FIA、トラックリミット違反ペナルティの即時変更は却下 | 北海熊の独り言

FIA、トラックリミット違反ペナルティの即時変更は却下

FIAは、オーストリアGPでのランド・ノリスに対する処分をめぐって物議を醸しているものの、F1ドライバーたちに対し、トラックリミット違反に対するペナルティの適用は当面変更しないことを伝えた。

ランド・ノリスは先週末、レッドブルリンクでマックス・フェルスタッペンとのバトル中にホイールをロックさせてコースアウトしたことで5秒間のペナルティを科された。

この処分に、同僚たちの間では不安の声があがった。ノリスはタイムロスを喫し、最終的に獲得したポジションを返上したにもかかわらず、処分が下されたことは適切ではないというのだ。

 

この問題は、シルバーストーンで金曜日の夜に開催されたドライバーズブリーフィングで取り上げられ、F1のスタードライバーの多くが、トラックリミットの方針の本来の目的ではないことでペナルティを受けるのは不公平だと指摘した。

ミスをしてコースアウトした場合にペナルティが科される可能性がある場合、オーバーテイクを試みる意欲をドライバーが失う可能性があるというノリスの意見に、複数のドライバーが同意した。

FIAによって、ドライバーたちは、ノリスがペナルティを受けたのは、すでに3回トラックリミット違反を犯していたためであり、今回の一件だけが理由ではないことを念押しされた。

「こういうことが起こると、レースをする気が失せる。レースをしたり、オーバーテイクを試みてほしくなくて、退屈なレースでいいなら、このルールでいいだろう」と、ノリスは語った。

 

さらに、FIAは、シーズン途中で決定方法や実施方法を変更することは、1つの出来事に基づいて行うのは不公平であり、シーズン全体に大きな矛盾を引き起こす可能性があるという、長年にわたる立場を明確にしている。

 

その代わりに、シーズン中に生じた不満はシーズン終了時に提起し、次のシーズンの開幕までに必要な変更を加えることをFIAは望んでいる。

◼️トラックリミットと「フェイクグラベル」ソリューション


ノリスの件に関する議論に加え、ドライバーたちはオーストリアで導入されたトラックリミットに関する解決策についてもFIAと長時間にわたって話し合った。

縁石の幅をF1マシンよりも狭くし、外側を砂利で覆うという対策は、ドライバーたちから広く支持を集めたため、他のサーキットでも採用される可能性があると考えられた。

しかし、まだ検討が必要だったのは、オーストリアで起こったように、グラベルトラップがトラック上に石を投げ上げ、車やタイヤに損傷を与える可能性があるという結果だった。

解決策として検討されたもののひとつは、ザントフォールトのハンス・エルンスト・ボヒト・シケインで行われているような方法だ。サーキットに最も近い部分の砂利を接着し、サーキット上に砂利が巻き上げられるのを防ぐというものだ。

 

しかし、この「フェイクグラベル」の解決策は、比較的低速コーナーではうまく機能しているが、高速コーナーでの有効性については疑問が残る。特に、ウェットコンディションでは非常に扱いが難しい可能性がある。

最新のトラックリミットソリューションを導入できるかどうかは、サーキットの再設計に投資できるかどうかに大きく左右される。

オーストリアGPの後、RBのダニエル・リカルドは、最新のトラックリミットのアプローチで解決すべき最大の課題は砂利だと示唆した。

「明らかにコースアウトした場合、大量の砂利をトラックに引きずり込むというデメリットがある」とリカルドはオーストリアでの解決策について述べた。

 

「しかし、デメリットよりもメリットの方が大きいと僕は思う」

オーストリアでのフェルスタッペンとノリスとのバトルで、フェルスタッペンがブレーキング中に動いていたことについて、ここ数日議論が交わされているが、金曜夜のミーティングでドライバーがこの話題を持ち出さなかったと見られている。