先日テレビで、「再生医療の最前線」という事で、札幌医大の治療法が紹介されていました。

札幌医大の再生医療は、脊髄損傷や脳卒中に対する治験をやっていて、弊社でもそのための患者さんの搬送に30件以上関わってまいりました。(脊損の治験は現在終了しています。)

まずは2015年10月の記事から。

札幌医大では、神経再生医療科の本望修教授を中心として、1990年代から人の骨髄幹細胞を用いた再生医療の研究を行っていて、5年くらい前から治験を行なっていました。




人の骨髄液の中には、1000分の1の割合で間葉系幹細胞が存在しています。

間葉系幹細胞というのは、内臓、血管、神経など何にでも分化できる万能な細胞です。


患者さんの骨髄液の中から間葉系幹細胞を採取し、一億個まで増やして、静脈から点滴すると速やかに全身に周り、損傷した箇所を修復するそうです。(ステミラック注)

ステミラック注の大きな特徴は、自分の細胞を使うので副作用がほとんどないことでしょう。

札幌医大とニプロの共同開発で、申請から約半年という異例の速さでスピード承認されました。

やはりこの速さの所以は、待っている患者さんが余りにも多いということの表れなのだと思います。




治験では13人の重症脊髄損傷の患者さんのうち、12人で劇的な回復をされて、寝たきりの方が普通に歩けるようになったケースもあったようです。

ただ、エントリーには厳しい検査基準があって、悪性腫瘍が見つかったりその他の持病があったりすると残念ながらエントリーさえできなかった方も多かったとお聞きします。


今回は有効性や安全性を確認しながら、7年以内という期限付きの承認なので、受傷後1ヶ月以内の患者さんが対象ということなのですが、今後データが積まれれば誰でも使える治療として、再申請できる可能性もあり、受傷後時間が経った慢性期の方々も対象になる可能性もあります。


大量生産が難しく、現在では年間100人分くらいしか作れないそうですが、今後は製薬会社に委託して、年間3000人くらいまでできるようにしたいとのことでした。

絶望しかなかった患者さんたちが再び夢と希望を抱けるのは間違いないですよね。

まだまだ2合目と本望教授自身が謙遜しておっしゃてますが、新たな希望の光となりますように!