大众畜牧野味(みんなの牧畜・野獣の味覚)⑦ | しぅーしぃの中国語生物名備忘録

しぅーしぃの中国語生物名備忘録

辞書では調べにくい中国語の動植物名の備忘録として使います。

大众畜牧野味(みんなの牧畜・野獣の味覚)⑥の続きです。

長かった野味の紹介も今回が最後となります。

 

中国語 (ピンイン) 和訳
鳄鱼尾(èyúwěi)ワニの尻尾
鳄鱼掌(èyúzhǎng)ワニの掌
鳄鱼鞭(èyúbiān)ワニのペニス
鳄鱼肚(èyúdǔ)ワニの胃袋
鳄鱼舌(èyúshé)ワニの舌
鳄鱼肠(èyúcháng)ワニの腸
活鳄鱼龟(huóèyúguī)活ワニガメ
活山龟(huóshānguī)活スペングラーヤマガメ ※注:中国の山でよく見かけることから「スペングラーヤマガメ」としておいたが、山から獲ってきた亀は皆「山龟」と呼んでいるっぽいのでどの種かは実のところは不明。
活山瑞甲鱼(huóshānruìjiǎyú)活イボクビスッポン ※注:正式名は「山瑞鳖(shānruìbiē)」。
活水貂(huóshuǐdiāo)活ミンク ※注:元々北アメリカ原産なので食用(毛皮肉?)として飼育されているのだろうか?
活树熊(huóshùxióng)活コアラ【誤訳!!】

※注:2月初旬に「武漢ではコアラが食べられている!」という日本語の記事が多く出回ったのでここできちんと検証しておきたい。

 

●実は似たようなケースが他所でもあり以前オーストラリア大使館(領事館)に問い合わせがあったそうだ。そして調べの結果コアラではなく「芒鼠(mángshǔ)、別名:竹鼠(タケネズミ)」だったようで、この地域の食肉業界では「树熊」と呼んでいるそうだ。中国で「树熊」という単語が生まれたのはコアラが先かタケネズミが先かはわからないが紛らわしいことこの上ない。

 

●中国の一般的価格表記で考えると「/只(1匹)」「/根(1本」などの表記がない限りは一斤(500g)の値段となる。この表にある活コアラは70と書いてあるから500g70元(約1100円)ということだ。コアラの体重は成体で4-15kgでこの価格表どおりなら1匹560元~2100元(約8800円~33000円)ということになる。ぬいぐるみじゃあるまいし安すぎでしょう。

 

●そして中国なら、もしコアラ肉として関心を引くのであれば表の全体図にコアラのイラストが載っていて然るべき。

 

以上のことからさすがの中国でもコアラは食べられていないということがおわかりいただけただろう。

带皮乌梢蛇(dàipíwūshāoshé)皮付きカサントウ
去皮乌梢蛇(qùpíwūshāoshé)皮無しカサントウ
大蛇条肉(dàshétiáoròu)大蛇の細長肉 ※注:どの大蛇か種は不明。「条」は棒状のものを指すので元々棒状の蛇だからブツ切りといったところか。
活海蛇(huóhǎishé)活ウミヘビ ※注:どの海蛇か種は不明?
活虎纹蛙(huóhǔwénwā)活ババトラフガエル

最後の表の全体図も載せておきます。コアラのイラストはありません(笑)