今日は北欧ナイフ関係の記事。
知らなかった言葉を、コメントにて教えて頂いたので、それをネタにしてみようかなっと。
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その知らなかった言葉とは「モディファイドスカンジグラインド」。
直訳すれば、改良型スカンジグラインド、という感じでしょうか。
どんなもんじゃらほい、ということで、日本語で検索しても出てきません。
しょうがないので、modified scandi grindと英語で検索してみて納得。
そう、たとえば、TOPSのBOBみたいなそういう形状のスカンジグラインド(?)を指すようです。
一見すると、普通のスカンジグラインドのようですが実はさにあらず。
しっかりと小刃がついていて、フルスカンジのように研ごうとしてもベタッと砥石が当たらず、むしろホローグラインドみたいな感じなんだそうです(つまりベベルの削り始め、そして小刃のカーブ直前が少し張り出しているような感じ)。
話しをうんと単純にすれば、「ガッツリと小刃がついたスカンジグラインド的なナイフ」というのが、モディファイドスカンジグラインドということになりましょうか。
そもそも、こんなモディファイドスカンジグラインドなるものが言われるようになってきたのは、ひとへに、「フルスカンジだと刃保ちが悪い」ことが、世の中に浸透したからではないかと。
あとは、やはりフルスカンジのほうが研ぎやすいですからね……。
北欧のナイフは一般的に「スカンジグラインド」だって言われますけれども、大抵の場合は、みなさんお気づきの通り、糸刃が切ってあります。
それを指して、マイクロベベルとかセカンダリーベベルとか呼んでいるわけですが、これは「邪魔者」ではなく、刃先が弱くなりがちなフルスカンジに一定の強度を与えるためのものです。
これがあるのとないのとでは、雲泥の差。
柔らかいホームセンターで買ってきた角材ならいざしらず、実際に野外に落ちている木を削ってみれば、フルスカンジのナイフの多くは、すぐに切れなくなってしまいます。
切れなくなる……というか、刃が潰れたり、まくれたりする、ということですね……。
モディファイドスカンジは、糸刃というより、もっとガッツリと小刃がついたもの、という感じなんでしょうね。これもまた強度や、その結果としての使いやすさを追求したものと言えましょう。
ところで。
スカンジグラインドとか検索すると、「火薬と鋼」さんのこの記事が出てきます。
グラインドを分かりやすく図解してくれたものなんですが、これはちょいと誤解を与える可能性があります(もちろん、制作者は分かっていると思います)。
私も、上記拙著で同じように図解のために図を書いたから分かるのですが、結構綺麗に描くのって難しいんですよ。
スカンジや、コンベックスなんかは割とうまく書けたのですが、ホローグラインドが少し不格好になってしまいました。
っと、私の話はさておいて。
上記の「火薬と鋼」の図解なんですが、たとえば、ホローグラインド。
これだけ見ると、ホローグラインドというより「コンケーブ」に見えてしまうんです。
フラットグラインドは、「フルフラット」とか「スイスアーミーナイフがこれ」とか注釈がついていますが、要するに何が問題かっていうと、「小刃」の存在を意図的に無視してしまっているんですよね。
で、セイバーグラインドと呼ばれるグラインドを見てみてください。
「フラットグラインドと呼ばれることも多い」とあるわけなんですが、これが、まさに多くの人のイメージするスカンジグラインドなんですよね。
段々と話が分かりにくくなってきたので、一言でズバッというと、「モディファイドスカンジグラインドとは、フラットグラインドの一形態である(か、近縁のもの)」ということなんです。
スッキリしましたね。
アプローチの仕方は違うんでしょうけれども、結局同じような形態に落ち着いている所に、フラットグラインドの優秀さがうかがえます。
フルスカンジで全く問題ないナイフというのも確かにあります。
モーラナイフのコンパニオンHeavyDutyMGとか、私も大好きなストローメングナイフ(これは刃厚が包丁みたいに薄いけど、ベベル面が狭い為、フルスカンジで実用OK)などです。
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というわけで、久々に北欧ナイフネタでした。
多分、モディファイド~という言葉は知らなくても、うすうす「あっ、これ小刃をつけたらフラットグラインドじゃん」と思っていた人は多いと思います。
が、一応、取り上げてみました!!