元F1ドライバー「フェルスタッペンは来季のメルセデス移籍を真剣に考えるべき」 | 北海熊の独り言

元F1ドライバー「フェルスタッペンは来季のメルセデス移籍を真剣に考えるべき」

レッドブル・レーシング初期に同チームからF1に参戦した経験を持つロバート・ドーンボスは、現在レッドブルでF1を3連覇中のマックス・フェルスタッペンがメルセデスへの移籍を早期に検討すべきだと語った。

 ドーンボスは今年初めにも、フェルスタッペンが2026年にメルセデスへと移籍すると予想していたが、早ければ来季にも移籍することを検討すべきだと論調を変えたのは、ここ最近のメルセデスの好調ぶりだ。

 F1が新規則となった2022年以降は調子を落としていたメルセデスは、今季も厳しい戦いが続くだろうと予測され、開幕当初こそ苦戦したが、ここ数戦は戦闘力を増している。カナダGPではジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得。オーストリアGPでは上位2台の接触にも助けられてラッセルが勝利を収めると、続くイギリスGPでもラッセルがポールを獲得し、悪天候で難しい展開となったレースではルイス・ハミルトンが久々の勝利を掴んだことで、チームとしては2連勝を飾った。

 フェルスタッペンは未だポイントリーダーの座を守っているが、マクラーレンやメルセデスの台頭に押され気味なのも確か。ドーンボスは、2025年にメルセデスに移籍するというプランが既にベターな選択肢になっているのではないかということから、フェルスタッペンが検討すべきだと主張した。

「私は今も、彼がメルセデスを選ぶと思っている」

 オランダのZiggo Sportでアナリストを務めるドーンボスは、フェルスタッペン移籍の可能性についてmotorsport.comにそう語った。

「以前の話題は2026年についてだったが、それは(新規定となる)その年に最高のエンジンを積むチームにいることが重要だからだ」

「ただ、メルセデスは2025年にもそうなる(フェルスタッペンが加入する)ことを望んでいると思う。そうなればひとりのワールドチャンピオン(ハミルトン)に別れを告げて、もうひとりのワールドチャンピオンを迎え入れることになるからね」

「今年初め、メルセデスは速さのあるマシンを得られていなかった。その時はレッドブルが圧倒的に強かったし、マックスにとってもレッドブルに残ることは考えるまでもなかっただろう。しかし、状況は一変した」

「そこには色々な要因がある。チーム内の不穏な動き、エイドリアン・ニューウェイの離脱、チームの悩みの種になっているセカンドドライバーなど……舞台裏では今、多くのことが起きている。そして同時に、メルセデスの競争力はますます高まっている。あのチームは本当に良い走りをしている」

「マックスは今、レッドブルを再び軌道に乗せることができるのか、それともチームが乗ってきた波が終わったのかを見極める必要がある。いずれにせよ、これ以上後退するわけにはいかないだろう」

 また、ドーンボスはこう付け加えた。

「まず大原則として、マックスには契約が残っている。しかし私の考えでは、彼は2025年にメルセデスに加入すべきかどうかについて、真剣に考え始めるべきだ」

「もしメルセデスの好調が本物であることが分かれば、彼は来季メルセデスで素晴らしいシーズンを送り、2026年以降にはまたF1を支配することができるだろう」

 一方でレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、7度のワールドチャンピオンであるハミルトンが今季限りでメルセデスを離れるのには理由があると主張。メルセデスが新規則となる2026年に向けて開発しているパワーユニットの性能が芳しくなく、そこから逃れようとしたのだとしている。

 これについてドーンボスは次のように語った。

「ホーナーは、ルイスがメルセデスを去るのは2026年に向けた開発に感心していないからだと言うかもしれないが、私の見方は違う。ルイスは新しい環境を欲していただけだと思う」

「フェラーリに行くチャンスなんて、一生に一度あるかどうかだろう。だからルイスがした決断というのは、そういった(ホーナーが指摘する)ものとは全く異なるだろう」