連休に突入します。
最近は、「リカレント教育」 ☜ という言葉をよく耳にするようになりました。
社会人の学びなおしです。
日本の社会は、大学を1度卒業して企業へ就職したり家庭を持ってしまうと、改めて(大学や大学院へ)進学する事はしないでしょう。
自分の職場に「私、大学・大学院へ進学します」と言おうものなら、仕事を辞めるのかと誤解されるかもしれません。
会社だけでなく、家族や親戚、友人からも「勉強するくらいなら働け!」と思われる風潮が根付いていますね。
もちろん、医師や歯科医師になるための医学部や歯学部などへの進学は別として、働きながら大学ないし大学院で学ぶという考えは日本の社会にほとんど定着していません。
アメリカはどうでしょうか。
働きながら大学院へ進学して修士号や博士号を目指すのはもちろん、複数の学位を取得するのは珍しくありません。
しかも、例を挙げると、法律学の学士号を得た後、同じ法律学の修士課程へ進む際、同じ大学ではなく、別の大学で学んだりします。
プロ野球で例えますと、日本のプロ野球は入団から現役引退、コーチ、監督に就くまで、一貫して同じチームというのが定着していますが、大リーグはいろいろなチームに所属するのが通常です(あのイチロー選手がメジャーで3球団を渡り歩いたのを見てもお分りいただけるでしょう)。
日本的経営の終身雇用制と違い、アメリカは学校も仕事(上記の大リーグ)も複数回って学力や能力、考え方を身に着けていくという考え方が一般的で、
「自分の能力を幾らで買いますか?」
「勿論、使えるのならば幾らでも払うけど、使えないと判断したら即クビだよ」という背景が挙げられます。
日本のプロ野球でも、外国人選手や近年のFA選手に見られます。
さて、日本企業の研究職や幹部、経営者は、大抵は知名度が高い大学卒(学士号)ですが、アメリカはどうでしょうか?
修士号や博士号を持っている人、複数の学位や複数の大学を卒業・複数の大学院を修了しているという人が結構居ます。
また、日本にある大学で通信教育で学位が取れる大学は少ないですが、アメリカやイギリスの大学は大学へほとんど通わずに、ほぼオンライン授業を受けるだけで学位が取る事が可能です。
しかも、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学、オックスフォード大学など世界的に知られている大学において、オンラインによる学士や修士の学位が取れるプログラムが開講されています。
アメリカなどの先進国に限らず、インドやトルコなどの通信制大学では、なんと数百万人の学生が学んでいるのですから、通信教育が世界的に定着している学びの形態なのです。
また、日本は通信教育で取得した学位は、(通学課程で取得したされと比較して)どうしても社会的な評価は小さいのですが、アメリカなど日本以外の大学では同じ大学で発行された学位であれば、どのような取得形態であれ、社会的評価に差がつく事はまずありません。
つまり、法政大学で取得した法律学の学士号は、通学課程で取った学位であっても通信教育課程で取った学位であっても、海外では同じ社会的評価になります。
日本企業は、従業員に働きながらTOEICなど英語の能力を身に着けさせたがる割に、なぜ、従業員を働かせながら海外で根付いている(夜間大学やオンラインの)大学や大学院で学ばせようとしないのか。
考えられるのは、以下の通りです。
1つは、部下・後輩が自分より学歴で評価されてほしくない(いわゆる嫉妬)。
1つは、日本は採用試験をはじめ、恋愛・結婚など人生の大事な場面において年齢重視(歳の差を気にする)の傾向がある。
1つは、日本は昔から純血(生え抜き、世襲、同族)主義で混血(外様)主義を嫌う傾向がある。
日本人は血液型占いが好きというのもその例です。
1つは、日本はベストやトップを好み、オンリー(ワン)を好まない。
とは言え、この先、日本の社会が1つの大学卒業(1つの大学から得た学士の学位)だけで十分という考え方は、次第に淘汰されていくと思います。
なので、時間を掛けて学びなおすというのは、海外を見渡しても、とても重要とだ言えるのではないでしょうか。
働きながら大学卒業、または(複数の)学位を得るなどの考え方については、次第に見直されていくでしょう。
法政大学は社会人のリカレント教育に力を注いでいます。