友が楽しみにしていた布施明のコンサート。

入院で私の誕生日祝いに。

 

札幌から電車に乗り自宅までの道のりを考えると、

夜の雪道、札幌に泊まることにする。

 

市内から離れているが、

豊平川を目の前に、遠くに雪かぶる藻岩山を望む静かな好きなホテルだ。

今日はホテルスティを優先。

 

ステージでの布施明は、76歳という年齢を微塵も感じぬ見事な声量だった。

2時間休憩を入れず、素晴らしい歌声を惜しむことなく聴かせてもらい、

最後は、

 

「Time To Say Goodbye」

 

最初のフレーズで思わず声がでた。

 

堂々と歌い切った。

 

立ち上がって拍手を送りたい高揚感だったが、躊躇してしまった。

 

スタンディングオベーション

 

ブラボー!

 

ひとりだけだったら・・・

 

私的には見たかった。

あの声を聴いた観客が総立ちするのを。

 

アクションはないが大きな拍手につつまれていた。

 

外は小雪が舞い冷たい風の中、バスを待ちホテルに戻る。

まずは化粧を落とし、湯舟に浸かる。

我が家にはない部屋の暖かさ。

 

雪が街の音を消し、灯りと雪の饗宴をかもし出す夜の札幌。

 

翌朝の空を眺めたくカーテンを開け、

わずかな赤ワインが眠りにいざなう。

 

真っ青な朝空。

 

朝ワインを飲みましょう。

 

ひとり気ままな誕生日。

 

割れた外壁、隙間だらけの寒い我が家が出迎えてくれた。

 

ひとときの愉しみだから楽し。

 

友よ、来年こそは聴こう!

 

さっぽろテレビ塔

至福な時間

 

窓からのぞむ札幌の街