元ルノーF1エンジン開発責任者、 F1エンジン製造終了に「ルノーはF1にお金をかける気がない」
フランス製F1エンジンに「斧が振り下ろされた」
これは、ルノー・グループがヴィリー=シャティヨンでのF1パワーユニット製造を終了すると発表した際、フランス最大のスポーツ誌『レキップ』の記者エリック・ビエルデルマンが劇的に表現したものだ。
アルピーヌの親会社であるルノーは「ヴィリーにおけるF1関連の活動は、新しいエンジン開発を除き、2025年シーズン終了まで続けます」と声明を出した。
この動きは、コスト削減だけでなく、メルセデスのカスタマーエンジンへの切り替えることで、苦戦するエンストン拠点のF1チームに即時のパフォーマンス向上をもたらすことを目的としている。
有力な噂によると、アルピーヌはメルセデスのパワーユニットだけでなく、ギアボックスやリアサスペンションも購入する予定で、現在のアストンマーティンと同様のアプローチを取るという。
ヴィリーのスタッフたちは、全員が『ハイパーテック・アルピーヌ』と呼ばれる再編されたヴィリーの新しい事業で職を約束されているが、激怒しているという。
■フェラーリに履歴書が殺到
フェラーリのチーム代表、フレデリック・ヴァスールは『レキップ』に対し、「フランスからの履歴書で私のメールボックスが溢れているよ」とコメントしている。
■元ルノーF1エンジン責任者が内情を語る「成功と正反対の決断だ」
元ルノーF1エンジン責任者のデニス・シュヴィエは、「アルピーヌはF1を安くしたいという狙いがある。それが彼らのずっと望んできたことだ。だからこそ、彼らは他のライバルと違ってハイブリッドエンジンへの移行に成功しなかった。リソースを投入しないと、最終的には過去の栄光だけではやっていけなくなり、船は少しずつスピードを失っていくという残念な実例だ。このエンジンはグリッドでベストではないが、この決断は、会社を成功に導こうとするボスが取るべき決断とは正反対だ」とコメントしている。
■元ルノーF1幹部「時間とともに崩壊。続ける意味がない」
もう一人の元ルノーF1幹部であるブルーノ・モウディは、「時間とともに崩壊した。2年前に私が去るとき、『君たちはおもちゃを壊してしまった』と言ったんだ。今ではもう続ける理由がない。最近行われてきたことは不十分で、全員がその責任を負っている。1~2年前には不幸せだったが、今は苦痛だ。出血を止める必要がある」と語った。