デンマークの国際競争力が世界一で、ビジネス効率性の中の生産性と効率性も1位だといい、日本は47位だという。

 かつて日本は、資源の乏しい国がゆえに、生産性(効率性を含む)、品質(安全性を含む)、コスト(価格)、技術・技能でトップだったから、国際競争力も1位で、世界第2位の経済大国にのし上がった。

 それは、その当時の労働者の能力の高さ、質の高さがもたらしたものだ。

 世界はその日本の科学的問題解決法などを、日本でいう義務教育の中に取り入れ能力の底上げを行ったのだが、日本では教育者や学識経験者がそれを否定したため、社会に出る子供の基礎的能力レベルは逆転どころか大差をつけられることになってしまったと思われる。

 その結果が、日本が生産性と効率性で47位という結果になっているのだろう。

 自分たちの時代までは、世界一になるために、専門技術の他に、全員参加で多くの技法・手法を取り入れ、切磋琢磨したものだが、今の人たちにはそんな根性も努力も向上心の欠片も見ることができないのだから、当然の結果だと思う。

 国民一人当たりのGDPでは、日本は31位で、46~48位はスロバキア、トリニダード・トバゴ、ギリシャなのだが、一人当たりのGDPがそのレベル(現在の2/3以下)になる日もそう遠くないということなのだろう。

 はっきりいって、自分たち以前の労働者は、自分たちの年収アップ分は、自分たちでおつりが来るくらい働き出していた、稼ぎだしていたということ。

 だから、会社も成長したし、個々人の収入も増えたし、結果として日本は世界に類のない経済成長を成し得たのだ。

 1990年ごろから、失われた10年、20年、30年を作ってきたのは何故なのかを、よくよく考えてみる必要があるだろう。

 国際競争力が35位で、生産性と効率性が47位で、国民一人当たりのGDPが31位という現実を、国民は、労働者は、真摯に受け止め、自らの能力向上に真面目に取り組まなければならないだろう。