米国フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されたIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WTSC)開幕戦デイトナ24時間は、現地時間1月28日~29日に決勝レースが行われ、ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)のリッキー・テイラー/ジョーダン・テイラー/マックス・アンジェレッリ/ジェフ・ゴードン組10号車キャデラックDPi-V.Rが総合優勝を飾った。
今年のデイトナ24時間は、デイトナプロト・インターナショナル(DPi)と新型LMP2、さらにアキュラNSX GT3、レクサスRC F GT3などの新型車が多数エントリーしたことで注目を集めた。
After finishing second four times, they finally Will have something to put on their wrists. Congratulations @WayneTaylorRcng ! #Rolex24 pic.twitter.com/C2XtbWiPmu
— IMSA (@IMSA) 2017年1月29日
チェッカーまで残り20分あまり、この日22回目のリスタートが切られると、首位を走るアクション・エクスプレス・レーシング(AER)のフェリペ・アルバカーキとWTRのR.テイラーによるスプリントバトルが始まった。
共にキャデラックを駆る二人の勝負がついたのは残り8分。オーバルからインフィールドに入っていくターン1でR.テイラーがアルバカーキのインに飛び込んだ瞬間、インを締めたアルバカーキのキャデラックがスピンを喫し、この間にR.テイラーが首位を奪った。この瞬間、長かったレースの勝者が決まった。
レースコントロールはこの接触に関してはお咎めなしとして審議も行わなかった。結果、R.テイラーは必死の猛追をかけるアルバカーキを0.671秒差で振り切りトップチェッカー。WTRにデイトナ24時間レース初制覇をもたらしている。
2位のAERの5号車キャデラックは、レース序盤からWTRと接戦を繰り広げたが、首位争いを展開していた夜間にパンクとカウル交換のイレギュラーのピットインを強いられ、優勝争いから遠ざかってしまう。
ところが、コース上のアクシデントや強雨によるフルコース・コーションが相次いだことでWTRとのギャップを縮めることに成功。夜が明ける頃にはWTRと再び接近戦を演じることとなった。
3位にはVisitFlorida.comレーシングのライリー/マルチマチックのMk30が入った。レインコンディションとなった夜間はキャデラックやニッサンDPiと互角に戦うことができたが、路面が乾いていた序盤と終盤はペースでDPi勢に太刀打ちできなかった。
GTLMクラスでは、フォード・チップ・ガナッシレーシングの66号車フォードGT(ディルク・ミューラー/ジョーイ・ハンド/セバスチャン・ブルデー組)が、フレデリック・マコヴィッキィもドライブしたポルシェGTチームの911号車ポルシェ911 RSRを3秒差で抑えてクラス優勝を飾った。
クラス3位には残り時間35分まで首位を走っていたリシ・コンペティツオーネの62号車フェラーリ488 GTEが入り、コルベット・レーシングの3号車コルベットC7.Rが4位に入っている。
アキュラNSXとレクサスRC Fのデビュー戦として注目が集まったGTDクラスは、アレグラ・モータースポーツの28号車ポルシェ911 GT3Rがクラス優勝を果たした。
アレグラMSは、最後のピットストップで2番手から首位に浮上させると、アンカーのミハエル・クリステンセンがこれに応え、モンタプラスト-バイ・ランド・モータースポーツのクリスチャン・ミースが駆る29号車アウディR8 LMSの猛追を守りきった。2台のギャップは0.293秒差だった。
3位にはライリー・モータースポーツ-チームAMGが入り、シリーズ初参戦のメルセデスAMG GT3がデビュー戦で表彰台を獲得している。
日本の新車勢では、NSXが中盤から終盤にかけて安定した走りで上位に進出。最終的な順位は86号車が5位、93号車が11位となったが、ワン・ツー体制を築く時間も少なくなく、今後も楽しみな存在と言えるだろう。
一方、レクサスRC Fは14号車がクラッシュでリタイア。15号車もタイヤのバーストによるカウル損傷と2度のクラッシュで大きく遅れをとってしまい、クラストップから53周遅れのクラス14位という厳しい船出となってしまった。
オレカFLM09のワンメイクで争われるPCクラスは、パフォーマンステック・モータースポーツの38号車が優勝を飾っている。PCクラスは今シーズン限りでのクラス廃止が決まっており、今回のレースがFLM09にとってのデイトナラストレースとなった。
2017 IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ第1戦デイトナ24時間 決勝結果
CP | CLS | TEAM | CAR | TIME |
1 | P | #10 Konica Minolta Cadillac DPi-V.R | Cadillac DPi-V.R | 659Laps |
2 | P | #5 Mustang Sampling Racing | Cadillac DPi-V.R | 0.671 |
3 | P | #90 VisitFlorida Racing | Riley/Multimatic Mk30 | 1LAP |
4 | P | #2 Tequila Patron ESM | Nissan DPi | 3LAPS |
5 | P | #85 JDC-Miller Motorsports | Oreaca 07-Gibson | 13LAPS |
1 | PC | #38 Performance Tech Motorsports | Oreca FLM09 | 638Laps |
2 | PC | #26 BAR1 Motorsports | Oreca FLM09 | 22LAPS |
3 | PC | #20 BAR1 Motorsports | Oreca FLM09 | 39LAPS |
4 | PC | #88 Starworks Motorsport | Oreca FLM09 | R |
5 | PC | #8 Starworks Motorsport | Oreca FLM09 | R |
1 | GTLM | #66 Ford Chip Ganassi Racing | Ford GT GTE | 652Laps |
2 | GTLM | #911 Porsche GT Team | Porsche 911 RSR | 2.988 |
3 | GTLM | #62 Risi Competizione | Ferrari 488 GTE | 3.079 |
4 | GTLM | #3 Corvette Racing | Chevrolet Corvette C7.R | 4.593 |
5 | GTLM | #69 Ford Chip Ganassi Racing Team UK | Ford GT GTE | 5.653 |
1 | GTD | #28 Alegra Motorsports | Porsche 911 GT3 R | 634Laps |
2 | GTD | #29 Montaplast by Land-Motorsport | Audi R8 LMS | 0.293 |
3 | GTD | #33 Riley Motorsports - Team AMG | Mercedes AMG GT3 | 5.579 |
4 | GTD | #57 Stevenson Motorsports | Audi R8 LMS | 5.849 |
5 | GTD | #86 Michael Shank Racing | Acura NSX GT3 | 8.371 |
あまりの眠さに横着しました。