4 県政の諸課題について

(1) 県庁職員の退職者増加に対する取組について

 

(藤代筆頭政調副会長)

 行政運営の持続可能性の観点から、採用・育成してきた職員の退職を防止し、必要な職員をしっかり確保していくことが大変重要である。

 そのためには、育児などを理由とした退職者を減らすため、ソフト・ハードの両面から、働き続けたいと思えるような職場環境の整備を進めていく必要がある。

 また、県からの退職者を減らすだけでなく、今後は、就職先として公務員を意識してこなかった方にも採用のターゲットを広げ、県庁に多様な人材を惹きつけるための工夫が必要である。

 そこで、人口減少社会にあっても、必要な行政サービスを継続して提供できる組織体制を維持するため、県職員の退職者増加に対し、積極的な取組が必要と考えるが、見解を伺う。

 

(黒岩祐治知事)

 県政の諸課題について何点かお尋ねがありました。

 まず、県庁職員の退職者増加に対する取組についてです。

 県では、これまでテレワークや時差出勤の推進など、働きやすい職場づくりを推進するとともに、60歳まで受験可能なキャリアフリー採用試験や技術職の経験者採用など、中途採用も積極的に行ってきました。

 しかし、退職者は増加傾向にある中、採用予定数を割込む職種もあり、これまで以上に離職防止や志願者増に向けた取組を進めていく必要があります。

 そこで、フレックスタイム制度の拡充など、育児や介護を抱える職員を含め、全ての職員が働きやすい職場となるよう、より柔軟な働き方の取組を推進します。

 また、入庁直後から、職員一人ひとりのキャリア形成を支援し、人材育成を進めるなど、働きがいや成長を実感できるようなソフト面の取組を進めていきます。

 さらに、民間ビルの借上げによるスペースの拡充や、机やロッカー等を刷新するオフィス改革など、ハード面でも働きやすさを実感できる職場づくりを進めます。

 採用面では、民間企業で広く活用されているSPI3を採用試験に導入したり、民間の合同説明会への参加などを通じ、公務員となることを意識していなかった人達を惹きつける取組も強化します。 

こうした取組を進めることで、県民サービスを持続的に提供できる体制を構築してまいります。

 

(藤代筆頭政調副会長)

 職員が働きやすさを実感できる職場環境づくりに向け、ハード面でも取組を進めていくとのことでありますが、何十年も前から使っている古い机やロッカーなどは、県を志望される学生の方々を含め、県民の目から見ても好ましくない状況であると感じていました。

 県職員の退職者増加に対する取組は、人口減少社会の中で、将来に渡って必要な行政サービスを提供し続けられるのかという点で、県議会としても、真剣に考えていかなければならない問題であると捉えていますので、ぜひ、積極的な取り組みを継続していただくよう、要望いたします。