台風19号の被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い、元の日常に戻ることを願っております。
東映が全国のよい子に贈る
忍術大活劇
映画「怪竜大決戦」
1966年 東映 85分
<監督>
山内鉄也
<キャスト>
自雷也(尾形雷丸):松方弘樹、
綱手:小川知子、
大蛇丸:大友柳太郎、
結城大乗:天津敏、
蟇道人:金子信雄
<内容:ネタバレ注意>
家老によって城主である父を殺された雷丸は、飛騨の蟇(ガマ)道人に助け出され、忍術を教わる。
しかし蟇(ガマ)道人もかつての弟子・大蛇丸によって殺されてしまう。大蛇丸は雷丸の父を殺した男でもあった。雷丸は二人の仇を討つため、自雷也と名を変えて旅に出る。(Allcinema ONLINE)
もう少し詳しく!!
家老結城大乗の謀によって殺された近江の城主、尾形左馬亮の若君雷丸(松方弘樹)は、飛騨の国に逃げた。
そこで雷丸は仙人、がま道人から忍術を仕込まれ青年になったが、がま道人は昔の悪弟子、大蛇丸(大友柳太郎)に殺害された。
その大蛇丸が父をも殺したことを知り、雷丸は自雷也と名乗り仇討ちのため近江に旅発った。
途中、幼い時に別れた父を探し近江に向う綱手(小川知子)という少女に出会った。少女綱手も、父を探して自雷也の後を追った。
大蛇丸から自雷也のことを聞いた結城大乗は、忍者を配し警戒網を張った。自雷也は百姓、善兵衛の娘お咲の婿に化け市中潜入に成功したが、大蛇丸は善兵衛を殺した上にお咲までさらって逃げた。一方綱手も一度は、大蛇丸の配下の忍者に襲われるが、やはり忍者の一人の百々兵衛に救われ、無事に近江に入った。
時あたかも、尾形家再興に現われた自雷也の噂でもちきりで、この混乱に乗じ大蛇丸は大乗を失脚させ、さらに自雷丸を倒し城主におさまろうという腹だった。
百々兵衛のおかげで自雷也に再会できた綱手も、その百々兵衛から大蛇丸こそ探していた父だと聞かされ、連れていかれた。綱手は父大蛇丸より自雷也毒殺を命じられた。綱手から薬を飲まされた自雷也は大蛇丸の思うツボ、昏々と眠り続けた。すでに自雷也が死んだものと早合点した大乗が、酒宴を催している只中に躍り出た自雷也は、一気に大乗を倒し、さらにその裏切りを怒った大蛇丸は百々兵衛を殺し、それから自雷也の“がまの妖術”と大蛇丸の“昇竜の術”の決戦となったが、この大格闘に城は破壊された。
自雷也があわや!と思われた時、綱手が蜘蛛婆からもらったかんざしを大蛇丸に投げつけると、大蜘蛛が現われ、すさまじい落雷とともに、すべての妖術が解け、自雷也は大蛇丸を一刀のもとに斬り倒してしまった。
無事仇討ちを果たした自雷也と綱手は大鷲に乗り、お咲姉弟と別れて元気に飛騨の国へと飛立った。(MovieWalker)
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この映画記憶の彼方にあった映画で、いつか観たいと思っていた作品。
東映が唯一特撮した怪獣映画!
ただし怪獣特撮だと思っていてはいけません、空想忍者映画なのです!
出演者は豪華で、いま観ると当たり前ですが若い。
当時の東映のニュースター松方弘樹が「がまの妖術をあやつる自雷也(ジライヤ)」に、東映看板スター大友柳太朗が「昇竜の術を操っての大蛇丸(オロチマル)に」扮しての役どころ。
そして小川知子がヒロイン網手役。
自分は歌手の頃の小川知子さんの印象が強いですが、役者の彼女も初々しくて可愛いですね。
怪獣映画といえば、東宝がゴジラやモスラ、大映がガメラ、松竹がギララ、日活がガッパなど怪獣ブームを思い出します。
東映もそのブームに便乗しようとしたのか、時代劇に活路を探っていたのかわかりませんが、特撮映画として制作されました。
でも一般的に、東映の怪獣は?で、思い出す怪獣映画なかなかでてこないですよね。
この作品に出てくる怪獣が、一応東映の代表ではないでしょうかね(最近では、ギャラスなどの怪獣作品があるようですが)。
今作品は、はるか遠い昔、子供の頃に観た記憶があって、大蟇(ガマ)と竜の対決が記憶の片隅に残っていました。
細かい部分はまったく記憶はなかったですが、とにかくいつかまた観たいと思っていた作品です。
その当時の東映作品らしく、基本は時代劇!
そして忍者にプラスして怪獣が現れるのです。
もちろん忍法なんちゃらもありますよ!
劇中で松方弘樹演じる自雷也が使う忍法ですが、今観ると思わず笑ってしまうほどなのです。
ただ当時の子供たちは、その場面に目が釘付けになっていたことでしょう!
そして友達同士の遊びの中で、夢中で真似ていたのでしょうね。
ちなみこんな感じでした。
敵方のブーメランのような武器で、松方弘樹が首を切られてしまいます。頭部と胴体に分かれるのですが、首が離れたところの丸太の上で「ははは・・・」と高笑い。
忍法鎌首斬り!!!!!
そして首のない胴体だけが動いて敵を倒します。
最後は首がフラフラと空中に浮いて、胴体にくっつきます。最初は前後逆でwww
もうひとつぶっ飛ぶシーンとして、仇の結城大乗が城内で宴を開いています。
そのステージには着物姿の踊り子さん、流れる曲はマンボのようなリズム!
時代劇なのにね~www
なんともリズミカルで良かったですよ!!
内容は、主君の仇討ちをはたさんとする、古典の「地雷也物語」がベースになっていて、
火をふく大ガマ、
水を放水する大竜、
毒を吐く大蜘蛛、
人食い大鷲などが登場します。
ですから怪獣映画としてみると、少し他社の怪獣とは異なりますが^^;
ちなみに今作品で使われた怪竜や大蜘蛛などは、その後東映のTVドラマ「仮面の忍者 赤影」に登場しているようです。
また、原典の「「地雷也物語」での網手は、蛞蝓(ナメクジ)に変身するらしいのですが、人気のあった小川知子が変身するのに、さすがにナメクジはまずいのではと言うことで、蜘蛛に変更されたようです。たいして変わらないと思うのですがww
当時のワイヤーアクション、合成技術、粉々にぶっ壊れるお城のミニチュア、期待通りのどこぞの少年少女合唱団が歌っているような主題歌、もう昭和のニオイプンプンする特撮映画。
そして勧善懲悪はっきりとした主人公と敵、時代劇としてそこそこの出来栄え。
子供も大人も楽しめる映画だったことでしょう。
突っ込みどころ満載また、今の子供たちに受け入れられるかはわかりませんがノスタルジックあふれる映画でした。
5点満点中3.3
↓この予告を観れば、すべてがわかります!!