サインツ、メルセデスのドライバー候補に再浮上…アントネッリがF2苦戦でプラン変更の可能性
メルセデスF1期待の若手であるアンドレア・キミ・アントネッリだが、F2で苦戦を強いられているため、フェラーリを離れるカルロス・サインツJr.が来季のドライバー候補に再浮上しているようだ。
非の打ち所がないという高い評価を受け、タイトル候補のひとりとしてプレマからF2に参戦したアントネッリだが、現在ランキング9番手とステップアップは期待を下回っている。
F2でのチームメイトであるオリバー・ベアマンはアントネッリよりも獲得ポイントが20少ないが、代役参戦でアピールに成功したこともあり、ハースから来季F1デビューすることが発表されたばかりだ。
メルセデスはアントネッリが2025年に向けてF1へステップアップするのを助けたいと考えており、チーム代表のトト・ウルフは以前、ルイス・ハミルトンの後任には若者が望ましいと語っていた。
ウルフ代表は、ここ最近アントネッリのパフォーマンスが改善されてきていると考えているものの、スペインのムンド・デポルティーボ紙にサインツJr.が「まだ間違いなく選択肢のひとつ」だと語った。
「今季は(アントネッリにとって)少し厄介なシーズンだった。というのもF2を全体的に見て、(プレマの)ふたりは同じレベルになかったし、チームもそれは良くなかったと認識していると思う」
「しかし、先週末(オーストリア)はかなり良かった。ペースはあったが、スタートでミスがあった。それはキミが学ぶべきことなのは確かだ」
「彼には大きなプレッシャーがかかっている。彼もそのことについてかなり口にしている。彼はジュニア・フォーミュラとカートで唯一無二のトラックレコードを持っている。そして、プレッシャーが高まる中、それを踏みにじることができている」
「しかし、彼の父親が言うように、チャンピオンは冷たい水の中でパフォーマンスを発揮し、泳ぐ必要がある。彼らはそのことを非常に明確にしている」
「現在のドライバー市場は非常にダイナミックで興味深いものだ。あるドライバーはより多くの選択肢を持っているし、あるチームはより多くの選択肢を持っている。面白いことだよ」
ウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表は、サインツJr.をチームに引き入れたいとの意向を公にしているが、その決定には特に期限はなく、2ヵ月後ぐらいには最終的な結果が出るだろうと語った。
ウイリアムズのサインツJr.獲得の可能性が微妙なものになりつつある中、チームは他のドライバーとの交渉を再開したと言われている。
「彼はワールドクラスのドライバーだし、決断が差し迫っているわけではない。今日決断しなければならないわけではないんだ」
「私がずっと言ってきたのは、実はタイムラインはあまり重要ではないということだ。それよりも重要なのは、私たちがどのような決断を下そうとも、あるいはドライバーがどのような決断を下そうとも、お互いに長期的な関係を築き、我々が歩んでいる道程を理解し、それが彼らの人生の一部となることを望むドライバーを起用するということだ」
「おそらく9月中にはすべてが明らかになるだろう。それが通常のタイムシートであり、通常のルーチンだ。8月は契約に費やされる」
ウルフ代表は、サインツJr.との契約が実現しなかった場合のプランBとプランCを常に用意していると語ったが、ボウルズ代表はプランYかプランZまであると冗談を飛ばした。
「世界が目にしている以上に、動く部分がたくさんある。でも全て筋が通っているものだ」