映画「カツベン」 | ほくとの気ままなブログ

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日本には真のサイレント映画はなかった。

なぜなら、活動弁士(カツベン)がいたから!!

 

映画「カツベン」

 

2019年 東映 126分

 

<監督>

周防正行

<主題歌>

奥田民生

<キャスト>

染谷俊太郎(成田凌)
子どもの頃に活動写真小屋で見た活動弁士に憧れ、“活弁”を目指す本作品のの主人公・染谷俊太郎。小さな町の映画館「靑木館」に流れつくものの、雑用ばかり任される。しかも映画館は人気が無く、しかも在籍している人々は曲者だらけ。

 

 

栗原梅子(黒島結菜)
俊太郎の初恋の女性。女優を目指して奮闘する物語のヒロイン。

 

山岡秋聲(永瀬正敏)

映画館「青木館」に所属する活動弁士。一時は一世風靡した俊太郎顎がれの活動弁士。今やただの、大酒飲みの酔っ払い活動弁士になっている。


茂木貴之(高良健吾)

スター気取りの活動弁士。


館主・靑木(竹中直人)

主人公の俊太郎(成田凌)が働く町の小さな映画館(青木館)館主。


靑木の妻(渡辺えり)

館主・青木の妻で気が強い。


タチバナ館の社長(小日向文)

靑木館のライバルでもある人気の映画館。靑木館より人材も引き抜く工作をする。

 

泥棒(音尾琢真)

大金を狙う泥棒。


刑事(竹野内豊)

ニセ活動弁士逮捕に執念を燃やす熱血刑事。活動写真が大好き。


二川文太郎(池松壮亮)

映画監督。日本映画の黎明期を支えた無声映画演出のパイオニア的存在。映画『雄呂血(おろち)』が代表作。


映写技師(成河)

靑木館の映写技師。職人気質。


梅子の母(酒井美紀)

梅子の母親。体を売って日銭を稼いでいる。


牧野省三(山本耕史)

日本映画の礎を築いた“日本映画の父”と呼ばれている。

 

森田甘路、徳井優、草刈民代、井上真央、シャーロット・ケイト・フォックス、

 

<内容>

100年前、まだ映画が「活動写真」という名で呼ばれ、声もなくモノクロだった時代、海外においてはオーケストラの演奏をバックに多彩な才能を発揮したチャーリー・チャップリンやバスター、キートンといった人気俳優が絶大なる人気を誇っていた。

そんな中で日本の活動写真といえば、楽士の奏でる音楽に合わせて、活動弁士(通称:活弁)と呼ばれる喋りの達人たちが配役のすべての声を担当し、その軽妙洒脱なお喋りは観客の心を鷲掴みにし、たちまち人気を博すことになった。

現在の声優に近い立場にあった活動弁士にはそれぞれにファンがついており、人気の活動弁士と契約することは正に映画館にとっては存在自体を問われるほどの重要課題でもあった。

 

この物語は活動弁士を目指す若き青年が小さな町の映画館に流れ着いたことから始まり、時に警察、時に再会した恋人:栗原梅子(黒島 結菜)をも巻き込んで繰り広げられるノンストップエンターテイメントである。

(ウィッキペディア)

 

偽の活動弁士として泥棒一味の片棒を担ぐ生活にウンザリしていた染谷俊太郎(成田凌)は一味から逃亡し、とある町の映画館にたどり着く。

そこで働くことになった染谷は、今度こそ本当の活動弁士になることができるとワクワクするが、そこは館主夫妻(竹中直人、渡辺えり)をはじめ、スターを気取る弁士の茂木貴之(高良健吾)や酒好き弁士の山岡秋聲(永瀬正敏)などくせ者ばかりだった。

 

(シネマトゥディ)

 

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日本独自の伝統芸「活動弁士」彼ら語り部たちへのオマージュ作品。

 

ちょっと楽しみにしていた、久しぶりの邦画作品。

たぶん周防監督のタッチで、面白おかしくドタバタ喜劇の映画だろうと思っておりましたが予想通りでした。

他の映画作品より、あまり人気ないのでしょうかね?

