シャルル・ルクレール「オスカーだけが悪いとは思わない。キミにも同じくらい責任がある」 | 北海熊の独り言

シャルル・ルクレール「オスカーだけが悪いとは思わない。キミにも同じくらい責任がある」

フェラーリのシャルル・ルクレールは、自身がリタイアする原因となったF1第21戦サンパウロGPのインシデントについて、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に全面的に責任があるわけではないと擁護し、一方のドライバーに完全に責任があるわけではないと主張した。

 

 サンパウロGPの決勝レースの1周目、ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)がクラッシュしたためセーフティカー(SC)が出動し、これによってフィールド上ではマシンが密集した。そしてSCが解除された6周目のリスタート時に、今年のドライバーズ世界選手権の結果を決定づけるかもしれないクラッシュが起きた。ノリスはリスタートのタイミングを完璧に計ったが、2番手のアントネッリはコースの中央を走り、3番手のルクレールはアウト側を回った。4番手のピアストリは、アントネッリのイン側に入り、ターン1のブレーキングエリアに到達した時点で3台のマシンが並んで走行していた。

 

 イン側のラインはアウト側よりも汚れて少し湿っていたため、ピアストリはライバルたちよりも少し早めにブレーキをかけ、コーナーのエイペックスを通過する際には、ピアストリ車の前輪はまだアントネッリ車のマシンよりも後ろにあった。アントネッリは、アウト側でブレーキングがかなり遅れたルクレールに集中していたため、ピアストリにスペースを与えず接触は避けられなかった。両者とも軽微なダメージで走行を続行できたが、アントネッリは押し出されてルクレールの進路に入り激しく衝突したため、ルクレールはリタイアを余儀なくされた。

 

 

このリスタートは実質的にレースのファーストラップであり、単なるレーシングインシデントだという見方が一般的だったが、スチュワードは悪名高いドライバーガイドラインを厳守し、ピアストリに10秒のペナルティを科したため、彼が少なくとも2位を争うチャンスは事実上奪われた。

 

 常に冷静さを保ってきた若きオーストラリア人のピアストリは、ペナルティが不当だと考える理由を次のように述べた。

 

「白線の上でしっかりエイペックスに到達していた。あれ以上左に行くことはできなかったし、そのまま消えることもできなかった」

 

 ピアストリは、アントネッリとルクレールよりも少し早めにブレーキをかけ、左前輪をロックさせた理由について、「僕は後れを取っていたと言えるだろう」と認め、「他のふたりはブレーキングがかなり遅かったと思う。イン側は少し湿っていたので、僕はその点で少し慎重だったかもしれない」と説明した。

 

 その一方で、ピアストリはマシンを制御できていなかったとは考えていないことを明かした。

 

「確かにロックアップはあったが、ロックアップしながらもイン側の白線上にマシンを置いたままにできたということは、かなりしっかり制御できていたということだと思う」

 

「もう一度チャンスがあったとしても、違ったことは何もしなかっただろう」

 

 

アントネッリはレース終了後、この件について次のように自身の見解を述べた。

 

「濡れた部分で少し加速したせいでホイールスピンを起こし、ターン1に入るときに勢いを失ってしまった。アウト側に1台、イン側に1台ずつクルマがあったため、そこで僕はとても困難な状況に陥っていることに気づいた。ブレーキを遅めにかけようとしたが、遅すぎないようにした」

 

「隣のクルマはもう見えなくなっていた。僕は自分のポジションに合ったラインを描くよう努めた。そして結局ぶつかってしまった。ああいう形で終わってラッキーだった。明らかにシャルルにかなり強く当たったからね」

 

 

 しかしルクレールは、ピアストリとアントネッリには同じくらいの責任があると語った。

 

「オスカーとキミのインシデントの巻き添えになるのは残念だ」

 

「僕の意見では、実際のところ、キミもオスカーと同じくらい責任がある。僕にとって、これは50対50のインシデントだ。オスカーは楽観的で、キミはまるでオスカーがそこにいなかったかのようにコーナーを曲がっていた。彼らは衝突して、僕に接触したということだ」