4 県政の諸課題について

(2) カスタマーハラスメント対策について

 

(藤代筆頭政調副会長)

 近年、顧客や取引先からの暴力や悪質なクレーム等の著しい迷惑行為であるカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラが社会問題化している。

 本県でも人手不足が深刻化する中で、一人ひとりの労働者が安心して働くことのできる職場環境の整備は急務であり、しっかりとカスタマーハラスメントに向き合っていくべきと考える。

 そこで、労働者の働きやすい環境を損なうカスタマーハラスメントから労働者を守る対策を今後どのように行っていくのか、見解を伺う。

 

(黒岩祐治知事)

次に、カスタマーハラスメント対策についてです。

カスタマーハラスメント、いわゆるカスハラが社会問題化する中、カスハラから従業員を守るためには、事業者の皆様に具体的な対応策を知っていただくことが重要です。

そこで、県では、ホームページなどで国のカスハラ対策企業マニュアル等を周知するとともに、昨年12月には、企業の経営者や労務担当者向けに、カスハラを含めた各種ハラスメントの防止対策などをテーマとした講演会を実施しました。

今後は、こうした講演会等に加えて、労働環境の改善を図るために職員が中小企業を訪問する際、カスハラの現状についても確認し、対策等を周知していきます。

さらに、カスハラの被害を受けた方から労働相談があった際には、事業者に組織的な対応を求めるよう助言するなど、しっかりと対応していきます。

一方で、事業者だけでなく、消費者にもカスハラに対する理解を深めていただくことも大切であることから、消費生活相談においても、必要に応じて、助言していきます。

また、現在国ではカスハラ対策の法制化に向けた検討が進んでいることから、その動きを注視し、国と連携して取り組むことで、労働者が生き生きと働ける神奈川の実現を目指してまいります。

 

(藤代筆頭政調副会長)

 それでは、再質問をさせていただきます。カスタマーハラスメント対策についてです。労働者を守る対策という意味では、県職員向けの対策も必要であると考えております。 

 例えば、他の自治体では、カスハラの定義付けやカスハラ対応マニュアルの策定、電話対応に関しての通話録音機能の導入など、様々な取組が進んでいると承知をしておりますが、カスハラから職員を守るために、県では今後、どのような取組を行っていくのか、知事の見解を伺います。

 

(黒岩祐治知事)

 再質問にお答えいたします。県職員向けのカスハラ対策について、お尋ねがありました。県民対応における様々な場面で、職員が暴言を受けたり、長時間の電話応対を強いられるなど、カスハラに該当する行為があると承知しています。

継続的に質の高い県民サービスを行うためには、職員が安心して働ける職場環境が大切であることから、カスハラに対しては、組織として毅然とした対応を行っていく必要があります。

 そこで、まずは庁内におけるカスハラの実態調査を行うことにしました。この実態調査を踏まえ、他の自治体の事例も参考にしながら、職員をカスハラから守る対策をしっかりと検討していきます。

 

(要望)

次に、カスタマーハラスメント対策についてであります。カスタマーハラスメントによって、労働者が心身に不調をきたし、離職するといった問題が顕著化する中、現在、国でも骨太の方針にカスハラ対策を位置付けるほか、法改正の動きも出ていると承知をしております。県としても、こうした国の動きを注視し、労働者が働きがいを持ちながら働き続けることができるよう、しっかりと取組を進めていただくよう要望させていただきます。

また、県職員向けのカスハラ対策については、民間企業と異なり、住民に対する行政サービスの提供が義務付けられている自治体特有の難しさはあるかと思いますが、職員が安心して勤められる職場環境となるよう、ぜひとも、検討を進めていただくよう要望させていただきます。