レッドブルF1代表、フェルスタッペンが残留再表明でメルセデスに余裕「ヨスなら空いてるよ」
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは先日、チームと既に長期契約を結んでいるにもかかわらず、会見で2025年もチームに残留することを改めて明言した。このような事態となったのは、メルセデスが彼の獲得を諦めていないと言われていたからだが、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、メルセデス側の一連の言動を批判した。
ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍により、有力ドライバーを失うことになったメルセデス。来季に向けて格好のターゲットと言えたのが、F1を3連覇中のフェルスタッペンであった。しかしながらフェルスタッペン本人がレッドブル残留を強調したこともあり、メルセデスへの電撃移籍は少なくとも来季には実現しなさそうだ。
ホーナー代表は、新規則に移行する2026年に向けたメルセデスのあらゆる情報を知っているハミルトンが移籍を決めたことで、その影響がドライバー市場全体に広がったと指摘。ただメルセデスのトト・ウルフ代表がフェルスタッペン獲得を狙っているような発言をしていたことは、一種の陽動作戦だったのではないかと述べた。
「彼(フェルスタッペン)がどこかに行くかもしれないなどといった雑音が聞こえてきたが、それが単に相手を気を逸らすための作戦だと思うこともある」
そうホーナー代表は語った。
「その背景にある動機は何なのか? ドライバーマーケットに大きなムーブメントを起こしたとあるドライバーは、2026年のエンジン、レギュレーションに関するあらゆる情報を持っていたが、(チームを)離脱することを決め、メルセデスに空きができた」
「だからそのシートに誰が座ることになるのか、ちょっとした憶測が飛び交っているが、マックス・フェルスタッペンではないだろう」
メルセデスがフェルスタッペンについて言及したのは、シーズン開幕直後。ホーナー代表のスキャンダルにより、フェルスタッペンがチームを離れるのではないかとの憶測が飛び交い始めた際、ウルフ代表は「彼を逆立ちしてでも獲得したい、そう思わないチームはない」として、フェルスタッペンの獲得を熱望するコメントをしていたのだ。
結果的にオーストリアGPの木曜日にフェルスタッペンはレッドブル残留を改めて公言した形だが、ウルフ代表はそれでも、「彼が明確にイエスと言ったとは思っていない」として、フェルスタッペンと契約するチャンスがゼロになったわけではないことを匂わせた。
なぜウルフ代表はフェルスタッペンとの契約を諦めないのか? motorsport.comがホーナー代表にそう尋ねると、彼は自身との確執が取り沙汰されるマックスの父、ヨス・フェルスタッペンなら取り込むことができるだろうとジョークを飛ばした。
「記者会見でのマックスは、かなり毅然とした態度で発言していたと思う。彼のチームに対する態度は一貫している」とホーナーは言う。
「だからトトに関しては……純粋に陽動作戦だと思っている。彼が来年に向けてフェルスタッペンを欲しいのだとしたら、まずヨスなら獲得できるんじゃないかな」
またフェルスタッペンがチーム残留を表明したことの喜びについて、ホーナーはこう述べた。
「我々が既に知っていることを再表明しただけだ。マックスはチームにとって重要な存在だ」
「彼のすべての勝利、表彰台はレッドブル・レーシングのマシンで成し遂げたもので、これまでに3度のワールドチャンピオンに輝いている。彼はチームの重要なメンバーだ。彼もチームの一員であることを楽しんでいるし、その周りには素晴らしいグループがいる。そして、将来がどうなっていくかも分かっている」