4 県政の諸課題について

(3) 5事業者の水道システム再構築の推進について

 

(藤代筆頭政調副会長)

 水道システムの再構築は、浄水場を統廃合し更新費用を削減するほか、管路ネットワークの整備による災害時のバックアップ機能の向上、河川の上流から取水して、高低差を利用することにより、電力使用量を削減して脱炭素化にもつながることから、実現していかなければならない。

 また、取水位置の変更により、少なからず河川の流れが変わることも考えられることから、今後、5事業者が連携して、関係者と調整を行ない、理解を得ていくことも大変重要である。

 水道事業者や水道利用者の目線に立てば、事業費を抑制して、よりメリットを引き出すことが重要であり、国の財政支援制度の創設について引き続き粘り強く要望していく必要がある。

 そこで、次のステージにおいて、企業庁としてこの取組にどのように臨もうと考えているか、見解を伺う。

 

(企業庁長)

 企業庁関係の御質問にお答えします。5事業者の水道システム再構築の推進についてお尋ねがありました。

 5事業者は、水需要の減少や施設の老朽化などに対応するため、浄水場を統廃合するとともに、より上流から効率的に取水を行う水道システム再構築の検討を進めてきました。

 今般、この取組を着実に推進するため、首長間で覚書を締結し、施設整備の工程や費用負担の考え方を整理した施設整備計画を策定しました。

 今後は、令和9年度の工事着手に向け、水利権に係る河川協議を進めるとともに、国に補助制度の創設等を強く働きかけていきます。

 河川協議にあたっては、この取組により相模川の一部区間で流量の減少が想定されることから、その変化や影響が見える化できるよう、水位や流量など必要な調査を行います。

その上で、河川環境への影響が極力抑えられる方策を庁内横断的に検討し、農業・漁業はじめ関係の皆様の理解を得ることで、水利権の確保に繋げていきます。

 また、この取組は、1千億円規模の事業費を要し、水道事業者の負担が大きいこと、国が進める水道広域化や脱炭素化などの施策にも合致することなどから、引き続き、補助制度の創設等を求め、国の理解も得て、全国水道事業者のモデルとなる水道システム再構築を実現してまいります。

 

(藤代筆頭政調副会長)

 相模川は、水道のみならず、農業や漁業にも利用されているため、他の河川利用者の理解を得ることが重要である。

 この取組は、本格的な協議の段階に入り、多方面にわたる調整が必要となることから、関係各局とも協力し、県庁一丸となって取組を進めるよう要望する。

 また、水道システム再構築は、大規模かつ長期にわたる施設整備を伴うものであり、多くの財源が必要となるため、水道事業経営の負担軽減に繋がる財政支援制度の創設を、国に対して、引き続き強く求めていくことを要望する。