4 県政の諸課題について
(4) 中小企業の賃上げ促進に向けた取組について
(団長)
本県経済が、この先も目まぐるしく変わり続ける社会経済情勢に対応し、全体として活性化していくためには、県内企業の99%以上を占める中小企業が、持続的に成長して利益を生み出し、従業員の賃上げという形で、成長と分配の好循環につなげていくことが、大変重要である。
そこで、県として中小企業の賃上げ促進に向けて、今後、どのような取組を行っていくのか、見解を伺う。
(黒岩祐治知事)
最後に、中小企業の賃上げ促進に向けた取組についてです。
中小企業が賃上げするには、適正な価格転嫁とともに、設備投資やDXによる業務の効率化など、生産性の向上が欠かせません。
まず、適正な価格転嫁や賃上げについては、これまでも、私が経済団体を訪問して直接要請するなど機運醸成に取り組んできましたが、今後とも機会を捉えて関係者に積極的に働きかけていきます。
次に、生産性の向上については、来年度、中小企業の設備投資を促進させる補助金を創設したいと考えています。
この補助金は、申請に際して、従業員の賃上げの計画策定を要件とした上で、ロボットや自動調理機器など生産性向上のための設備導入費用を支援し、賃上げの原資となる収益の増加を図るものです。
また、審査に当たっては、取引価格の適正化に向けた取組を加点要素とすることで、下請企業の賃上げにも繋がる仕組みにしていきます。
さらに、小規模事業者のDXを促進させ業務を効率化できるよう、ITシステムやデジタル機器導入等のための補助金も新設します。
このような取組を通じ、適正な価格転嫁とともに、中小企業の「稼ぐ力」を強化し、賃上げの促進につなげていきたいと考えています。
(団長)
新たに創設する補助金は、より状況の厳しい規模の小さな事業者にこそ知っていただいて、有効に活用してもらうことが重要であると思います。
そこで、今回の新たな支援制度について、より多くの事業者に知ってもらい活用してもらうために、どのように周知していくのか、知事の見解を伺います。
(黒岩祐治知事)
新たな支援制度について、お尋ねがありました。
新たな支援制度の周知に当たっては、これまでのようにホームページやSNSなどによる広報だけでなく、日頃から、中小企業と身近に接している税理士会や行政書士会等の各種団体に協力を仰ぎ、周知に努めます。
また、情報収集に限りのある小規模事業者に対しては、県内各地でデジタル化支援に関する事前相談会や商工会等による随時個別相談も実施するなど、より丁寧に周知してまいります。
(団長)
中小企業が持続的に成長して行くためには、しっかりと稼ぐ力を身につけて、その上で賃上げをしていくことが大変大切であると思います。特に小規模事業者にとっては、それが容易なことではありません。
新しい支援制度は、そのような小規模事業者にも配慮したものであるとのことですが、せっかく作った制度も使ってもらえなければ意味がありません。何よりもまず、県の支援を知ってもらうことが大変重要であり、従業員が少なく、一人で何役もこなしているような規模の小さい事業者にも、県の新たな制度が浸透するよう、努めていただきたいと思います。
また、質問の中で、「企業経営の未病チェックシートを活用しながら」ということがありました。このことについては私も思い入れがあるので、しっかりと活用をしていただいて成果を生んで、事業者目線で、丁寧に対応・周知をしていくように努めていただきたいと要望させていただきます。