4. PICUから一般病棟(隔離病室)へ | * poco a poco * 少しずつ、一歩ずつ

* poco a poco * 少しずつ、一歩ずつ

2人の子どもたち(娘と息子)、私のありふれた日々をつづっています。
息子は2歳でインフルエンザから痙攣重積型(二相性)急性脳症を患いました。治療やリハビリについても記録しています。



(息子が痙攣重積型《二相性》脳症と診断されたときの備忘録です)




夫と付き添いを交代した翌日は、食料品の買い出しや家の掃除・整理整頓をした。


外食ばかりにならないよう、冷凍ご飯を用意したり、温めるだけで食べられるレトルト食品などを準備した。



娘とはショッピングモールへお買い物に行ったり

(私の付き添い入院の準備に付き合わされただけ?)

家でたくさん遊んだりした。



息子はというと、ステロイドの点滴が始まり、ストレスなのか夫のことを噛みまくっていたらしい。


投与2日目は一日中大変だったそうだ。



夫の報告はそれくらいだった。


主治医が誰か、担当医が誰かも分からない様子。

名札?ネーム?くらい普通見るんじゃないのかと心底幻滅した…。




●2/4(月)   入院4日目


私に交代した頃にはステロイド投与は終わっており、噛まれるなどの行為はなかった。


疲れたのか午前中はずっと寝ていた。


午後には一旦点滴のルートが外され、ようやく一般病室へ移ることができた。

(といっても、感染症のため隔離病室)



私のことは噛まなかったが、ベッドの柵を噛んだり、ベッドの上を熊のようにウロウロ歩き続けていた。


さらに医師や看護師が部屋に来ると、何か痛いことや怖いことをされると思うのか、抱っこしている私の顔(マスク)叩くようになった。

(付き添いの大人にはマスク着用が義務付けられていた)


歯ぎしりもこの頃、よくしていた。



不安感があるのかも、というとのことで薬が追加で処方された。

そのときは薬の名前を聞かなかった。


少量なのでシリンジに入れられたその薬は美味しくないのか、ときに息子はペッと吐き出すこともあった。




●2/5(火)  入院5日目


明け方、ふと目覚めると息子が目を開け、遠くを見つめていた。

容態が悪くなるころ、よく見られた様子にドキッとした。


「起きていたの?」と聞くと、「うん」と答え、トントンしているうちにまた眠った。



午前中、どこかの部屋から小学生低学年くらいの女の子が隣のベッドに来た。


午後には退院と漏れ聞こえてきたが、お母さんと歌う「ずいずいずっころばし」やジャンケンに合わせて、息子も歌っていた。


ずいずいずっころばしは、娘とよくお風呂でやっていた。

それを覚えているんだ!ととても嬉しかった。



心配された食欲もほぼ回復し、これまで苦手だったものが食べられるようになった。


(例:ほうれん草の胡麻和え、コールスローサラダなどの野菜)



どこか痛いところある?と聞くと、右側の後頭部を押さえていた。


とてもそれが不安だった。




●2/6(水) 入院6日目


朝食が来てようやく起床。

よく眠れている様子。


しかし昼間はやはり機嫌が悪く、自宅から持ってきた愛用のトーマスの枕、リラックマのぬいぐるみをベッドから落とそうとする。


朝の回診後、薬の量を増やすことになる。



☆右手でピースをすることができた!


☆ごちそうさまでしたのときに手を合わせることができた!




◆後遺症ついて(親からの目線)


運動面はほぼ問題なさそうに見えた。

歩くこともできたし、普通食を食べることができた。



少し心配なのが手。


触れられるのを嫌がり、指先を上手に使えない様子。


スプーンやフォークを持って食事をすることはできず、ほぼ介助が必要だった。



自宅からお気に入りのおもちゃを持ってきていた。


ボタンを押すとトーマスのキャラクターの名前が鳴るおもちゃがあるのだが、触れるだけで押すことができなかった。

(病気になる前はもちろん、1歳半くらいでもできていた動作)



生活面で完全に後退したのがトイレトレーニング。。。


ほぼ完了の状態から、完全オムツになりました。

おしっこした、ウンチした、などの報告もなし。



知能面は…残念ながら多少の後退を認めざるを得ませんでした。


夫と付き添いを交代している間、夫を「パパ」と呼ばなかったそうです。

(ママは言えていた)


会話もあまりかみ合わず…

というか理解できる言葉はあまり話していなかったと思います。


おはよう、おやすみ、いただきます、ごちそうさまでした、などの挨拶も口から出ず…。


何かを訴えるときは手足をバタバタさせるか、叩くか、泣くかのどれか。


なんでも口に入れてしまうのもあり、その点はまるで赤ちゃんのようでした。



夜はよく眠れている様子でしたが、

起きているときは落ち着きなくベッドの上をウロウロし、イライラするのか枕やぬいぐるみを下に落とそうとする。


医師の回診や看護師さんが来ると悲しそうな顔をして声を出さず泣き、

抱っこをすると叩かれました。


ご飯もウロウロ歩きながら食べ、「ここに座ろって食べよう」とずっと教えていました。

ベッドの上で食事をするので、寝具も汚れることもしばしば。

(バスタオルを敷いていたけど、歩くのでぐちゃぐちゃになってあまり意味がなかった)



今までできていたことができない。


様々な場面で現実を突きつけられました。




しかし悪いことばかりではない!



お隣にきた女の子の遊びに(勝手に)合わせるように歌ったり、


保育園の発表会でやった歌を口ずさんだり、


名前を呼べは振り向くし、


食事の下膳のために部屋を出て戻ると

「ママ、帰ってきたの?」と言うし、


トーマスのキャラクターも判別できている。



2歳が持つ無限大の可能性。


きっと良くなる!


親がそう信じないでどうする!!



この頃はそんな気持ちで過ごしていました。