1 県政課題に対する知事の基本姿勢について

(3) 地域の移動手段の確保に向けた交通政策について

 

(藤代筆頭政調副会長)

 地域公共交通の維持・確保は、市町村が主体となって、対策を検討するものと認識しているが、国は、外国人労働者を受け入れる特定技能制度の対象に地域公共交通の運転手を加えるなどの取組を行っている。

 県においても、市町村を跨ぐ広域的なバス路線に補助を行うなど、地域公共交通の維持・確保に努めてきたことに加え、ライドシェアや、自走式ロープウェイ、自動運転バスの研究などに取り組んでおり、地域のバスやタクシーが減少する中、有効な移動手段になるのではないかと期待している。

 そこで、県は地域の移動手段の確保に向けた交通政策にどのように取り組んでいくのか、見解を伺う。

 

 

(黒岩祐治知事)

 次に、地域の移動手段の確保に向けた交通政策についてです。

 地域の移動手段の柱となる路線バスは、利用者の減少による採算の悪化に加え、2024年問題による運転手不足などにより、県内では、この1年で、全体の5パーセント、約3,300便が減便されていることが、県の調査で分かりました。

 県は、バス協会に対し、運転手の確保について交付金を活用して支援してきましたが、バスの減便には歯止めがかからず、地域の足を確保するためには、様々な移動手段を活用していく必要があります。

 そこで、県は、この4月に、担当部長を配置するなど、体制の強化を図り、新たな移動手段の導入に向けた取組を精力的に進めています。

 具体には、タクシー不足に対応するため、三浦市とともに、アプリを活用した神奈川版ライドシェアを4月に開始し、導入の効果な どを検証しています。

 また、運転手が不要な自走式ロープウェイについて、開発者のジップインフラストラクチャー株式会社と連携協定を締結し、協働して、県内での実用化を目指しています。

 さらに、バスの減便が顕著な県西地域で、自動運転バスの導入に向けた検討を進めるなど、県は、デジタル技術も活用し、地域の移動手段の確保に向けた取組をしっかりと進めてまいります。