まことしやかに、「中国は戦争をしなくても台湾統一ができる」なんて話が流れているようだが、そんなことはないだろう。

 ただし事態が緊迫すれば、「台湾~尖閣諸島(魚釣島・久場島群)~尖閣諸島(大正島)~沖縄」という北の防衛ラインと、「台湾~与那国島~宮古島~沖縄」という南の防衛ラインを日台米で守り、日本~台湾間の確固たる輸送パイプを構築することが必要となるだろうが、米国主導でどうにでもなることだろう。

 その上で、台湾海峡の港湾封鎖の応酬が始まれば、台湾側は台湾海峡側の港湾を捨てることも可能なのに対し、中国は台湾海峡側の港湾を広く使用できなくなれば、一体一路の鉄道輸送路構築の遅れがあり、中国は習体制、共産党一党独裁体制がひっくり返るほどの大きな経済的損失を被り、米国との間で核の脅威へと発展する恐れがあるため、いくら習といえどもそこまでは踏み切れないだろう。

 昨今、台湾のTSMCが日本へ進出しているが、自分から見れば米国主導の、台湾有事に備えた海外拠点構築に見える。

 ただ恐ろしいのは、欧州が中国での権益を守らんがために、日台米に圧力をかけるのではないかということで、そうなれば先の世界大戦のごとく、欧州と東アジアで第3次世界大戦へと突き進むことになるのかもしれない。