【SF】SFデビュー戦のニック・デ・フリーズ、初予選は下位に沈むも早速前を向く
スーパーフォーミュラ第5戦もてぎでの最注目ドライバーと言えるニック・デ・フリーズ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。彼にとっては初のスーパーフォーミュラとなったが、予選ではミスもあり18番手に終わった。
元F1経験者で、今も世界のトップカテゴリーで戦うドライバーであるデ・フリーズがスーパーフォーミュラにデビューするとあって、国内の猛者たち相手にどれほどのパフォーマンスを見せられるか、その期待値は必然的に高まっていた。
しかしながら、テストはおろかシミュレータセッションも実施できていないデ・フリーズにとっては、厳しい条件でのデビューになったのは確か。フリー走行を16番手で終えると、迎えた予選ではQ1のアタックラップをまとめきれず、B組10番手。決勝は18番グリッドからのスタートとなった。
「予選の路面温度はプラクティスに比べてかなり高かったから難しかったし、今日は全体的にブレーキングに苦労した」
そう語るデ・フリーズ。アタックラップでは1コーナーでブレーキをロックアップさせ、5コーナーでもリヤのスタビリティを失うような場面があった。
「プラクティスでは、ターン11(90度コーナー)で僕たち2台ともロックアップしてコースオフした。ここはブレーキのパフォーマンスと信頼性が全てだ。自分の取り組みには満足しているんだけど、それがうまくいかなかった」
「(アタックラップでは)ターン1ですでにフロントをロックアップさせてしまい、大きく膨らんでしまった……。そしてターン5でも大きくロックアップしてしまった。バランスを引き出そうとしたが、根本的な限界の結果だと思う。その中でタイムを削ろうとしたけど、残念ながら僕のミスになってしまった」
ミスによってどれほどタイムをロスしたと思うかという質問に対しては「メチャクチャなラップだったけど、コンサバに行って12番手あたりを目指すか、それ以上を目指すかだ。後者にトライしたけど、代償を払ったね! 苛立ったり落ち込む必要はない」と答え、落胆していない様子だった。
チームの星野一樹監督からは、その勤勉さや貪欲さに驚いたというコメントも聞かれていたが、予選後にインタビューに応えたデ・フリーズのコメントからもストイックさの片鱗が感じられた。
「かなり厳しくなることは分かっていたし、チームも今シーズン予選で苦労してきた。僕はチームに戻った時、『今夜中にレポートを作って全てを洗い出そう。ただ話し合うだけでなく、実際に紙に書き出して改善点を明らかにしよう』と言ったんだ。そうしなければ、十分なプロセスにならないからね」