映画
「インビクタス/負けざる者たち」
2009年 アメリカ 132分
<監督>
クリント・イーストウッド
<キャスト>
モーガン・フリーマン、
マット・ディモン、
<内容>
舞台は1994年の南アフリカ共和国。
ネルソン・マンデラは反体制活動家として27年もの間投獄されていたが、1990年に釈放されこの年に同国初の黒人大統領となった。
それまで政府の主要ポストを占めていた白人官僚たちは、マンデラが報復的な人事をするのではないかと恐れ、一部の者達はそれを見越して荷物をまとめ始めていた。それに対しマンデラは、初登庁の日に職員たちを集めて「辞めるのは自由だが、新しい南アフリカを作るために協力してほしい。あなたたちの協力が必要だ」と呼びかけた。
安堵した職員たちはマンデラのもとで働くこととなり、ボディガードチームも予想に反して黒人と白人の混成チームとなった。
一方、南アフリカ代表のラグビーチーム「スプリングボックス」は当時低迷期にあり、黒人選手もわずか1人という状況だった。
ラグビーはアパルトヘイトの象徴として、多数を占める黒人の国民のあいだでは非常に不人気なスポーツだった。
政府内では「スプリングボクス」のチーム名やユニフォームの変更を求める意見が多数を占めており、一時はその方向で決まりかけていた。しかしマンデラはこのチームが南アフリカの白人と黒人の和解と団結の象徴になると考え、チーム名とユニフォームの存続を求め周囲を説得し、一方でチームの主将フランソワ・ピナールを茶会に招いて言葉を交わし、励ました。
その後スプリングボクスのメンバーたちは、マンデラの意向で貧困地区の黒人の子どもたちにラグビーの指導に赴く。
当初それを不満に感じていたメンバー達も、一連の地道な活動により、国民のあいだでチームの人気が少しずつ高まり、自分たちの存在が国内のみならず世界的に注目されていることを知るに至った。
そしてスプリングボクスは、自国開催の1995年ラグビーワールドカップにおいて予想外の快進撃を見せ、ついに決勝進出を果たす。
今や新生南アフリカの象徴として見られるようになったスプリングボクスは、全南アフリカ国民が見守る中、強豪ニュージーランド代表オールブラックスとの決勝戦に臨む…。
(ウィッキペディより抜粋)
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今作品は初鑑賞。
何故観たかといいますと、ラグビーワールドカップの影響です。
といっても、もう去年のことでこの記事も昨年11月末ころに書いた記事です。ワールドカップ、だいぶ前のような感じがしますがまだ決勝から3か月たっていないんですよね^^;
ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)が、南アフリカ初の黒人大統領になり、いまだアパルトヘイトによって人種差別や経済格差のあるこの国をまとめるために、ラグビーチームの再建をキャプテンのピナール(マット・デイモン)と、一致団結して図っていく。
そしてその結果が1995年自国開催されたラグビー・ワールドカップへと向かっていく物語。
本作品の冒頭では、1990年当時、道路を挟んで片方の整備されたグラウンドで富裕層の白人たちがラグビーの練習している一方、もう片方の土のグランドでは貧困層の黒人たちが裸足でサッカーをしている。
両方のグランドには柵が設けており、互いに行き来できないようにしてあるという、アパルトヘイトの象徴であるシーンから始まっています。
その昔(私の子供の頃ですw)は、南アフリカと聞くとアパルトヘイトや金の埋蔵量や産出量が世界一くらいしか知識がありませんでした。
今は産出量は確か中国だったと思いますが・・。
とにかく教科書にも載っていたくらい、人種差別がひどかった国だったのです。
日本国民の間では、今回のラグビーワールドカップで南アフリカの知名度は、前回大会からさらに上がったことでしょう。
今作品は、南アフリカのチームがワールドカップ初優勝した時の試合をラストに、けっこう忠実に臨場感あふれた映像として見せてくれています。
そして黒人白人対立している内政を、そのラグビーをも使ってひとつにまとめ上げた、マンデラ大統領に焦点を当てています。
黒人に人権を与えそして、支配階級だった白人をも魅了するネルソン・マンデラ大統領。
俳優モーガン・フリーマンがいい演技していました。
それもそのはず、この映画の制作の話をマンデラ大統領に伝えたところ、自分の役にはモーガン・フリーマンの名前を挙げたようですから、なおさらです。
ただ今観ると映画全体としては、無難な仕上がりでしょうかw
欲を言えば、もう少し劇的な盛り上がりの演出や見せ方があっても良かったのではないかと思いました。
それはオールブラックスとの決勝戦、試合の結果がわかっているだけに、盛り上がりの演出は必要だったと思います。
それと迫力の点では、今回のワールドカップでの試合を観てしまっていますからねぇ。
南アフリカ代表やオールブラックス、イングランド、もちろん日本代表など一流どころの試合をフルにTV観戦できたこともあって、まだ熱が冷めないところで本物のすばらしい試合を映画と比較してしまうと、映画の試合シークエンスが少し物足りなかったのは仕方がないところでしょうか。
あまりラグビーの試合を観ていなければ、十分に映画の映像から迫力を感じられたとは思いますけれどね。
ただにわかフアンの私としてはルールが今回のワールドカップのおかげで少しだけ詳しくなったので、その点は映画を観てもプラスでしたw
驚いたシーンがひとつありました。
決勝戦(南アフリカ VS ニュージーランド)の試合前に、ジャンボジェット機が低空飛行でスタジアムめがけて飛んできます。
もしかしたら、テロではないかとスタジアム全体も緊迫します。
そしてスタジアムの最上段からわずか60mという超低空飛行。
スタジアムの上空を飛んだその飛行機の裏側には「GOOD LUCK BOKKE]と書かれていました。
意味は「スプリングボックス(南アフリカチームの愛称)に幸運を」です。粋な演出ですね。
これは映画での演出と思っていましたら、史実に基いていたエピソードだったのです。
実際の映像もユーチューブで観ましたがなかなかでしたよ。
すごい爆音にマンデラ大統領も飛び上がって驚いていたそうです。
そうそう、マット・ディモンはけっこう体作っていましたね。
流石プロです。
この映画を通じて、マンデラ大統領の生きざまの一片が垣間見られた点と、彼の人となりも少し感じられました。
意外と良い意味での策士だったのではと思った次第でした!
5点満点中3.5