2 県民の安全安心を守る取組について

(1)  能登半島地震を踏まえた本県の大規模地震への対策強化について

ウ 緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の促進について

 

(団長)

 能登半島地震では、土砂崩れや液状化等のほか、建築物の倒壊により、道路が塞がれることで、車両の通行が困難となり、被災者の救助活動の遅れや孤立集落の発生、避難活動やライフラインの復旧作業等に大きな支障が生じることが、改めて浮き彫りになった。

 県では、緊急車両の通行を確保すべき主要な道路を緊急輸送道路に指定しているが、その沿道の建築物についても、平成25年から順次県・市町において、耐震診断の義務付けや耐震改修への補助を進めてきたことは承知している。

 建物の所有者は平時から自分事として建物の耐震化の重要性を認識し取り組んでいただくことが不可欠であり、そのためにも県や市町村が積極的に所有者に対して耐震診断や耐震改修を働きかけ、支援していくことが大変重要となる。複数の大規模地震が想定され切迫性が高まる中、県民の安全・安心を確保するためには、緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化の取組みを、いっそう推進していくことが非常に重要であるものと考えている。

 そこで、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化について、今後どのように進めていこうとしているのか、見解を伺う。

 

(黒岩祐治知事)

 次に、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の促進についてです。

 県はこれまで、緊急輸送道路のうち、国道1号など広域ネットワークを形成する路線を「耐震診断義務付け路線」として指定し、沿道建築物の診断や改修に要する費用を補助することで、耐震化を促進してきました。

 一方、緊急輸送道路のその他の路線については、市町村が「義務付け路線」に指定していますが、一部にとどまっているため、沿道建築物の耐震化が進まずに、発災時の円滑な緊急輸送に支障を来すおそれがあります。

 そこで県は、市町村と新たな協議会を設置し、未指定路線の沿道にある建築物の状況を共同で調査し、防災の専門家の御意見も伺いながら、耐震化の促進が特に必要な路線については、市町村に対して「義務付け路線」に指定することなどを促します。

 また、能登半島地震での事象を踏まえ、三浦半島につながる国道134号など、代替ルートがない重要な路線については、市町村に代わって県が指定し、耐震化を促進していくことも考えていきます。

 

(団長)

 緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化については、市町村としっかり連携を図りながら強力に取組を進めていただくことをお願いする。