽しかったですね。
トリックだとわかっていても、前に観たことがあったりで内容がわかっていても、力量ある弁士の語り、会場の雰囲気に誘われ、不覚にも大笑いしたりしてしまいました。
当時の映画館もこんな感じ、いやもっと観客の喜怒哀楽が大きかったのだとも思います。
個人的にはウルウルは良くありますが、あまり大笑いはしないほうなのでwww
丸ぶちのメガネを通称「ロイドメガネ」というのは彼からきています。
セルロイドで作られているからという節もありますが・・。
サイレント時代のコメディ俳優であり大スターでした。
サイレント映画時代の3大喜劇俳優と言われているのが、
チャップリン、
キートン、
そしこのロイドです。
名優ですね。
1920年制作の『ロイドの化物退治』撮影中、小道具の爆発事故により右手の親指と人差し指を失くしてしまい、それ以降は義指着用となってしまいました。
今作品の見せ場である、有名なビルディング・アクションも、義指をつけての演技だったのですね。
スタントのほとんどはロイド自身で演じていたようです。
ちなみにジャッキーチェーンのプロジェクトAでの時計台から落下するシーンは、今作品のオマージュになっていますね。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でも時計台の針に捕まるシーンがでてくるようにこの時計の針にぶら下がるシーンは有名です。
5点満点中4.0(弁士付きで)
↓全編観ることができます。ただし弁士の語りはありません。
今回初めて体験しましたが、本当に面白かったし楽しめました。
坂本頼光さん、なかなかよかったですよ。
ただ、次回は活動弁士界の重鎮「澤登翠」さんの、活弁つき映画をぜひ生で観てみたいと思っております。