1961年のケネディ大統領の、大統領就任演説の中の名言を覚えている人は、もう数少ないのかもしれない。
・「国があなたのために何をするのかを問うのではなく、あなたが国に何ができるのかを問うてください。」
・「米国があなた方に何をするかではなく、私たちが一緒になって、共に人類のために何ができるかを問うてください。」
が名言といわれる2節だろう。
故ケネディが尊敬したという上杉鷹山は、藩建て直しのため三助の思想「自助互助公助(扶助)」(自らを助く(自立)、近隣社会が助く、重大な事態では藩(県・国)が手を貸す(逆はない))を掲げ、名言「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」(やればできる。何事もやらなければ成功しない。できないのは、やろうとしていないからだ)残しました。
この二人の言葉が、自分たちの生き方に大きな影響を与えたことは確かです。
国という機関でみれば、理想的な大きな政府から小さな政府への転換点だったと思います。
規制緩和、民営化はその表れでした。
そして、国・自治体、企業、個々人にまで展開可能な、CSR(企業の社会的責任)及びBCP(事業継続計画)は、ケネディ及び上杉鷹山の意志を受け継ぐ最良のツールだと思っていました。
でも昨今の日本人は、全くその逆を目指しているといっても過言ではないでしょう。
特にBCP(事業継続計画)は、東日本大震災の際に日の目を見て、国も率先してその遂行を促していましたが、時と共に忘れられたのでしょう。
今回の、能登半島地震を見て、そう思わざるを得ませんでした。
東日本大震災被害などは、人間の欲という性が、70年以上も前に建立された石碑(宮古・姉吉地区の大津浪記念碑)にある「此処より下に家を建てるな」を軽視した結果、繰り返された災害だったのです。
まあ、ことわざに「天災は忘れたころにやって来る」というのがありますし、専門家が4,000年ぶりの大地震なんていうから、次は自分が生きている間は来ないから大丈夫なんて考えてしまうのかもしれませんね。
昨今は、何でも国が国がになってしまっています。
なさなくなった日本人が国際競争力を低下せしめた上に、それが加われば日本の衰退はなお一層加速されることは間違いないでしょう。
*北原みのりさんは、1970年生まれだといいますから、ケネディの名言など知らないのでしょうかね。でも、ビジネス書の上杉鷹山やCSR、BCPど真ん中世代だと思いますけどね。