当日の映画館は、圧倒的に年配の方々ばかり。

若い世代には「カツベン」という言葉がぴんとこないのでしょうか?といっても、私も実際の活動弁士付き映画を生ではみたことはありませんがw。

 

 

現在公開中なので個人的な感想をさらっと書きたいと思います。

テンポよく話は進むし、面白おかしくベタなギャグシーン?も満載の楽しい映画でした。

 

活動写真を撮影しているシーンが出てくるのですが、俳優たちはセリフの代わりに、「いろはにほへとちりぬるをとか、とにかくクチパクしているんですね。

たぶん実際の現場ではサイレント映画ですから、そのように何か話している様子が撮れればよかったのでしょう。

一応セリフは話しているのかと思っておりましたから、びっくりでしたw

 

 

クセのある役者人がそろっておりますが、竹中直人さんが意外にもおとなしかった感じ。

もっと弾けた演技を観たかったかもです。

 

 

おきまりのドタバタで、ベタなギャグで会場から笑い声も。

観ている観客も、今のようなお行儀よく映画を観ているのと違った、古き時代の映画鑑賞の世界に自然と浸ることができます。

 

 

劇中の実際のモデルとしては、山岡秋聲(永瀬正敏)は、マルチタレントとしても活躍していた徳川夢声だと思われます。

東京武蔵野館(今も現存しています)で活躍していた、東京を代表する活動弁士。

映画の中の山岡秋聲同様、実際の徳川̥夢声もけっこうな酒飲みだったようですね。

 

日本映画の父と言われた牧野省を山本耕史。

また池松 壮亮が演じた二川文太郎も黎明期の映画の監督をしております。

そうそう、その彼の代表作品、日本無声映画史上最高傑作といわれる阪東妻三郎主演「雄呂血」を、弁士「澤登翠さん」の語り付きで鑑賞しております(後日記事アップ予定)

 

 

 

エンディングで流れる「カツベン節」を歌うのは奥田民生。

どこかでこの曲を聞いたことあると思う方は多いのではないでしょうか。

あの大正時代にエノケンの歌声で流行った「パイノパイノパイ:東京節」の歌詞を書き換えているのです。

 

 

 

この映画の見どころは、かつて日本映画においては「活動弁士」なる職業が映画に華を添えていた時代があったこと、そしてその弁士の技量によって映画の味が左右されるを知ることができます。

弁士の話し方ひとつで、観客は魅了される。

一流の弁士になると、今でいう人気声優のような存在でしょうか?

 

人気弁士にはファンが付いたそうですし、弁士の名前だけで劇場を満杯にできたとか。

そんな古き時代の様子を、この映画で知ることができるのではないでしょうか。

 

 

またこの映画の楽しみとしては、無声映画のシーンを忠実に再現している映像が映し出されます。

劇中のサイレント映画はすべて撮り下ろしで制作されているようです。

 

草刈民代、城田優、上白石萌音、シャーロット・ケイト・フォックスの4名の俳優が劇中に流れる映画

「金色夜叉」

「椿姫」

「南方のロマンス」

作品のどこかで登場していますので、ぜひ探してみてくださいね。

 

また監督のオリジナル作品

「後藤市之丞」

「火車お千」

も登場します。

そしてなお、「ノートルダムのせむし男」「十誡」「不如帰」など実在作品も登場しているのがうれしい限りです。

 

そしてそして、最後のエンドロールには、先ほども少し記述しましたが二川文太郎監督の「雄呂血」(1925年)の実際の映像が流れます。

 

 

色々なところで周防監督の無声映画に対するリスペクトを感じさせる作品に仕上げっています。

 

(おまけ)

この映画でも、キャラメル(大正キャラメル)が主人公とヒロインをつなぐアイテムになっていました。

たぶん森永ミルクキャラメル?ですよねw

映画「世界の片隅に」とか、けっこう昔の映画でキャラメルは必須いアイテムですね。

 

 

映画館で初めての体験!!

 

映画を観ているときにまれに、携帯電話のコール音がどこかの席から聞こえたり、スマホの灯りが漏れてしまうことを見たことはことはあるのですが、すごい方がおりました。

私の座った席の隣は空席、その横に見た目は70過ぎの年配の男性。スーツ姿に鞄をもち着席。

映画が始まって20分くらいたった時でしょうか、二つ折りの携帯電話が鳴りました。

すぐに止めるかと思いきや、なんとささやくような声で話し始めたのです。そして鞄から手帳を取り出しメモメモ

どひゃ~~~~^!!!!!

 

流石に仏のほくともw我慢できずに、外で話してくださいと退出を促しました。

すみません、すみませんと謝りながら、場外へ。

戻ってきて、流石に電源をオフにしているかと思いきや、またコールオン・・・・・・・。

凄い人がいたもんだぁ~~~♪

 

 

なかなか楽しい映画です。ぜひ劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

5点満点中3.7