1 県政課題に対する知事の基本姿勢について

(3)  ヘルスケア・ニューフロンティアの未病改善の産学公連携について

 

(筆頭副団長)

 ヘルスケア・ニューフロンティア施策の「県民の目に見える還元」という意味で、また、県民の健康寿命の延伸を実現しようとするならば、広域行政を担う県としての強みを活かし、湘南地域を中心に、認知症といった地域の健康課題に応える産学公連携の活動を強化していくべきだと考える。

 そこで、ヘルスケア・ニューフロンティア政策の推進に向けて、認知症の未病改善に関する新たな取組や地域展開を、今後具体的にどのように進めていくのか、見解を伺う。

 

(黒岩祐治知事)

 県は、最先端技術の追求と未病の改善で、超高齢社会を乗り越えるヘルスケア・ニューフロンティア政策に取り組んでいます。

 その中でも、未病の改善については、未病指標の活用や新技術を実証する未病リビングラボ、未病産業研究会の会員企業が開発した商品やサービスといった未病ブランドの普及などを進めてきました。

 特に認知症は、発症後の根本的な治療法が現時点では存在せず、また、認知症検査の受診を本人やご家族がためらうといった状況があることから、軽度認知障害の兆候を早期に把握し、認知症の未病改善に向けた 行動変容を促すことが大きな課題だと考えています。

 そこで、まずは、100社を超える企業等が集積する湘南地域を中心にして、認知症などの社会課題解決に向けた産学公連携活動を強化していきます。

 具体的には、この11月に、横浜国立大学が、県と連携して湘南アイパーク内に設置した新たなキャンパスを活かし、ここに参画予定の横浜市立大学や県立保健福祉大学と協力しながら、軽度認知障害の評価法の開発や実証フィールドの構築などに取り組みます。

 また、認知症の未病改善に向けた行動変容のためには、県民の皆様に身近な場を活用した事業展開が重要です。

 そこで、高齢者が運転免許を更新する機会や健康診断などの場で、県の未病指標や認知機能を改善する未病ブランドの商品・サービスの情報を、県民の皆様に発信したいと考えています。

 今後は、認知症などの社会課題の解決に向けて、大学の知と企業の商品・サービスをより一層活用することで、ヘルスケア・ニューフロンティアの成果を、地域社会にしっかりと還元してまいります。

 

(筆頭副団長)

 先ほど、「運転免許を更新する機会」という趣旨の答弁がありましたが、県警察本部との連携が非常に大切と考えます。具体的にどのように進めていこうとしているのか、見解を伺います。

 

(黒岩祐治知事)

 高齢者の運転免許更新時は、県民の皆様が認知機能を意識する重要な機会だと考えています。

 そこで、県警察本部とも連携し、例えば、高齢者が運転免許センター等で免許を更新する際に、認知機能を測ることができる商品をリーフレット等で案内することにより、日常的に認知機能をチェックし、改善に向けたトレーニングをすることの大切さを伝えていきたいと考えています。

 また、運転免許センター等の現場が有する課題を、未病産業研究会の会員等に紹介することで、その課題解決につながる会員等の研究推進や製品開発等を促進します。

 今後は、運転免許更新の取組と日常の未病改善の取組を一連の仕組みとするなど、県警察本部と密接に連携しながら、施策を展開してまいります。