(1) 道路標示の補修促進について

 

(副団長)

 県内の道路総延長は、県道や市町村道などを合わせ約2万6千キロメートルあると聞いており、そこにある横断歩道などの道路標示は膨大な量で、一つひとつの摩耗状況を確認しながら補修をすることは、日ごろの県民の安全・安心に直結するものであることから、AIなどのデジタル技術を活用して、効率的に補修を行っていく必要があると考える。

 そこで、摩耗した道路標示の補修に係る取組状況と、今後、AIを活用するなどして、どのように補修を促進していくのか、見解を伺う。

 

(黒岩祐治知事)

 安全で安心してくらせる神奈川の実現についてお尋ねがありました。

 まず、道路標示の補修促進についてです。

 横断歩道をはじめとする道路標示の補修は、交通の安全と円滑化を図り、県民の安全安心を確保するため、大変重要な取組です。

 このため、道路標示の補修のための予算を年々増額させるとともに、令和4年度には、10年度までの6か年分の増額予算を、基金として積み立て、活用しています。

 令和5年度当初予算では、5年前と比べておよそ2.5倍となる約9.5億円を計上するとともに、今定例会において、約2.7億円の補正予算案を計上し、さらに補修を加速させていきたいと考えています。

 具体的には、標示の6割以上が消えている横断歩道を、優先すべき箇所と位置付け、年度内にその約90パーセントの補修を行い、来年度には、完了させることを目指します。

 加えて、早期に補修するためには、道路標示の摩耗状況を適切に把握していくことが重要となります。横断歩道の摩耗状況の点検については、これまで警察官の目視点検や委託会社による全数点検を、実施していました。

 今年度から新たな取組として、デジタル技術を活用し、委託会社の車両にスマートフォンカメラを搭載して、撮影した画像から、AIで摩耗状況を自動的に判定するシステムを導入することとし、今回の補正予算案に事業経費を計上しています。

 このシステムでは、県警察が所管する道路標示のみならず、県や市町村などが所管する、道路の区画を表す道路標示、いわゆる区画線の摩耗状況も同時に判定することができます。

 そこで県は、このデータの提供を受け、活用することで、県が管理する道路の区画線について、摩耗度合いの高い箇所から、効率的かつ迅速に補修します。

 また、市町村が管理する道路の区画線についても、県が把握したデータを共有することで、各市町村が、区画線の補修を促進できるようにします。

 このように、県は、県警察としっかりスクラムを組んで、県民の皆様が安全安心にくらすことができるよう「AI技術により消えかけ白線ゼロ」を目指します。

 

(副団長)

 道路標示の補修促進についてです。道路標示の補修については、県は、県警察のデータを活用して、県管理道路の区画線の補修を実施するとともに、データを市町村とも共有していくとの答弁がありました。

県民にとって、日常生活に密接に関連する、身近な道路の区画線がしっかりと引かれていることが大切だと考えています。

  しかしながら、こうした多くの道路を管理している市町村にとっては、補修する区画線の長さが膨大であることから、例えば、どこから手を付けたらよいのかわからない、また、その費用も十分に確保できないなどといった理由から、データを受け取っても、取組がなかなか進まないことが懸念をされます。

市町村が管理する区画線の補修は、当然、市町村の役割であると承知をしていますが、県民にとっては、県道か、市町村道であるかは関係なく、県内全ての消えかけ白線ゼロを実現するためには、県による支援も必要ではないかと考えます。

 そこで、県は、市町村が管理する道路の区画線の補修を促進するため、どのような支援に取り組んでいくのか、伺います。

 

(黒岩祐治知事)

 それでは、再質問にお答えいたします。

 要するに道路標示というのはですね、この警察が引く線と、県が引く線と、市町村が引く線と分かれているわけですね。

 それは県民目線で考えれば関係ないわけですね。

 ですから、全てのところの道路標示をしっかりと見えるようにしていくということは、とても大事なことだと考えています。

 ただ、ご指摘の通り、市町村、これなかなかの財政負担も大変だろうということがあります。

 そこで、効率的にこの区画線の補修を行えるよう、市町村の道路管理者が集まる会議などを通じまして、補修箇所の優先度の付け方などを助言していきたいと思っています。

それとともに財政負担の軽減を図るためには、区画線の補修費用が国庫補助の対象となるよう、新たに国に要望していきたいと思っています。

 というのは、この区画線がしっかりしていないと、来るべき自動運転の走行、これが一般化してくる中で、この区画線がはっきりしていないと、前に進まないわけでありますので、この点を強調しながら、国への要望をしっかりやっていきたいと思っています。

 こうした取組を進めることで、市町村が管理する道路の区画線の補修、着実に進むよう、しっかりと市町村を支援して参ります。

 

(副団長)

 それでは、要望させていただきたいと思います。

 まず、答弁いただいた、道路の区画線の話であります。

 私も議員をさせていただいて、一番やはり、県民の皆さんからお声をいただくのは、道路の区画線の話ということで、知事も今、決意を語っていただきました。

 しっかりと進めていただきたいと思います。