産業労働常任委員会(楠梨恵子委員長・栄区)が開催されました。

 自民党産労部会からは、令和6年度生産性向上促進事業費補助金についてと、労働力不足について、その考え方を当局に質しました。

 ます晴太郎委員(茅ヶ崎市)より、「この補助金は当初予算で約40億円計上したにもかかわらず、約24億円しか使われていない。その原因を分析するとともに、予算を有効活用するためにも再募集するべき。」と指摘をし、当局からは再募集する方針との答弁を引き出しました。

 

(7月5日の神奈川新聞に産業労働常任委員会の記事が掲載されました)

 

 そこで、ます委員から「必要としている事業者に(補助金が)届くよう周知に務め、工夫をしながら取組を進めていく事を要望する。」要望しました。

 その後、補正予算案を全会一致で可決しました。

 

 

 自民党産労部会を代表し、ます晴太郎委員からは以下の意見を申し述べました。

 「はじめに、6月補正予算・物価高騰対策についてです。中小企業は県内企業の99%以上を占めており、エネルギー・原材料価格の高騰等、先が見通せない状況です。今後も、短期的な支援、中長期的な目線に立った支援を、他部局とも連携をしながら、施策として推進してください。引き続き、県内企業の現場の声をしっかり聞きながら、意見交換や要望に沿った、支援を必要としている事業者に届くよう、迅速・柔軟に対応するよう要望します。
 次に、6月補正予算、介護ロボット実用化促進事業費についてです。今回の6月補正予算で、国の交付金も活用しながら進めていくという事ですが、現場のニーズに即した介護ロボットの導入を着実に進めていくことで、人手不足の解消にもつながります。介護報酬の加算がされる為、事業者へ分かりやすい周知に務め、福祉部局とも連携をして進めていただくよう要望します。
 次に、「さがみロボット産業特区」の取組についてです。「さがみロボット産業特区」については6つの数値目標について達成できるよう取組を進めてください。特区内の市町との連携が重要であるため、中小企業のロボット産業への参入支援とロボットの社会実装に着実に取り組み、県内産業の一層の活性化につなげていただくことを要望します。
 次に、ベンチャー支援の取組についてです。ベンチャー支援の神奈川モデルは、約5年が経過している中、成果が表れてきている事については評価をします。県央地域、湘南地域、県西地域へさらに普及できるように努めてください。また、社会課題・行政課題を解決する提案を共有しながら、県経済の活性化に繋げていくよう、しっかりと取り組んでもらうことを要望します。
 次に、中小企業の融資制度についてです。制度融資は中小企業のセーフティネットであります。特に外部環境の影響を受けやすい小規模事業者や融資を必要としている事業者へ届くように金融支援をお願いします。「エコアセットかながわ」は、中小企業の脱炭素化を進める一助となるため、認知度を高めながら普及啓発に積極的に取組むよう要望します。
 次に、若年者、中高年齢者及び女性等の就業支援の取組及びビジネスケアラーについてです。人材確保が大きな課題となる中、若年者、中高年齢者及び女性等の就業支援の取組は重要です。ビジネスケアラーについては、実態に基づいた分析ができているのかが、非常に重要です。国での調査を注視するだけでなく、民間事業者への調査は勿論の事、県職員等への調査も必要と考えます。ビジネスケアラーの認知が高まりつつある中、積極的な取組を進めていただくよう要望します。
 次に、労働相談の取組についてです。労働者や使用者は、解雇や雇止め、職場の人間関係など、様々な労働問題に頭を悩ませていると考えます。労働相談の窓口を設置しているが、相談しやすいような工夫も必要です。見分けが難しいカスタマーハラスメントについては、国の動向を注視しながら県としても取組を進めていくよう要望します。
 次に、令和6年度小規模事業者デジタル化補助金についてです。小規模事業者は、事業によりデジタル化しづらい部分も多くありますが、業務を効率化する上で重要です。小規模事業者にとって、好評であるためニーズを聞き、求める声が多いのであれば拡充をする必要があると考えます。事業者の目線に沿った事業展開を要望します。
 次に、令和6年度生産性向上促進事業費補助金についてです。「生産性向上促進事業費補助金」は、収益を改善し生産性向上に取り組む中小企業にとって、効果も高い補助金だと考えます。予算額に到達しなかったため、再募集を行うとの事ですが、なぜ到達をしなかったのか分析を行い、必要としている事業者に届くよう周知に務め、工夫をしながら取組を進めていく事を要望します。

 

生産性向上促進事業費補助金の2次公募を開始します! - 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)

 



 最後に、労働力不足についてです。労働力不足は、本県のみならず全国的な問題です。少子高齢化の進行により、更なる労働力不足が予想され、県内経済や県民生活に大きな影響を与えます。
 働き方の多様性という事で片づけるのではなく、求職者にどの様なニーズがあるのか。それに応える企業へ、行政として何を後押しする事が出来るのか。
 脇局長からは「労働力不足の問題は、製造業や医療・福祉など、様々な産業分野であり、産業労働局だけではなく、関係部局共通の課題で、産業労働局としても、関係局における取組や各産業分野の課題等について把握しながら、県全体の取組をリードしていきます。」と力強いご答弁をいただきました。
 国や経済団体、企業等の声も聞き、連携等を図りながら時代に合った取組を関係部局と連携をして取組む事を要望します。
 また、産業労働局としても人員体制をしっかりと整えながら課題を把握、整理してください。
 将来を見据えた産業人材の育成も不可欠です。県の取組として産業技術短期大学校や総合職業技術校の魅力を高めていく事や、高校生を始めとする若年者がどの様な思いがあるのかを把握し、希望ある職種に就けるような取組を行ってください。
 本委員会で労働力不足について議論を行いましたが、継続して取り上げていきたいと思います。
 労働力不足解決に向けて、県庁一丸となって取組を行うことを要望します。
 以上、意見、要望を申し上げ、本委員会に付託された全ての議案について賛成し、討論を終わります。」