【F2】FIA F2第8戦シルバーストン R2 : レッドブル育成ハジャーがポール・トゥ・ウイン | 北海熊の独り言

【F2】FIA F2第8戦シルバーストン R2 : レッドブル育成ハジャーがポール・トゥ・ウイン

7月7日、2024年FIA F2第8戦シルバーストンのフィーチャーレース(決勝レース2)が行われ、アイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)がポール・トゥ・ウインで今季3勝目を飾り、ドライバーズランキングトップに浮上した。

 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)は17位となった。

 フィーチャーレースのグリッドは5日に行われた公式予選で決定され、ハジャルがFIA F2キャリア初ポールポジションを獲得。

 フロントロウ2番手にビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)、2列目3番手にデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)、4番手にフランコ・コラピント(MPモータースポーツ/ウイリアムズ育成)が続いた。

 今大会のタイヤコンパウンドはプライムタイヤがハード(ホワイト)、オプションタイヤがソフト(レッド)となるなか、上位勢の多くはオプションタイヤをスタートタイヤにチョイス。そんななか、4番グリッドのコラピントはプライムタイヤでのスタートを選択した。

 タイヤ交換義務を有する周回数29周で争われるフィーチャーレースは、気温13.5度、路面温度20.2度というドライコンディションでスタートを迎えた。

 ポールスタートのハジャルが出遅れるなか、マルタンスがターン1のホールショットを奪いトップに浮上する。さらには5番グリッドスタートのオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)が抜群の蹴り出しで2番手に浮上すると、マルタンスに猛烈な勢いで仕掛ける。

 しかし、その後方で波乱。前日のスプリントレース(決勝レース1)ウイナーのアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)がターン4でクッシュ・マイニ(インビクタ・レーシング/アルピーヌ育成)に追突されるかたちでスピン。エンジンがストップし、ここでレースを終えることに。

 アントネッリがコース上にストップしたことでオープニングラップからセーフティカー(SC)導入に。3周目にレース再開を迎えるが、再開直後のターン8で11番手を走行していたポール・アーロン(ハイテック・パルスエイト)と後続から接近してきたジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)が接触。

 バランスを崩したデュルクセンがグラベル上でレースを終えたことで、すぐさま2度目のSC導入となった。なお、ランキングトップにつけるアーロンは右リヤタイヤをパンクし、緊急ピットインを余儀なくされ大きく後退することに。

 7周目にレースはリスタート。ポールスタートから3番手に後退したハジャルは2番手ベアマンとテール・トゥ・ノーズの接近戦を展開。8周目のターン15でハジャルが2番手に浮上すると、2台は揃って9周目にタイヤ交換義務を消化。

 それを見たトップのマルタンスは10周目にタイヤ交換を行い、ハジャルの眼前でコース復帰。11周目からはマルタンスとハジャルがテール・トゥ・ノーズの戦いを繰り広げる。戦いは長時間続き、19周目のターン9でサイド・バイ・サイドの末マルタンスがエスケープゾーンにコースオフする。

 これで一旦はハジャルがトップに浮上するが、そんなハジャルの背後につけていたジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)がハジャルの隙をついて、タイヤ交換組のトップに浮上する。

 ただ、そんなクロフォードには、ピットアウト時のアンセーフリリースにより5秒のタイムペナルティが下っており、ハジャルも無理はしない。ただ、そんなハジャルの背中にはゼイン・マローニ(ロダン・モータースポーツ/ザウバー育成)も接近する。

 

【アイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)】

 

 そんななか、23周目にステイ組トップのコラピントがピットへ。コラピントは一旦はマルタンスの前でコースに戻るも、コールドタイヤではポジションを守りきれず5番手に後退する。

 見た目上トップのクロフォードはタイムペナルティを跳ね除けるべく、21周目に1分43秒077、23周目に1分41秒887と、ファステストを更新するペースを刻むが、ハジャルとのギャップは5秒には遠く及ばない。

 フレッシュなオプションタイヤを履いたコラピントは、25周目のターン6でマルタンスを攻略し4番手に浮上する。プライム勢を1.5秒上回るペースで周回するコラピントだったが、見た目上3番手のマローニを捉えるには周回数が足りな買った。

 29周目を終えて、クロフォードがトップチェッカーを受けたが、5秒タイムペナルティ適用により、2番手チェッカーのハジャルが今季3勝目を飾った。2位にマローニ、そしてクロフォードは3位へと変わった。

 4位コラピント、5位マルタンス、6位ガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成)、7位ベアマン、8位エンツォ・フィッティパルディ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、9位デニス・ハウガー(MPモータースポーツ)、10位ジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)までがポイント獲得。なお、ファステストラップポイントはコラピントが手にした。

 なお、アーロンが無得点に終わったこともあり、ハジャルがドライバーズランキングトップに浮上を果たしている。11番手スタートの宮田は終始ペース不足に悩まされ、17位でチェッカーとなった。

 2024年FIA F2、次戦となる第9戦ブダペストは次週7月19~21日にハンガリーのハンガロリンクで開催される。

 

【2024 FIA F2第8戦シルバーストン フィーチャーレースの暫定表彰式】

 

2024年FIA F2第8戦シルバーストン フィーチャーレース暫定結果

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 20 I.ハジャル カンポス・レーシング 54’48.351
2 5 Z.マローニ ロダン・モータースポーツ 1.657
3 7 J.クロフォード ダムス・ルーカスオイル 1.822
4 12 F.コラピント MPモータースポーツ 11.991
5 1 V.マルタンス ARTグランプリ 12.228
6 10 G.ボルトレート インビクタ・レーシング 14.510
7 3 O.ベアマン プレマ・レーシング 17.478
8 14 E.フィッティパルディ ファン・アメルスフォールト・レーシング 17.990
9 11 D.ハウガー MPモータースポーツ 23.192
10 21 J.マルティ カンポス・レーシング 26.778
11 2 Z.オサリバン ARTグランプリ 32.662
12 17 P.アーロン ハイテック・パルスエイト 33.270
13 22 R.フェルシュフォー トライデント 34.951
14 25 T.バーナード AIXレーシング 37.294
15 16 A.コルデール ハイテック・パルスエイト 42.346
16 15 R.ヴィラゴメス ファン・アメルスフォールト・レーシング 45.649
17 6 宮田莉朋 ロダン・モータースポーツ 46.539
18 23 R.スタネ トライデント 50.783
19 9 K.マイニ インビクタ・レーシング 62.301
20 8 J.コレア ダムス・ルーカスオイル 92.471
24 J.デュルクセン AIXレーシング DNF
4 A.アントネッリ プレマ・レーシング DNF

 

・ファステストラップ:
#12 フランコ・コラピント:1分41秒357(25/29) 209.236km/h

 

・ペナルティ:
#7:5秒ペナルティ/アンセーフリリース
#9:5秒ペナルティ/トラップリミット違反4回
#9:5秒ペナルティ/トラップリミット違反5回