(2)  神奈川県立県民ホールの休館について

 

(政調筆頭副会長)

 県民ホールの今後のあり方は現在検討中とのであるが、県は、休館する判断に至った事情を、県民に対し、しっかりと説明するとともに、必要な関係者と速やかに調整を進めていくべきだと考える。

 そこで、県民ホールの休館が約2年後の令和6年度末となった理由、また、入居している事業者等と休館に向けた調整を今後どのように進めていくのか、見解を伺う。

 

(黒岩祐治知事)

 次に、神奈川県立県民ホールの休館についてです。

 まず、休館を令和6年度末とした理由についてです。

 県民ホールは、開館から48年が経過し、老朽化が進んでおり、開館時から使用している空調などの古い設備は、近い将来、修繕に必要な部品の調達が困難になることが想定されます。

加えて、コンクリートの劣化状況調査では、やはり近い将来に、建物の耐久性が低下する可能性があるという指摘を受けています。

 一方、大型イベントの場合、特例で2年前から予約が可能であり、主催者にとって、県民ホールが利用できる期間は早期に把握しておきたい重要な情報です。

 これらのことを総合的に考え、このたび、約2年後の令和6年度末をもって休館すると決めたものです。

 次に、入居している事業者との調整についてです。

 県民ホールでは、レストランや喫茶店が営業をしていますが、これらのテナントの存在も、県民ホールの魅力向上につながっているものと認識しています。

 今回の休館によって影響を受ける各事業者とは、継続的に話し合いの場を持ち、休館に向けて丁寧に対応していきます。

 県民ホールは、これまでの入場者が約3,000万人におよんでおり、昨年行ったアンケートでも、このような施設が必要だとする意見が90%を超えていることから、廃止することは考えていません。 

 県としては、利用者の安全のため、休館までしっかりと施設を管理します。また、現在の施設では解決が困難なバリアフリー化を始めとする課題も視野に、入居事業者や公演主催者、地元横浜市などと丁寧に調整を行い、速やかにあり方の検討を進めてまいります。

 答弁は以上です。

 

(政調筆頭副会長)

 次に、神奈川県立県民ホールの休館についてだが、県民ホールのあり方については昨年9月に我が会派が代表質問を行い、関係 

 団体や民間団体とも意見をしっかりと聞き様々な観点から幅広く検討するよう要望したところである。

 県民ホールは広く県民に利用される、地域の街づくりにとっても大切な施設であることから、県民や関係者の理解を得ながら、地元横浜市と連携して今後の検討を進めていくべきであると考える。

 そうした中、先日、唐突に休館が発表された時は、非常に驚き、また困惑を持って受け止めた。

 県民や関係者にとっても、驚きに加え、今後についても、不安を与えるものであったと思う。

 私の地元で暮らす方々は、初めて芸能人のコンサートに行ったのが県民ホールだった。そしてまた、ある大物アーティストは、神奈川県でそのコンサートを開くのは、県民ホールと横須賀の芸術文化劇場であって、県民ホールが無くなってはならない、継続してほしいという要望もいただいた。

 そしてまた、地域の事業者にとっても、県民ホールでイベントがあれば、うちのお店で物を買ってくれるなどという声も聞かされたところである。特に、テナントとして入居している事業者にとっては、事業の継続や生活に関わる大変大きなことであると思う。そこで働く方からも、またか、こういうことで閉まってしまうのか、という印象を持ったという声をいただいたところである。

より丁寧な説明が必要であったのではないかと感じるところであるが、今後は、県民に不安を与えないように、情報の提供をしっかりと行うように調整を進めていただきながら、できるだけ早く多くの県民の方に御理解いただける形で方向性をしっかりと検討を進めていっていただきたい。