自分の専門は電気で、昔から自動車も好きだ。

 EV(電気自動車)の開発が始まって、東日本大震災直後のモーターショーを見て、期待は大きく膨らんだ。

 というのも、エンジンを主体とする自動車メーカーには大問題なのだが、いろいろな情報から抱いた、10年もすれば自動車に比べて、

・部品点数の大幅削減

・軽量化

・低廉化

が実現でき、

・急速非接触走行充電

で、移動中にどこでも充電が可能になっていて、家庭用充電設備、充電時間、充電不足、走行距離などから解放されるだろうというものだった。

 だが、部品点数を除いて、達成されたものはなく、自分からすればEV(電気自動車)の汎用化はまだまだ先という感がしている。

 ハイブリット車が出た時のワクワク感、期待に溢れた黎明期、その後の実績作りと技術進歩で急速に成長期へと突入し、自分もお世話になったのだが、EV(電気自動車)は未だ試作車・試験車段階に見えてしまうのは何故だろう。

 一番大きいには低廉化が何時まで経っても実現される気配がないこと。

 次は、充電を気にする必要のない、移動中いつでもどもでも急速非接触走行充電だろう。

 CO2対策なら、未だにハイブリット車だって十分に貢献しているし、国情を考慮すれば水素エンジンや燃料電池などの多様性があってしかるべきで、EV(電気自動車)オンリーなどということにはならないのだから、低廉化と急速非接触充電くらいのことがなければ、何の魅力があるのかということだ。

 そして今自分が思うのは、EV(電気自動車)の開発者と、ハイブリット車を含む自動車開発者には、根本的に大きな違いがあるのではないだろうかということだ。

 今のままだとEV(電気自動車)は、好まれて使用される、好まれて購入されるのではなく、強制的に持たされる好まざるべきものになってしまうのではと思っている。